覚書 幕末の水戸藩 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003316245

作品紹介・あらすじ

著者の生家青山氏は水戸藩士で、曾祖父・祖父は『大日本史』編纂局総裁などをつとめ、徳川斉昭や藤田幽谷・東湖父子とも近しく交わった。その祖父の残した日記や手紙、親戚故老の思い出話に基づいて、流血に明けてくれる幕末水戸藩の内実、ひとびとの暮らしぶりをいきいきと描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • おもしろいけど、途中まで。

  • 水戸の藩校、弘道館のおエライさんの子孫である筆者さんが、御先祖さんが残したたくさんの手紙をもとに幕末の水戸事情を考察した1冊です。
    藩主烈公(斉昭)さんの手紙もあり、なかなか興味深い1冊でした。

    水戸は幕末にかなりいろんなことがあってさ。
    天狗党の乱では水戸藩士内で激しい殺し合いもしてるし、何が真実だったかなんて今の水戸人でもわからないし、語れない部分があるわけ。
    筆者の御先祖さんは天狗党とも諸生党とも交流があったみたいで、ある意味中立的な解釈ができるのが良い感じでした。

    かなりマニアックだけど、水戸の人は読んでおいたほうが良いよ。
    斉昭さんと藤田東湖さんは水戸で神さまとして祀られているけど、それだっていろいろ問題があるよな~って思いました。

    あと、恩田陸さんの『夜のピクニック』の題材となった水戸一高の「歩く会」は、もしかしたら天狗党の軍行が関係してるのかな…って思いました。

  •  血で血を洗う幕末水戸藩の内情を、「あれは最初の殿様がつまらぬ見栄を張ったために、そのしわ寄せで藩が貧乏だったから。武家といっても官職を離れたら食べてゆけないので、それぞれが命がけで食い扶持を争っただけ。尊皇も佐幕もたんなる口先だけのお題目だった」と喝破するのは、まさに女性の史家ならではの卓説というべきだろう。

  • 山川菊栄

  • 解説に「到るところで人間が生きて活動している」とあるが、こんなに生き生きとした描写で歴史上の人物が語られているのを読んだのは初めて。
    血の通った人間が生きていた、という事実が目の前にある、そんな気にさせてもらえる本。

  • 「私の今月の一押しは山川菊栄『覚書 幕末の水戸藩』。水戸藩の氏族の娘だった母親の回想などをもとに書かれたものですが、若い女性の目でとらえた幕末動乱期が生き生きと描かれています。幕末物って、どうしても男の視点からになっちゃうけど、これは柔らかい生活の視点から見ているから、とても新鮮」
    「『文庫』の大航海。」(杉浦日向子+佐高信)
    『日本人の死角』(徳間書店、1993.9.30所収)

  • 血で血を洗うと言われた幕末の水戸藩の歴史を、聞き書きをまじえながら事実によりそって書いています。政治だけでなく、経済、文化、社会とあらゆるジャンルに目配りをしているところが他とは違います。幕末の水戸藩の歴史を知らないとついていけない部分がありますが、描かれている登場人物がみな生き生きとしていますので私のような無知でも面白かったです。

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