孟子〈下〉 (岩波文庫)

制作 : 小林 勝人 
  • 岩波書店 (1972年6月16日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (514ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003320426

作品紹介

人間誰れにでも惻隠の心(あわれみの心)が備わっている。例えば、よちよち歩きの幼な子が今にも井戸に落ち込みそうなのを見かければ、誰れしも思わず知らずハッとしてかけつけ、助けようとする。-これは孟子がその性善説の論拠を示した公孫丑篇の一条だが、『孟子』の魅力の一つはこうした身近かで生き生きした例証にある。

孟子〈下〉 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 2015.6.21儒教の四書である大学、論語、孟子、中庸の三冊目、後半。ここでは孔子やそれ以前の儒教の思想を受け継ぎつつ、性善説や四端の徳、王道と覇道についてなど、彼独自の思想についてもよく述べられている。本当に弁舌が達者だなーと、論語と比較しても思う。しかし故にどこか独りよがりというか、そんな印象も受けた。具体的事例によって多くのことを説くがそこで述べられる本質は明快で、読んでいくほどにその徳目に対する理解が染みていくようだった。しかし現代において仁義の道は中々難しいと改めて思わされる。儒学は1600年代以降から明治維新の前の1860年代までの江戸時代で活発に日本に取り入れられた思想で、武士道の源流にもなる、現代日本人の根底にも未だに流れる思想である。ただ儒教が主に王への徳目を説くのに対し、武士道は士族への徳目を説く点で違いは多くある。そんな日本人のひとつの原点を知ることができたのは良かったように思う。仁義を以って生きていきたいと思うがやはり中庸が大事で、そしてその中庸は時代によってどこをバランスと見るかが変わるように思える。よって自らを省みることで、盲目的に徳が素晴らしい、ではなく、そのバランス感覚を生活の中で見出していきたいと思う。日本人の原点に立ち返り仁義を学べる古典的名著。

  • 人間の本性である善い心を想像力によって拡張することで聖人となれる。善い心とは、測陰の心、羞悪の心、恭敬の心、是非の心である。善い心に基づく仁義こそが大切で、状況や役割に応じて行動を変えるのが聖人である。つまり、常道だけでなくときに権道を使い、分をわきまえ、中庸をわきまえるのである。聖人は民衆に慕われ、天下をよくする天命を与えられる。
    暴政をする天命なき君子や諸侯は天命をもつものと替わるべきである。これが名を革める、即ち革命である。
    是非の心とそれをもとにした羞悪の心は、何を持って悪とするかというのは先天的なものでなく後天的な問題である。悪を自明とし、普遍的な測陰や恭敬から大きく飛躍した礼に基づき自ら悪を決める狭量な姿勢が現在孟子思想をもって国法とする国がない原因だろう。

  • 再読。離婁篇、万章篇、告子篇、尽心篇を収める。離婁は「規矩」の話が多く、「自暴自棄」や「赤子之心」などの言葉がある。万章は孟子の高弟であり、「舜」をテーマにした対話が多い。告子はなんといっても「性」の論争で、性を可変とみなす告子に対して、孟子は性が善であることを論証しようとしている。尽心は政治論争から身をひいた後の孟子晩年の心境が吐露されている。武内義雄氏の解説及び、小林氏の「孟子小考」が興味深い論考である。

  • 純粋に面白い。日本の価値観に即した、けれども現代の利益優先社会においては軽視されてきてしまってきた至極の言葉の数々。精読して自分のモノにしたい。

  • 例え上手でわかりやすい。生まれ持つ本性を育てることで誰でも仁者になれる(性善説)と、力強く説かれています。

    論語よりも治世や孝、礼における具体的おこないがたくさん示されていることで、仁や義の本質がみえずらく感じるかもしれません。

  • 古典的名著です。

  • 下巻では性善説を巡って激論を交わし、
    仁義礼智を弟子やその他の人々に説く。

    赤子が井戸に落ちそうになった時、
    どんな悪人でも助けようとするから、
    人間の本来持っている性は善であり、
    徳を修めれば誰もが聖人になれる事を
    繰り返し繰り返し主張している。

    訳も古いし、内容も堅くて長いので、
    論語に比べると読み辛いけど、
    こういう時代こそ是非とも読んで欲しい。

  • 人間誰れにでも惻隠の心(あわれみの心)が備わっている。例えば、よちよち歩きの幼な子が今にも井戸に落ち込みそうなのを見かければ、誰れしも思わず知らずハッとしてかけつけ、助けようとする。―これは孟子がその性善説の論拠を示した公孫丑篇の一条だが、『孟子』の魅力の一つはこうした身近かで生き生きした例証にある。

  • 儒教の四書の一つ。
    (『大学』『中庸』『論語』『孟子』)

    『論語と算盤』で儒教の利他・立志の心に出会ってから、
    四書は通読必須だと思うようになりました。

    孟子は「性善説」で有名な書。
    それだけではなく、「リーダー(君主)と政治」という視点でも
    非常に面白い。

    受け入れられるリーダーの条件は何か。
    政治の正当性とは何か。
    その根拠は仁義礼智にあり。
    「仁」のある政治。
    正しいことを行い続けること。
    これが本当に難しい。
    そもそも「正しさ」しらあやふやな今。

    性善説の考え方も独特。
    人は生まれた時は善だが、環境や行き方によって不善になっていく。
    善は自分で求められるもの。
    求めなければ遠ざかっていく。

    正しいことを正しいと、自信を持って言える自分でなければと学びました。

  • 2011/4/2

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