- Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003314456
作品紹介・あらすじ
ヨーロッパの古典フィロロギーの方法にもとづいて、孔子とその弟子達の言行録である『論語』を読みとき、その成立過程を明快に分析した小さな名著。全篇を一貫する広い視野、随所にあらわれる知性の天才的なひらめき、達意の美しい文章から、あたかも第一級の推理小説を読む如き高度の喜びと楽しみを与えてくれる。
感想・レビュー・書評
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図書館で借りた。
孔子の本だが、論語が書いてある本ではなく、学者先生による「孔子ってすげーぜ!」な評論文である。
明治時代の本であり、東洋思想に留まらない幅広い観点から書かれているのが特徴。釈迦・孔子・ソクラテス・キリストを「人類の教師」の四聖とし、それぞれの違いや特徴を述べて、孔子を研究する。
論語の本文自体を引用して、解釈解説をしたりもしている。
…が、私が理解するにはもう一段の積み重ねが必要と感じた。まだ、"理解したつもり"にもなれないかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
古寺巡礼 (ワイド版 岩波文庫)
(和書)2010年08月03日 16:05
和辻 哲郎 岩波書店 1991年1月
「イタリア古寺巡礼」というのも読みたくなった。 -
和辻哲郎 「孔子」
人類の教師(聖人)としての孔子を論じた本。思想史における孔子の位置づけ、孔子の伝記としての論語読み を内容とする論文。
孔子を 諸子百家が現れる前の原初的思想家であり、かつ最後の勝利者として残った永遠の思想家であると定義
史実としての信憑性に欠ける史記より、論語を孔子の伝記と見ている。為政篇を論語の総論と位置づけている
特に為政篇「吾十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知る、六十にして耳順う、七十にして心の欲する所に従って矩(のり)をこえず」を 孔子の自伝とし、人類の教師として、あらゆる人の人生の段階とした点は印象に残る
*四十にして己れの道を見出した
*五十にして天命を知り落ち着いた
*六十にして世人の言行への批判心がなくなり寛容な気持ちになった
*七十にして己れの言行に後悔がなくなり自らを許した
他から学ぶのみで思索しなければ悟れない〜自ら思索するのみで他から学ばなければ危険
己れと正反対の異なった主張に、ただ攻撃するだけでは学問の進歩にならない〜それを機として自ら省みれば異説も益となる
四聖人(釈迦、孔子、ソクラテス、イエス)を 人類の教師であり、一つの高い文化が結晶した存在とした
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孔子を語るにあたり、
孔子のみを論ずるのではなく、
「世界の四聖」である、イエス、釈迦、ソクラテスと、その四人を生んだ文化の歴史の概要を述べ、孔子という人物の特徴を浮き彫りにした秀逸な作品。
こうゆう論じ方は、
森羅万象に対する広い視野がなければできないだろう。
そして、
真の特徴というのは、
その対象そのものだけを観るだけでは不十分だろう。
これらのことは、
自分というものを知るには、
自他を含めた人間全体を知ることが、
自分を真に知ることに繋がることと同様である。
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論語とかがまとめられてるのかと思ったけど違った
でもすごい考察が面白くて結局読んじゃった -
科学の進歩した現代には同レベルの研究者は二度と出てこないんだろうな。
木村政彦が不世出なように和辻哲郎も二度と出てこない。
朝に道をき聞かば、夕に死すとも可なり。という一説に代表される宗教性の比定と論理思考が士大夫を作ったのかもしれませぬ。 -
「孔子」和辻哲郎著、岩波文庫、1988.12.16
168p ¥360 C0123 (2019.05.29読了)(2006.05.26購入)(1994.09.05/11刷)
【目次】
序
再版序
一 人類の教師
二 人類の教師の伝記
三 『論語』の原典批判
四 孔子の伝記および語録の特徴
付録 武内博士の『論語之研究』
解説 大室幹雄
☆関連図書(既読)
「孔子」井上靖著、新潮文庫、1995.12.01
「論語」貝塚茂樹著、講談社現代新書、1964.08.16
「論語の読み方」山本七平著、祥伝社、1981.11.30
「孔子『論語』」佐久協著、NHK出版、2011.05.01
「風土」和辻哲郎著、岩波文庫、1979.05.16
(「BOOK」データベースより)amazon
ヨーロッパの古典フィロロギーの方法にもとづいて、孔子とその弟子達の言行録である『論語』を読みとき、その成立過程を明快に分析した小さな名著。全篇を一貫する広い視野、随所にあらわれる知性の天才的なひらめき、達意の美しい文章から、あたかも第一級の推理小説を読む如き高度の喜びと楽しみを与えてくれる。