君たちはどう生きるか (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
4.19
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本棚登録 : 7805
レビュー : 867
  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003315811

作品紹介・あらすじ

著者がコペル君の精神的成長に託して語り伝えようとしたものは何か。それは、人生いかに生くべきかと問うとき、常にその問いが社会科学的認識とは何かという問題と切り離すことなく問われねばならぬ、というメッセージであった。著者の没後追悼の意をこめて書かれた「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」(丸山真男)を付載。

感想・レビュー・書評

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  • 「君たちはどう生きるか」
    「おじさんのノート」
    ①子供は自分中心の考え方
     〜自分に都合のいいように物事をとらえる。
     大人(一部)は広い世間を先にしてその上で物事
     を考える。
     〜自分を離れて正しく判断。
    ②いつでも自分が本当に大切だと感じたことや、
     事実心を動かされたことから出発して、その意味  
     を考えることが大切。
             ↓
     世間の目よも人間の立派さがどこにあるか知る。
    ③いろいろな物は全く見ず知らずの人ばかりが作っている。
             ↑
        人間らしい関係ではない
         〜人間同士がお互いに好意を尽くしそれ
          を喜びとしている。
    ④❶人間の本当の値打は立派な心や見識によって決
      まる。
     ❷妨げもなく勉強でき、自分の能力を伸ばしてい
      けることはありがたいこと。
     ❸消費専門家よりも消費しているが生産している人の方が偉いので消費者は生産者を敬うべきだ。
    ⑤英雄や偉人などと呼ばれている人で本当に尊敬で
     きるのは、人類の進歩に役立った人だけである。
    ⑦人間だけが感じる人間らしい苦痛
     ↓
     自分が取り返しのつかない過ちを犯したこと。
     〜大抵の人は言い訳を考えて認めまいとする。
      しかし、認めることが大切である。

    物語の要約
    ①銀座のあるデパートメントストアの屋上でコペル
     君は人間は分子のようなものだなと感じた。
    ②山口君が浦川君のことをからかったことに対し、北見君は怒り北見君と山口君は喧嘩した。(油揚げ事件)
    ③叔父さんは小さい頃なぜニュートンは林檎から万
     有引力を思いついたのかが分からなかったが、林
     檎を落とす高さを増して考えると分かるようにな
     った。
    ④浦川君が学校に来ないので、コペル君は浦川君の
     家に行った。浦川君の家に行くと、浦川君は仕事
     で学校を休んでいた。
    ⑤北見君、コペル君、浦川君は水谷君の家に行っ 
     た。水谷君の姉はナポレオンが好きで、ナポレオ
     ンのことについてみんなに話した。そして、コペ
     ル君もその影響で、ナポレオンが好きになった。
    ⑥上級生に殴られそうになったら、北見君を守ると
     みんなで、約束したが、コペル君だけ上級生の怖
     さに守ることができず後悔した。
    ⑦コペル君の母もおばあさんが重い荷物を持って石
     段を登っている時母はにもつをもってあげようと
     したが、ためらっている間にのぼりおわってしま
     ったという嫌な思い出がある。
    ⑧北見君水谷君浦川君はコペル君の手紙を見てコペ
     ル君のことを許した。そして再び仲良くなった。
    ⑨コペル君は叔父と仏像の話をしていくうちに自分
     の胸がふくらんだ。また、昼間庭の伸びてゆかず  
     にはいられないものは、何千年の中にも伸びてい
     た。
    ⑩コペル君がおじさんのノートの感想を書きなさい
     お母さんに言われ、おじいさんのノートに対して
     の感想を書く。

    • moshiri0826さん
      とても丁寧な、緻密な紹介の姿勢。納得しながら読ませていただきました。お運びありがとうございます。
      とても丁寧な、緻密な紹介の姿勢。納得しながら読ませていただきました。お運びありがとうございます。
      2021/01/14
    • よろしくお願いしますさん
      こちらこそ長い文章を丁寧に読んでくださりありがとうございます!
      こちらこそ長い文章を丁寧に読んでくださりありがとうございます!
      2021/01/22
  • 思うところがあり、書き直しました。<(_ _)>

    初めて読んだのは小学校高学年。
    4年生だったか、5年生だったろうか。
    人間ってなんだろう? 生きるってなんだろう? と純粋に思い始めた頃だ。

    それから今まで何度読み直したか分からない。

    「コペル君」と「おじさん」の会話が淡々と進む。
    コペル君が学校で出会う様々な事件。
    それに対してコペル君が感じたことに、おじさんがノートに返答を書く。

    人を差別してはいけない。
    人間なんてデパートの屋上から眺めたらちっぽけなものだ。
    その一分子として、主観的ではない客観的な視点を持たねばならない。
    立派な人間とはどういう人間のことをさすのか。

    ニュートン、ナポレオンなどの偉人を引き合いに出したり“生産関係”などの社会科学的な言葉で、人間のつながりを教えたり。

    おじさんのノートは、常に豊富な示唆に富んでいる。

    子ども心に、「そうか、人間はこう考えて生きていかなければならないんだ」と感銘した記憶がよみがえる。

    戦時中の子供たちに“人間の生き方”を真正面から問うた吉野源三郎の不朽の名作。
    それ故に太平洋戦争が始まってからは刊行も許されなくなった。

    読んだ後、それからの私の人生の指針となった珠玉の一冊。まさに、私の人生を決めた生涯の一冊。
    ※ちなみに、池上彰氏も自分の人生に影響を与えた一冊だと言っています。

    大人になった今読んでも、深く考えさせられる名著であるのは間違いない。

    子どもたちのみならず、多くの大人たちにも読んでもらいたい。宝物のような作品。

    今の子供たちに真正面から問いたい。考えてもらいたい。
    君たちはどう生きるか?

    そして、自ら、或いはまわりの大人たちにも問うべきだろう。
    これから、私は、あなたたちはどう生きるか? と。

    • kaze229さん
      今ちょうど
      梨木香歩さんの「僕は、そして僕たちはどう生きるか」を読んでいるところです。

      この一冊「君たちはどういきるか」を 
      まっ...
      今ちょうど
      梨木香歩さんの「僕は、そして僕たちはどう生きるか」を読んでいるところです。

      この一冊「君たちはどういきるか」を 
      まっとうな暮らしをしていくときの指標にしている人は結構いると思います。
      そんな人たちがいる限り、日本はまだ大丈夫だと思いたい!
      2016/07/13
    • 放浪金魚さん
      koshoujiさんコメント及びリフォローありがとうございます。
      突然フォローさせていただいた立場にも関わらずコメントまで頂き嬉しかった...
      koshoujiさんコメント及びリフォローありがとうございます。
      突然フォローさせていただいた立場にも関わらずコメントまで頂き嬉しかったです。

      「佐渡」編の貴重なエピソード、とても楽しく読ませて頂きました。
      お馴染みのお店がテレビで紹介されるだけでなく、実際にタモリさんにお会いされ、しかもお話までされたなんて羨ましい限りです。
      大手町で片桐はいりさんを見かけた、くらいでは話題にはできませんね…(個人的にはとても好きな女優さんです!)

      『君たちはどう生きるか』は実は私も最近読み直した本です。
      小・中学生向け?の本ほど、思いがけないかたちで大人の心に突き刺さる言葉を残すことありますよね。
      レビューで書かれている通り「宝物のよう」とは最もだと思います。
      学生さんから大人まで、広く手に取ってほしい作品です。

      幅広い読書をされているご様子なのでとても刺激を受けます。
      こちらこそ今後とも良き読書仲間として、よろしくお願いします♪
      長文失礼しましたm(_ _)m
      2017/01/11
    • 工藤恭悟さん
      始めまして、koshoujiさん。工藤恭悟と申します。コメントそしてフォローありがとうございます。

      コメントへの返信の仕方が分からない...
      始めまして、koshoujiさん。工藤恭悟と申します。コメントそしてフォローありがとうございます。

      コメントへの返信の仕方が分からないので、こちらから失礼いたします。

      「君たちはどう生きるか」を小学生の時に読まれたとのこと、羨ましく思います。
      一番吸収する時期に、この本に出会えたというのは素晴らしいことだと思います。

      こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
      2018/03/22
  • 吉野源三郎『君たちはどう生きるか』岩波文庫。

    最近、様々なメディアでも取り上げられ、漫画化もされた話題の作品。また、岩波文庫を手にするのは20年ぶりというのにも自分自身も驚いた。本を開けば懐かしい岩波の独特の活字とルビ、イラストや写真…

    評判に違わず、素晴らしい良書である。現代の日本人が喪いつつある道徳心と人生の歩み方について、主人公のコペル君と叔父さんとの会話や書簡を通して明らかにしていく過程が良い。

    著者の没後追悼の意をこめて書かれた「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」(丸山真男)を付載。

  • プレゼントされなければ、おそらく手に取ることは無かっただろう一冊。
    読めてよかった。この本を贈ってくれた相方に、感謝。

    戦前(1937年初版)の少年少女向け文学。
    少年コペルの日常と、その叔父が彼へ語りかけるノートとが交互に描かれる物語には大きな起伏はなく、どちらかと言えば平板なお話なのだが…。

    70年以上前という時代背景と関係なく、読中ずうっと、我々人間はどう在るべきかを押し付けがましくなく示唆され続けた。

    決してエンタメではない。
    少年少女にはきっと、難解に過ぎる向きも強い。
    けれども確かに、未来の日本を背負っていく達少年少女にこそ読んでもらいたい一冊。

    「王位を奪われた国王以外、誰が、国王でないことを不幸に感じる者があろう」

    痛みを感じる者以外、誰が、痛みのない状態を幸福に感じる者があろう

    「人間同士調和して生きてゆくべきものでないあらば、どうして人間は自分たちの不調和を苦しいものと感じることができよう」

    と進んでいく、“叔父さん(著者)”の主張に心を強く打たれた。

    ★4つ、8ポイント。
    2018.01.16.新.贈。

    ※当時(1937年)は、「いじめ」という単語はなかったのね…。

    ※旧制の中学一年生(現代の中2?、中3?)の、思慮の深さ(笑)。

    ※「叔父さん」の、超人的な博識ぶり(笑)。

  • 名作。読む前に気合いを入れてみたのだけど、拍子抜けするほど読みやすかった。

    コペル君の成長には、コペル君自身の知的好奇心と、出会いと経験、それから彼の好奇心を支える周りの人々が欠かせないのだと思う。
    結局、人は一人で生きるより、皆で生きることの方がより複雑な経験を得るのだな。
    そうして、芽生えた苦しみや悲しみを、糧にしようとするアドバイスは、私の心にもぴったりはまって、心地良いものだった。

    マイナスの感情に囚われることは、なにも不幸なのではない。
    そんな風に感じ、落ち込み、迷う自分を知ることの大切さを思い知らされた。

    コペル君を育てることは、簡単なことではない。
    必要なときに、必要な言葉をかけてあげることのできる、大人にも余裕がないといけないからだ。
    けれど、学ぶことの楽しさを、生きることの美しさを感じ、伝えてゆける余裕の持った大人が増えるのならば、きっとワクワクするような社会になるんだろうな……とも思ってしまう。

    貧しさと、生産する者の尊さ。
    立場と、立場では覆せない、人の在り方。
    裏切りと、それを受け止めることの勇気。

    丸山眞男の解説も、すごくいい。

  • コペルくんが周りの人たちを通して感じ学ぶ一つ一つの出来事が大人になるうえで大切なことだなと思う。改めて気づかせてもらえた大切なことも多かったです。
    読んで良かった!

    たくさん心にとまる箇所はあったけれど、
    「ありがたい」という言葉がもつ本来の意味が一番心に残った気がします。

  • ◯まさに道徳の本。たしかに名著。
    ◯ただ、時代背景を考えても、やたら上流階級の人間が出てきて鼻持ちならない。卑屈な気持ちが浮かぶ。
    ◯一億総中流の時代〜現代という時代が追いついて、ようやく馴染みの本となる、社会での一般性を得たのではと思う。
    ◯それにしても何故この本が流行したのかが不明。漫画化によるのだろうか。

  • 今再び話題になって読まれているのはうれしい。

    わたしは前にもアップしたような気がしていたが、
    それは2004年のお正月に読みたくなるという、ただ書名をあげただけの内容だった。
    それでこの小説にまつわる思い出を書いてみる。

    この小説を知ったのは中学二年(1956年)の国語の教科書。
    コペル君がお豆腐屋の同級生が兄弟の子守で学校を休むことに疑問を感じることや、
    豆腐屋の手伝いで手が真っ赤だったことで、いじめなどを見聞きしたり、
    そんな悩みを抱えるコペル君が、おじさんに(お父さん代わりの)
    デーパートの屋上で人間の営みについて教えてもらう場面が印象的だった。

    ちょうど、わたしは東京に転居・転校して、
    当時でも都会の人の多さに驚いていた時期でもあった。
    特に、
    デパートの屋上から見る人間の小ささと動きに哀愁のようなものを感じたのであった。

    なぜか、これからだ!という希望も幼いながら感じた。
    それから急に大人になったのだけれども・・・。
    教科書の一文も生徒におおきな影響を与えるものだと、後に思う。

    原作をすっかり読んだのはもう中年(1980年代)になってからだが。
    その時も何か話題になったような、
    貸してほしいという友人が何人かいたのを覚えている。
    たびたびブームになるらしい。

    そして今回。
    どうやらマンガになって知られたらしいが。

    なぜ思い出したかというと、
    新しく始まったTV朝日のひるおびドラマ「越路吹雪物語」を見ていて、
    転校したためにいじめられたり、
    家のために手伝いをしなければならない同級生の友達が学校を休んだりするのに同情したりと
    世間を幼くも経験する、そのドラマを子役がうまく演じていたので、思わずほろりとして。

    まあ、世の中そんなに甘くないんだけれども。
    そんなことは後になって(大人になって)知ればいいい。

  • 子育てに迷い、自身の価値観が揺らぐ中で手にとった1冊。
    心が揺さぶられた。
    私も叔父さんのように、深い思考と視点を以って子どもに語れる親でありたい。
    繰り返し読みたい、そして子どもたちにも受け継いでいきたい作品でした。

  • 再読。当時は素直に読んだが、この年になるとなんで成長しなきゃならないの?と疑問に思う。成長が止まる、限界値に達したら人が無能になることを全否定しているように感じてしまう....。それでも人は生涯成長し続ける生物なのか?生きづらさを実感している人には脅迫観念でしかない。穿り過ぎか...。
    ただ、一度も読んだことのない方にはオススメの一冊であることは間違いない。

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著者プロフィール

編集者・児童文学者。1899(明治32)年〜1981(昭和56)年。
雑誌『世界』初代編集長。岩波少年文庫の創設にも尽力。


「2017年 『漫画 君たちはどう生きるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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