宋詩概説 (岩波文庫 青 152-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003315231

作品紹介・あらすじ

「中国歴代の大帝国のうち、もっとも文化的」であった宋代。蘇軾、陸游、王安石、梅堯臣ら当時の詩人は、社会と人生に対する巨視の哲学を詩にしめし、日常の生活を微細に詩にうつした。悲哀を止揚し、静かな喜びをもたらす宋詩の性格を「唐詩は酒、宋詩は茶」と喝破し、以後の中国文学史の流れを決定づけた名著。

感想・レビュー・書評

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  • 新書文庫

  • 宋代の漢詩は悲哀の詩が少ない。哲学的な巨視と冷静さで、生活に密着した詩を詠う。その昔「詩経」の時代、叙情の素材は悲哀に選ばれていた。六朝の詩は絶望と悲哀が基調だった。唐詩は悲哀を抜け出て希望を引き出したい葛藤から緊張感ある激しい詩が生まれた。著者は唐詩が酒なら宋詩は茶と述べている。噛めば噛むほどに感じる静かな喜び。そして雨がよく詠われている。本書では北宋、南宋の時代をそれぞれ過渡期、中期、後期と分け、総勢二十名以上の詩人を作品と共に解説しており、蘇軾に至っては三節に渡って述べている。当時の生活が伝わってくる。

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著者プロフィール

吉川幸次郎(よしかわ・こうじろう):1904―80年。神戸市生まれ。京都帝国大学文学部文学科入学、支那文学を専攻。1928―31年、中国留学。京都大学人文科学研究所東方学研究部研究員を経て、京都大学教授。この間、数々の著書を発表、日本の中国文学の普及に大きく貢献、芸術院会員、文化功労者となる。主な著書に『尚書正義』『杜甫私記』『陶淵明伝』『仁斎・徂徠・宣長』がある。

「2023年 『中国詩史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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