文学に現はれたる我が国民思想の研究 (1) (岩波文庫)

  • 岩波書店 (1977年9月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (290ページ) / ISBN・EAN: 9784003314012

みんなの感想まとめ

国民思想の形成過程を探る本書は、日本の歴史を通じて、実生活から生まれた概念がどのように国民思想として紡がれていったのかを深く考察しています。著者は、国民思想が単なる受け継がれるものではなく、歴史の中で...

感想・レビュー・書評

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  • この書物で言う国民思想とは、日本史を通じ、何か積極的な意味内容を持って受け継がれる不変の日本的なる何ものか、というものではなく、人々の実生活から生まれた概念によって紡がれる、というプロセスを経て生まれた思想のことである。この観点で国民思想の歴史を見ると、概念が中国からの借り物である、主要な担い手が支配層である、等々あり、津田から見れば、武士の時代に至るまで、実生活から遊離した文学しかなく、そこに国民思想はない、ということになる。これが戦前に書かれたことを考えると記紀神話以降の国体批判であることもよく分かるが、一方で、国民の実生活から生まれる思想なるものが、別の日本的なるものを措定しているとも言えなくもない。

  • 津田左右吉が、ある種、侮蔑的に書く日本古代人の楽観性は、僕にとって、古き日本人の良さに思える。
    津田左右吉が述べる、日本の歴史は、異国からの思想、文化の移入の時代があり、その後に、国民化が起きる、というのは、その通りだが、
    文明国に対する周辺国というのは、皆が皆、そのような歴史を辿ったのかが、興味が尽きない。
    文明国の文化により、なぎ倒された文化も存在するのではないか?

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著者プロフィール

津田左右吉

歴史学者、思想史家。 岐阜生まれ。1891年東京専門学校(のちの早稲田大学)を卒業。満鉄調査部に入り白鳥庫吉の下で満洲(中国東北)・朝鮮の地理・歴史を研究。1918年から早稲田大学講師、のち教授。文献批判に基づき、記紀の神話が客観的史実でないことを論証し、実証的な日本、中国の古代史,思想史研究を開拓した。『文学に現はれたる我が国民思想の新研究』『神代史の新しい研究』『古事記及日本書紀の新研究』『日本上代史研究』『上代日本の社会及び思想』を著す。『日本上代史研究』などに関して皇室の尊厳を冒涜したとされ1940年、発売禁止処分を受け早大教授を辞職。1942年には出版法違反で禁錮3ヵ月、執行猶予2年の宣告を受けるが、1944年には免訴となった。ほかに『ニホン人の思想的態度』『津田左右吉全集』(33巻)などがある。1949年文化勲章を受章。

「2019年 『日本の皇室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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