reinouさんの感想
2016年12月31日
1980年(底本は1936年)刊行。 専横を重ね、賄賂政治に邁進したという古典的な田沼政治の解釈に対して、やや批判的に見た見地から叙述されている。彼の政治が決して清廉潔白であったとまでは述べていないし、私も同感だが、それは松平や水野等、他の政治家も同じ(建前はともかく)と思える。 本書は、後に大々的に展開される田沼時代の再評価の嚆矢とも言うべき書といえるのではなかろうか。 また、文献の引用も一定程度なされている。 ただ、あまりに改行しなさ過ぎなので、読みにくいことには些か閉口気味。