意味の深みへ 東洋哲学の水位 (岩波文庫)

  • 岩波書店 (2019年3月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (404ページ) / ISBN・EAN: 9784003318546

作品紹介・あらすじ

「精神的東洋」をありかを求めて、仏教唯識論、空海密教、老荘思想、イスラーム神秘主義、現代思想のデリダ、ソシュールを自在に論じた著作。著者は、意識の深層領域に拡がる意識、言語の発生源となる場を「コトバ」を名づける。「コトバ」を基軸とする思惟が東洋思想の本質であることが、次々に解明される。井筒に応答したデリダの小論文(丸山圭三郎訳)を併載。(解説=斎藤慶典)

みんなの感想まとめ

深い意識の探求と多様な思想の交錯が魅力の一冊で、仏教や老荘思想、イスラーム神秘主義など、東洋哲学の本質に迫ります。著者は「コトバ」という概念を通じて、言語の起源や意識の深層を探ります。特に、井筒哲学へ...

感想・レビュー・書評

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  • コトバが本来持つ力とその便利さ故の危険性を再認識しました。現代人が意識していない言葉の力を、昔の人は体得していました。

    現代人の態度=自分や世界を個別の存在と信じて疑わない
    しかし東洋では、それは表層的意識であり、より深層に真の「自己」を探った

    ・表層意識=世界の事物は固形的物質的個別的

    ・深層意識の手前=固形物の輪郭が溶けはじめ、元型(天使や精霊など)が世界に現れる

    ・深層意識=流動的創造的に結び繋がっている。「縁起」「混沌」「事事無礙法界」「カオス」

    ・深層より更に深く=全ては「無」から生じる。この境地で日常世界を見ると、全ては事物ではなく(無が自己を分節して現れる際の)イベント、プロセスとして映る。

  • 最後の解説で斎藤慶典さんが井筒批判をしているのは意外だった。
    批判の項目がいくつか列挙されていたが、たぶん「神」や「唯心論」を信じるのは自明の理であるという井筒哲学を問題にしているんだと思う。その自明の理を受け入れない人には井筒哲学の門は開かれない。つまり、そこで批判的となる。
    ほとんどの人は唯物論ありきで生活しているのだから井筒哲学を探求しようするのは、私のような浮世離れした隠居だけではないだろうか。
    斎藤さんの解説の最後は倫理の教科書のような話になっているが、哲学の真髄は倫理観の啓蒙にあるということだろう。井筒さんの哲学は純粋すぎる、生きてることはもっと泥臭い作業だと思う。

  • ふむ

  • Ⅰ 
     一 人間存在の現代的状況と東洋哲学
     二 文化と言語アラヤ識 ―異文化間対話の可能性をめぐってー

     三 デリダのなかの「ユダヤ人」
     四 「書く」ーデリダのエクリチュール論に因んで―

     五 シーア派イスラーム ーシーア的殉教者意識の由来とその演劇性ー
     六 スーフィズムと言語哲学
     七 意味分節理論と空海 ー真言密教の言語哲学的可能性を探るー
     八 渾沌 ー無と有のあいだー

    あとがき
    〈解体構築〉DECONSTRUCTIONとは何か(ジャック・デリダ 丸山圭三郎訳)
    解説(斎藤慶典)
    人名検索

  • 流石にむずすぎだ。

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著者プロフィール

1914年、東京都生まれ。1949年、慶應義塾大学文学部で講義「言語学概論」を開始、他にもギリシャ語、ギリシャ哲学、ロシア文学などの授業を担当した。『アラビア思想史』『神秘哲学』や『コーラン』の翻訳、英文処女著作Language and Magic などを発表。
 1959年から海外に拠点を移しマギル大学やイラン王立哲学アカデミーで研究に従事、エラノス会議などで精力的に講演活動も行った。この時期は英文で研究書の執筆に専念し、God and Man in the Koran, The Concept of Belief in Islamic Theology, Sufism and Taoism などを刊行。
 1979年、日本に帰国してからは、日本語による著作や論文の執筆に勤しみ、『イスラーム文化』『意識と本質』などの代表作を発表した。93年、死去。『井筒俊彦全集』(全12巻、別巻1、2013年-2016年)。

「2019年 『スーフィズムと老荘思想 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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