妙好人論集 (岩波文庫 青 169-7)

著者 :
制作 : 壽岳 文章 
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003316979

作品紹介・あらすじ

「妙好」は元来「白蓮華」を意味する語で、泥の中に育ちながら浄い花を咲かすハスのように、浄らかな信心をもつ信徒を「妙好人」と呼ぶ。民芸運動のバックボーンとして「他力道」の思想に到達した柳宗悦は、そのよき実例を妙好人の中に見出し、その意義を熱っぽく説いた。「仏教に帰る」「源左の一生」等22篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 購入 2018/06/20

  • 柳宗悦が浄土教や妙好人について語った文章を、22編収録している。

    「妙好人」とは、泥の中に育ちながら汚れない花を咲かせる蓮のように、在俗で無学ながらも清らかな信心を持つ、主として浄土真宗の信徒のことを意味する。柳が妙好人に関心を抱くようになった理由として、無名の職人によって生み出された民芸品に「下手物の美」が宿るということと同じ論理を、妙好人によって示された他力の教えの中に見いだしたということが考えられる。じっさい本書に収められた「色紙和讃について」というエッセイの中で、柳は民芸品を「妙好品」と呼んでいる。

    そうした妙好人の中で、柳がとくに高く評価しているのが、因幡の源佐だ。柳は、やはり妙好人の一人である浅原才市と源佐を比較して、阿弥陀如来とともに静かな日々を送った才市には往相廻向の面が強いのに対して、信仰を日常の行いの中に深めていった源佐には還相廻向の面が強く活きていると述べている。

  • 他力の教えを実生活で示す妙好人の話に感動する。

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著者プロフィール

柳宗悦(やなぎ・むねよし):1889-1961年。学習院高等科在学中に雑誌「白樺」創刊に参加。主に美術の分野を担当した。東京帝国大学哲学科を卒業後は宗教哲学者として活躍。濱田庄司、河井寛次郎、バーナード・リーチ、富本憲吉らと出会い、「民藝」という新しい美の概念を打ちたてた。眼の人として知られるが、柳のまなざしは、物の美しさだけではなく、物を生み出した人や社会にたえず注がれていた。

「2023年 『新編 民藝四十年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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