日本の民家 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 164
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003317518

作品紹介・あらすじ

考現学の創始者として知られる今和次郎による日本民家についての簡潔な入門書。大正年間、柳田国男らの手引でおこなった民家調査にもとづいて書かれたものだが、村の人々の日常生活を含めて描きだされた民家の小宇宙は、しみじみとした郷愁に満ちてあたたかい。著書自身によるスケッチを多数収録。

感想・レビュー・書評

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  •   『柳田国男を今和次郎』という本を読んで、紹介されていたが、残念ながら絶版。古本で購入。

     日本全国の、大正時代の民家のスケッチ、簡単な解説がまとめてある。

     実にスケッチが上手なのと、田舎の民家に対する愛情深い文章がつづられている。この本をよまずに、古民家とかいっていた自分が恥ずかしい。

     実際には、どんどんなくなってしまう民家、どう保存し活かしていったらいいのだろう。

    (1)白川郷の合掌造りのように、まとめてきて、観光地にする。白川郷は、まだ、生活のにおいもあるので、本物感がある。高山までいっちゃうと、よっと商業地、観光商業に徹しすぎて鼻につく感じもするな。

    (2)京都の町家のように、民間事業者の力で、商売に使ってもらう。全部は保存できないが、いきいきとした本物の生産活動、商業活動が見える。

    (3)これは、兵庫県の丹波の県営公園でやったが、公園にどんどん古民家を移築するというのもあると思う。古民家の建坪率の制限ははずして、古民家の集落とか、古民家の街道とかテーマパークのようにつくったらどうだろう。

     公園のいたずれにつくりこまずに、自然のままで、そこに古民家が散在するような形が考えられないか。明石海峡国営公園の神戸側もあんまり知恵がないようだから、舟引さんにいってみようかな?

     あと、木造住宅の復活も考えたい。関東大震災で同潤会がRCのアパートを提言し実現したように、東日本大震災では新しい木造住宅を提言したいな。

  • 面白かった。
    学生の頃に読んでなかったのはうっかりした。

  • 初版が大正11年。なるほど、観察とはこの様にするものなのかと参考になる本です。
    今から約1世紀前の全国各地の生活や家の間取り、住まい方など、現地のヒアリングとスケッチをかなり実施されている内容です。

    もう一つのなるほど。
    なぜこの本が1980年代に版を重ねてまで読まれたのか。
    巻末には、時代の流れ、そこにニーズがあったことを明快に解説されています。

  • 大正期に書かれた民家の本。当時は普通だった藁葺などの民家を全国で調査しており、スケッチもあり、今から考えると貴重な調査の記録。スケッチからは厳しい中にも自然とともにあった生活に思いを馳せる。こんな家々に修理して住んでみたいと思う。

  • とても面白かった。
    自分で実際に訪れ、話をきいたことがいくつか紹介されていて、嬉しかった。(いろりの座り方、新潟のガンギなど)絵や間取りを見ながら、実際に旅行に連れて行ってもらっているような感覚がもてた。

    一方で、この本に書かれているような民家が相当数なくなってしまっていることもわかった。「武蔵野の家」「葛飾の家」などの東京近郊にかつてあった民家は、すべて新しく作り替えられてしまっている。このような民家は、地方都市にいくつか(重伝建などとして)残されている地区でしか見ることはできない。残念である。この時代に日本各地を旅したら、それはそれは面白かっただろうに。地方に残る古いまちなみを見るとともに、海外のまちなみも訪れることにする。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784003317518

  • 民家採集とは暮らしの採集であり、暮らしが変ることをこの時点で強力に予測していたとは思うけれど、その行き先(の少なくとも通過点として)の高齢化と後継ぎなし状況は予見されていたのだろうか・

  • 虫の目を持つひとたちの家を見つめた記録です。

  • 考現学の創始者である今和次郎の著書。
    考現学を始める前はこんなことをしていたんですね。
    日本の民家を「立地による分類」「構造による分類」「間取りによる分類」を通して考察した内容が素敵なスケッチと共に載ってます。民家という言葉も今さんが誇りを払って使い始めた言葉だそうです。
    この一冊で民家について大体わかるようになるから優れた入門書だと思います。民家の見かたを教えてもらえます。
    思わず明日からでも民家巡りがしたくなるような高揚感を感じた。
    この本は、民家の教科書として使わせてもらうことにしよう。
    解説は藤森さん。今さんの著書の解説は大体この人。

    P.343 解説
    この後いくた現われる民家関係のホントの一番の違いは、民家という存在をひとつの小宇宙というか全体として記述したことだろう。
    国土の中での集落の地理、各集落の中の微小な地理と屋敷の関係、そして家屋、間取り、構造、台所、神棚、こうした地理から物品に至る正確な記述に始まりそこで行われている労働や日常生活とのかかわりに踏み込む。さらに、村の人々の表情や心もちまで筆は進む。
    地理、家屋、生活、人間、それらの関係を明快に解きほぐしながら、それらが一緒になって生まれてくる全体性を描く。

  • 今和次郎は「考現学」を始めた人。これは大正時代、民家(古民家)研究の先駆けとなった本です。
    巻末の藤森照信の解説には、(今和次郎の陥った「ニヒル」の解釈に関して)生活学会からの批判もあるようです。

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