- Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003316948
作品紹介・あらすじ
南無阿弥陀仏という六字の名号が意味するものを説き明かしつつ、浄土思想=他力道を民芸美学の基盤として把え直した書。なかでも、日本における浄土思想の系譜を法然‐親鸞‐一遍とたどり、一遍上人をその到達点として歴史的に位置づけた点は注目される。柳宗悦晩年の最高傑作であり、格好の仏教入門書である。
感想・レビュー・書評
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何度も何度も読み返し、いつもいつも思い出す本がある。
もうそれは、言葉に出して考えなくても、
心の片隅に染み付いている存在である。
僕にとってこの本はそういう一冊だ。
ものには作り手の心が表れる。よく言われることだ。
では、特別な教育もなしに最も美しいものを作り出す人々は、
どんな心をしているのか?その心は、どうやってつくられたのか?
それが、柳宗悦と仏教との出会いだったそうだ。
宗教と芸術と科学、それらを隔てる仮の垣根が透けて、
心の働きが持つ力の世界が浮かび上がってくる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何度か読んでるけど、まだ完全に消化できてない。
これからも折にふれて読もう。 -
父の死去、浄土真宗での祭祀から手に取った本。柳宗悦先生の丁寧で情熱あふれる他力の本願の解説が心にしみた。名著だと思う、
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2020年5月読了。
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青森県出身の版画家・棟方志功氏と仲の良かった柳宗悦氏の著書ということで読んでみた。
民藝研究的な立場を明確にしたうえで、よく聞くキーワードを解説してくださっているためか、仏教どころか宗教全般、まったく知識のない素人でもなんとなく読み進めることはできる。
どうして「南無阿弥陀仏」がこんなにも広く普及したのか。
理解できたような、理解できていないような。
「不二」の考え方からするとそれでいいような。
南無阿弥陀仏。 -
絶対他力の浄土思想を擁護する。常識的な立場からのありがちな疑問の一つ一つに丁寧に熱く答えていく。宗教書の古典を思わせる形式(Q&A的展開)に、これまた宗教書の古典を思わせる格調の高さと熱量の大きさを感じさせる文章がつまっている。
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もしかしたら、現代は何でもかんでも「シンプル=イケてる」と捉えすぎかもしれない。シンプル教に侵されて、思考が深まらなくなってしまった時は、仏教を学ぶと強烈なパンチをくらうことになる。
そしてこの本は、そんな仏教の本質は、易しい言葉と論理展開で、力強く答えてくれる一冊。 -
もういい年なので抹香臭いのも読んでいく。著者は民藝運動の柳宗悦だが、この手のものも随分書いている。本書では浄土思想の系譜を法然・親鸞・一遍と辿っている。
凡夫の方が「より」救われるというような比較級の表現がよく出てくるが、救済が自力ではなく外在する他力(阿弥陀仏の本願)によるのであれば、そういう物言いは阿弥陀仏の完全性を損なうことになるので、読んでる間中ずっと引っかかった。 -
貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784003316948 -
浄土宗について、法然、親鸞、一遍を中心に書く。
ちょっと難しめ。
巻末に収録されている『心偈(こころうた』が素敵。
柳宗悦が晩年にごく短い詩のようなものを書き、それについて説明を加えたもの。
著者プロフィール
柳宗悦の作品





