君たちはどう生きるか (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
4.19
  • (832)
  • (548)
  • (385)
  • (33)
  • (14)
本棚登録 : 5967
レビュー : 726
  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003315811

作品紹介・あらすじ

著者がコペル君の精神的成長に託して語り伝えようとしたものは何か。それは、人生いかに生くべきかと問うとき、常にその問いが社会科学的認識とは何かという問題と切り離すことなく問われねばならぬ、というメッセージであった。著者の没後追悼の意をこめて書かれた「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」(丸山真男)を付載。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 思うところがあり、書き直しました。<(_ _)>

    初めて読んだのは小学校高学年。
    4年生だったか、5年生だったろうか。
    人間ってなんだろう? 生きるってなんだろう? と純粋に思い始めた頃だ。

    それから今まで何度読み直したか分からない。

    「コペル君」と「おじさん」の会話が淡々と進む。
    コペル君が学校で出会う様々な事件。
    それに対してコペル君が感じたことに、おじさんがノートに返答を書く。

    人を差別してはいけない。
    人間なんてデパートの屋上から眺めたらちっぽけなものだ。
    その一分子として、主観的ではない客観的な視点を持たねばならない。
    立派な人間とはどういう人間のことをさすのか。

    ニュートン、ナポレオンなどの偉人を引き合いに出したり“生産関係”などの社会科学的な言葉で、人間のつながりを教えたり。

    おじさんのノートは、常に豊富な示唆に富んでいる。

    子ども心に、「そうか、人間はこう考えて生きていかなければならないんだ」と感銘した記憶がよみがえる。

    戦時中の子供たちに“人間の生き方”を真正面から問うた吉野源三郎の不朽の名作。
    それ故に太平洋戦争が始まってからは刊行も許されなくなった。

    読んだ後、それからの私の人生の指針となった珠玉の一冊。まさに、私の人生を決めた生涯の一冊。
    ※ちなみに、池上彰氏も自分の人生に影響を与えた一冊だと言っています。

    大人になった今読んでも、深く考えさせられる名著であるのは間違いない。

    子どもたちのみならず、多くの大人たちにも読んでもらいたい。宝物のような作品。

    今の子供たちに真正面から問いたい。考えてもらいたい。
    君たちはどう生きるか?

    そして、自ら、或いはまわりの大人たちにも問うべきだろう。
    これから、私は、あなたたちはどう生きるか? と。

    • kaze229さん
      今ちょうど
      梨木香歩さんの「僕は、そして僕たちはどう生きるか」を読んでいるところです。

      この一冊「君たちはどういきるか」を 
      まっ...
      今ちょうど
      梨木香歩さんの「僕は、そして僕たちはどう生きるか」を読んでいるところです。

      この一冊「君たちはどういきるか」を 
      まっとうな暮らしをしていくときの指標にしている人は結構いると思います。
      そんな人たちがいる限り、日本はまだ大丈夫だと思いたい!
      2016/07/13
    • 放浪金魚さん
      koshoujiさんコメント及びリフォローありがとうございます。
      突然フォローさせていただいた立場にも関わらずコメントまで頂き嬉しかった...
      koshoujiさんコメント及びリフォローありがとうございます。
      突然フォローさせていただいた立場にも関わらずコメントまで頂き嬉しかったです。

      「佐渡」編の貴重なエピソード、とても楽しく読ませて頂きました。
      お馴染みのお店がテレビで紹介されるだけでなく、実際にタモリさんにお会いされ、しかもお話までされたなんて羨ましい限りです。
      大手町で片桐はいりさんを見かけた、くらいでは話題にはできませんね…(個人的にはとても好きな女優さんです!)

      『君たちはどう生きるか』は実は私も最近読み直した本です。
      小・中学生向け?の本ほど、思いがけないかたちで大人の心に突き刺さる言葉を残すことありますよね。
      レビューで書かれている通り「宝物のよう」とは最もだと思います。
      学生さんから大人まで、広く手に取ってほしい作品です。

      幅広い読書をされているご様子なのでとても刺激を受けます。
      こちらこそ今後とも良き読書仲間として、よろしくお願いします♪
      長文失礼しましたm(_ _)m
      2017/01/11
    • 工藤恭悟さん
      始めまして、koshoujiさん。工藤恭悟と申します。コメントそしてフォローありがとうございます。

      コメントへの返信の仕方が分からない...
      始めまして、koshoujiさん。工藤恭悟と申します。コメントそしてフォローありがとうございます。

      コメントへの返信の仕方が分からないので、こちらから失礼いたします。

      「君たちはどう生きるか」を小学生の時に読まれたとのこと、羨ましく思います。
      一番吸収する時期に、この本に出会えたというのは素晴らしいことだと思います。

      こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
      2018/03/22
  • 吉野源三郎『君たちはどう生きるか』岩波文庫。

    最近、様々なメディアでも取り上げられ、漫画化もされた話題の作品。また、岩波文庫を手にするのは20年ぶりというのにも自分自身も驚いた。本を開けば懐かしい岩波の独特の活字とルビ、イラストや写真…

    評判に違わず、素晴らしい良書である。現代の日本人が喪いつつある道徳心と人生の歩み方について、主人公のコペル君と叔父さんとの会話や書簡を通して明らかにしていく過程が良い。

    著者の没後追悼の意をこめて書かれた「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」(丸山真男)を付載。

  • 名作。読む前に気合いを入れてみたのだけど、拍子抜けするほど読みやすかった。

    コペル君の成長には、コペル君自身の知的好奇心と、出会いと経験、それから彼の好奇心を支える周りの人々が欠かせないのだと思う。
    結局、人は一人で生きるより、皆で生きることの方がより複雑な経験を得るのだな。
    そうして、芽生えた苦しみや悲しみを、糧にしようとするアドバイスは、私の心にもぴったりはまって、心地良いものだった。

    マイナスの感情に囚われることは、なにも不幸なのではない。
    そんな風に感じ、落ち込み、迷う自分を知ることの大切さを思い知らされた。

    コペル君を育てることは、簡単なことではない。
    必要なときに、必要な言葉をかけてあげることのできる、大人にも余裕がないといけないからだ。
    けれど、学ぶことの楽しさを、生きることの美しさを感じ、伝えてゆける余裕の持った大人が増えるのならば、きっとワクワクするような社会になるんだろうな……とも思ってしまう。

    貧しさと、生産する者の尊さ。
    立場と、立場では覆せない、人の在り方。
    裏切りと、それを受け止めることの勇気。

    丸山眞男の解説も、すごくいい。

  • プレゼントされなければ、おそらく手に取ることは無かっただろう一冊。
    読めてよかった。この本を贈ってくれた相方に、感謝。

    戦前(1937年初版)の少年少女向け文学。
    少年コペルの日常と、その叔父が彼へ語りかけるノートとが交互に描かれる物語には大きな起伏はなく、どちらかと言えば平板なお話なのだが…。

    70年以上前という時代背景と関係なく、読中ずうっと、我々人間はどう在るべきかを押し付けがましくなく示唆され続けた。

    決してエンタメではない。
    少年少女にはきっと、難解に過ぎる向きも強い。
    けれども確かに、未来の日本を背負っていく達少年少女にこそ読んでもらいたい一冊。

    「王位を奪われた国王以外、誰が、国王でないことを不幸に感じる者があろう」

    痛みを感じる者以外、誰が、痛みのない状態を幸福に感じる者があろう

    「人間同士調和して生きてゆくべきものでないあらば、どうして人間は自分たちの不調和を苦しいものと感じることができよう」

    と進んでいく、“叔父さん(著者)”の主張に心を強く打たれた。

    ★4つ、8ポイント。
    2018.01.16.新.贈。

    ※当時(1937年)は、「いじめ」という単語はなかったのね…。

    ※旧制の中学一年生(現代の中2?、中3?)の、思慮の深さ(笑)。

    ※「叔父さん」の、超人的な博識ぶり(笑)。

  • あなたは大河の一滴なのだから、その一滴としてどのようにふるまうことが大切なのかをしっかり考えなさい、といったことをとても温かで力強い言葉で伝える本。
    歴史的名著といわれるゆえんは、語られる言葉の深い深い教養と知性に支えられた血肉の通った言葉にあると思います。

    私の嫌いな道徳の時間でも、この本くらいの根のはった哲学した熱い言葉が語られていたら聞き入っていたと思う。
    大人にも受け入れられているのは、表面だけではない何かがこの本から感じられるからだと思う。

    漫画のほうの記事を読んでいて、作者がこの本の中物語にとても引き込まれたそうですが、私も同様で、ページをめくるのが楽しくて仕方なかった。
    後半のコペル君が苦悩する場面はとても印象的。

  • 叔父から「コペル君」というあだ名をもらった15歳の少年は、家庭や学校での経験を通して様々な真理を学んでいく。そんなコペル君が話す日常に、叔父はそっと耳を傾け思いをノートに綴る。

    デパートの上から眺めた際に気付いた人間の小ささ、学校では内向的な友人が自宅で見せる頼もしい姿、友人のお姉さんから聞いたナポレオンの偉業など、コペル君は見たもの聞いたものに素直に驚き、感心し、吸収していきます。
    日々の生活なかで楽しいことや嬉しいことも経験しますが、同じくらい分からないこと、理解ができないことを目の当たりにしたり、時にこの世の終わりだと感じるほど落ち込むこともあるでしょう。ではそういった事態に直面したときにどうすれば良いか。
    大切なのは「その次にどのような行動をおこすか」です。
    目を逸らすのではなく向き合い、その物事に対しよく考え、最善を尽くす。そういった行動の根底には「自分はどういった人間になりたいか」「社会のなかでどう生きていくか」といった大きなテーマに直結していきます。
    コペル君というひとりの少年の成長期を軸に描かれた青少年向けの易しい本ですが、大人となった今でも心に残るフレーズとたくさん出会えました。

    「自分はどう生きるか」――この先も数多く待ち受ける選択の場面で、都度頭によぎることになるであろう心強い問いかけとなりそうです。

  • ベストセラーと聞くと避けがちな天邪鬼だが、本書は読んで良かったと心から思う。
    コペル君の感受性、若き叔父さんの知性、周りの人達の現実感、どれもが惹きつける。
    本文の素晴らしさを、著者あとがきと丸山真男の追悼文が、更に引き立てている。
    戦争に向かう世の中にあって、これだけ人間の真理をわかりやすく綴って残した著者に感謝である。

  •  アニメ化された物語が現代の若者にベストセラーに!ジブリ映画になる予定も!読んでみて納得した。昭和10年代の暗い時代を生きる中学1年の綽名コペル君。叔父さんがコペルニクスから名付けた綽名が学校の級友たちにも広まった。特異な時代でありながら、人間の本性を示す多くの逸話が時代に関係せず、子供が大人に成長していく上での出来事を重ね合わせてくれ、きっと多くの現代の若者たちも共感するのだと思った。上級生の暴力に立ち向かう北見君たちを臆病のゆえに裏切ってしまうコペル君の悩みの場面はあまりにも真に迫って迫力に富む。父親の大金持ち、陸軍の大物、そして浦川君、水谷君、水谷君の姉かつ子さんなどとの青春が麗しい!!

  • コペル君みたいな人が貸してくれたので、読んでみました。
    戦前に書かれたものですが、現代でも多くの思春期の方に是非読んでいただきたい。そして大人が読んでも学ぶことが多い本だと思います。
    そういう意味では一過性のブームにだけはなって欲しくない、これからも読み継がれてくれたらと願います。

  • 後悔のおかげで、人間として肝心なことを心にしみとおるようにして知れば、その経験は無駄じゃあないんです。

全726件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

編集者・児童文学者。1899(明治32)年〜1981(昭和56)年。
雑誌『世界』初代編集長。岩波少年文庫の創設にも尽力。


「2017年 『漫画 君たちはどう生きるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉野源三郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
川端 康成
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印

君たちはどう生きるか (岩波文庫)に関連する談話室の質問

君たちはどう生きるか (岩波文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする