パスカルにおける人間の研究 (岩波文庫)

著者 : 三木清
  • 岩波書店 (1980年7月16日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003314913

作品紹介

三木哲学の基礎を築いた書。主体的真実性、パトス等、のちの著者の諸根本概念はもとより、全く異質な世界を問題にする唯物史観研究も独自な弁証法も、また『構想力の論理』や『親鸞』も、その萌芽はこの処女作にすべて含まれる。

パスカルにおける人間の研究 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 30年以上前に読んだこちがあるが三木清が学者として
    出発したはじめてだした本であるが難解で
    あった

  • 三木清は、113年前の1897年1月5日兵庫県生まれの哲学者。敗戦の年の9月26日にまだ釈放されず、かの悪法=治安維持法による不当逮捕で、収容された豊多摩刑務所の独房で獄死させられる。享年48歳。

    はからずも三木清だけでなく、私たちは戸坂潤をもこの年の8月9日に亡くすという悲劇を味わい、あたら哲学の逸材を2人も失ってしまうという大打撃、痛手をこうむることになるのです。

    考えてみればわずか65年前に実際にあったあの戦争で、およそ6,000万人の命が犠牲になったのですが、その中には野球好きの詩人・サトウハチローが惜しんで「戦争は、あなたを失くしたことだけでも罪悪である」と言わしめた、伝説の剛速球投手で3度も徴兵され、ついには1944年12月2日乗っていた輸送船が潜水艦に撃沈されて27歳で戦死せざるを得なかった沢村栄治がいますし、映画の世界では、全26本撮影したはずの映画が戦時物資の困窮のせいで、国策映画を撮るため消されて使用されたため3本しか現存しないという、自身は南京攻略戦で中国各地を転々とさせられ1938年9月17日河南省の病院で戦病死した28歳の山中貞雄がいますが、先程の2人の哲学者もそうですが、戦争は人そのものの命を奪うと同時に、人間が作り出した文化・芸術・娯楽をも根こそぎ奪ってしまうものなのです。

    そういう意味でも、西田幾太郎はともかく、せっかく形成された日本独自の哲学の道の可能性を知るためにも、戸坂潤の『日本イデオロギー論』とか『思想と風俗』などとともに、本書をはじめ三木清の『哲学ノート』や『哲学入門』や『唯物史観と現代の意識』などは、多少手に追えなくても読んでおくべきですよ、などということを高校の時の落研(オチケン、落語研究会)の先輩に言われて真に受けて、春団治の『いかけ屋』を聞いて覚えるのと同時に、それらの本も悪戦苦闘しながら読んでいくのでした。

    でも、もともと私は、例のあの、「人間は一本の葦にすぎない。自然のうちで最もひ弱い葦にすぎない。しかし、それは考える葦である。」という『パンセ』の中の有名な一節に小学生の頃に出会ってから、この17世紀のわずか39際で亡くなった天才にぞっこんで、パスカルと名のついた本は必ず手にする習性が身についていましたから、そのパスカルについて書いている三木清に興味のないはずはないじゃないですか、先輩。

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