- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003316528
作品紹介・あらすじ
こよなく酒を愛し食いしんぼを自認する著者が楽しみながら書いた酒や料理のはなしの数々。蟹や河豚といった酒の肴、はては酒の飲みくらべの話などをとりあげても並のグルメ談義とは一味も二味もちがう。滋味あふれるこれらのエッセーは名物学という学冶の実践なのである。
感想・レビュー・書評
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中国文学者の青木先生が、中国と日本の古文書を引用しながら美味しいものについて語る随筆集。中国の詩人は酒がうまいライチがうまいと詩作に励み、日本の誰かも俳句だか短歌だかをひねっていた。名作じゃないんだろうけど、日常を楽しんでいる様子がよろこばしい。その姿勢は青木先生も同じで、夕方になるとそわそわして豆腐で一杯やりはじめる。誰でもまねできるお楽しみである。
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前半(酒の肴)はお酒と肴の話、後半(抱樽酒話)はお酒が絡んだ話と、
どちらもお酒といった共通点がありつつも
違った視点で書かれている一冊となります。
前半はお酒を飲まれる方なら、共感できる部分が多いのではと思います。
お酒はもちろん、肴についての描写がとても詳しく書かれ、
これ実際に作れるのでは、作れそうと思うこともしばしば。
著者の方がお酒好き、肴好きでもあるため、
書かれている際の熱量が素晴らしく、
あれも食べたい、これも食べたいと思わせてくれる内容です。
後半は酒会、酒を詠んだ詩、アルコール中毒等、
お酒が関わる話がメインとなります。
中でも陶淵明が詠んだ「お酒止めたい」の詩がとても面白かったです。
お酒を止めたい強い思いから始まる弱音と決意。
にもかかわらず、それでも止められない、止めたくない。
止めるぐらいならいっそと本音がしっかり見え隠れしているところが
お酒好き所以というのか微笑ましいです。
この「お酒止めたい」の詩は他の方も読まれており、
好きだからこそ止めるのが大変だということが
どなたからも伝わり、思わずくすりとさせられます。 -
図書館で。古今東西性別年齢を問わず(とはいえお酒は20歳からですが)お酒が好きな人なら読んでついニヤリとしそうな本だと思いました。
昔の人は今我々が飲んでいる清酒とは違うお酒を飲んでいたのでしょうがそれにしても詩歌には旨そうに酒を飲む歌が多いものです。
東波は味を愛して食を貪らなかったのである。とか、カッコイイですね。適口と言う言葉はまったくもってその通り、と大きく頷く感じでした。
厨娘の話は米澤さんの小説を思い出しました。ネギの話とかアヒルの話がそのままなのでこの本が元になっているのかなあと思ったり。それにしても贅沢なものです。あまりあこがれはしませんけれども。