新訂 孫子 (岩波文庫)

制作 : 金谷 治 
  • 岩波書店 (2000年4月14日発売)
3.73
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  • レビュー :160
  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003320716

新訂 孫子 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 孫子の兵法は有名だが、じっくり読んだことはなかったため今回読破。兵站や地の利、兵士の士気に関することなど細かく述べられており、地理や人間心理について深い洞察力が伺える。長く語り継がれるだけのことはある。

    特に「できれば戦争しないことが良い」という思想には大いに共感できる。著者も述べている通り、戦争には莫大な労力と時間、そして金がかかる。特に城攻めなどは被害も大きい。長引けば長引くほど双方にとって益がないのが戦争である。できれば戦わずして敵を降すことが最上である。春秋時代には弁舌をもって利を解き、敵を従属させた弁士がいた。楚漢戦争でもそのような人物が活躍するが、相手の外交関係を崩したり、敵を孤立させること、そして軍隊を用いずに敵を服従させることは戦争に勝つことより大事なことだ。

    そして、一度戦争となれば、敵味方の状況を詳細に把握すること、そして自然の理を良く知ることが勝利の鍵となる。敵の意図を知る、要所を押さえる、敵が大軍の場合は隙を突いて先手を取る。以上のことは戦争以外でも応用ができる考え方だ。それは、孫子の考え方が上辺の戦術論でなく、極めて本質的で鋭い洞察に根ざしているからだ。見かけは違っていても、本質が同じということはよくある(戦争とスポーツ競技など)。孫子の兵法が戦争以外の分野でも注目されているのは、その内容が非常に本質を突いた内容だからだろう。手元において、何度も読みたい一冊である。

  • これを手にとって、ぱらりとめくった時、「あー、これ、一度中身見て、最初の数ページで思ってたのと違うと思って何度か本棚に戻した本や」と気づいた。

    孫子は、戦いの極意を通して、人の心理なども描き出すと言われることもあり、近年ではビジネス文書の欄に並んだりすることもある。でも読んでみた感じ、ビジネス文書になる可能性は低いのではないかと思ってしまった。それほど深く、心理を探っていないから。

    白文、読み下し文、現代語訳の3段構成になっている。初めてなので全部に目を通していたら、読破にすごく時間がかかってしまった。それで集中してとれる時間が少なく、理解が浅いこともあるかもしれないので、今、現代語訳のみを読み直している。

  • 【要約】
    p.28 5つの事柄、7つの目算
    <事柄>
     一 道(政治のあり方)
     二 天(自然界のめぐり)
     三 地(土地の情況)
     四 将(将軍の人材)
     五 法(軍制)
    <目算>
     一 敵と身方でいずれが人心を得ているか
     二 敵と身方でいずれの将軍が有能か
     三 自然界のめぐりと土地の情況はいずれに有利か
     四 法令はどちらが厳守されているか
     五 軍隊はどちらが強いか
     六 士卒はどちらがより訓練されているか
     七 賞罰はどちらが公明に行われているか

    p.32 戦争とは詭道である。

    p.40 兵役を繰り返して徴発せず、食料は三度と国から運ばず、軍需品は自国のものを使うが食糧は敵地のものに依存する。

    p.45 敵国を傷つけずにそのままで降伏させるのが上策。

    p.56 まず身方を固めて誰にも打ち勝つことのできない態勢を整えた上で、敵が弱点をあらわして誰でもが打ち勝つことができるような態勢になるのを待つ。

    p.103 用兵の法
    1 高い陵にいる敵を攻めてはならず、
    2 丘を背にして攻めてくる敵を迎え撃ってはならず、
    3 険しい地勢にいる敵には長く対してはならず、
    4 偽りの誘いの退却は追いかけてはならず、
    5 鋭い気勢の敵兵には攻めかけてはならず、
    6 こちらを釣りにくる餌の兵士には食いついてはならず、
    7 母国に帰る敵軍は引き止めてはならず、
    8 包囲した敵軍には必ず逃げ口をあけておき、
    9 進退きわまった敵をあまり追いつめてはならない。

    p.106 智者の考えというのは、必ず利と害をまじえ合わせて考える。

    p.110 将軍にとって5つの危険なこと
    1 決死の覚悟でいる   →殺される
    2 生きることばかり考える→捕虜にされる
    3 気短で怒りっぽい   →侮られて計略に陥る
    4 利欲がなくて清廉   →辱められて計略に陥る
    5 兵士を愛する     →兵士の世話で苦労する

    p.115 軍隊を駐める場所
    高地、日当たりが良い、水や草が豊富

    p.164 敵の意図を十分に把握すること。

  •  「孫子」は13篇にわたる中国最古の兵法書といわれる。著者は孫武とも孫臏(そんひん)とも言われるが、二千年以上経った現代においても参考になるのだという。訳注を著した金谷治先生の解説によれば、全篇を通じて内容的な特色を3つ挙げている。

    まず第一に、それが好戦的なものでないということ。「戦わずして人の兵を屈するは善の善なり」としている。
    第二に、その立場の現実主義的なこと。
    第三の特色は、戦争に際して主導性を把握することの重要さが繰り返し強調されていること。「善く戦う者は、人を致して人を致されず」という。

    私が読むには「実戦」について多く語られていると思う。これを一般の生活やビジネスに応用するのは、私にはいささか難しいように思える。しかし実際にビジネスに広く応用されているそうだ。中国ではその昔范蠡(はんれい)という人物は商売に応用して成功し富豪となりその名を轟かせたという。世の賢人たちはそこをどう解説しているのか「孫子」を解説したビジネス書を読んでみるのも面白いかもしれない。

    武田信玄の軍旗に書かれたとして有名な「風林火山」は軍争篇第七に登場する。「故に其の疾(はや)きことは風の如く、其の徐(しずか)なることは林の如く、侵掠(しんりゃく)することは火の如く、知り難きことは陰の如く、動かざることは山の如く、動くことは雷の震(ふる)うが如くにして…」と二句の順序を改めて転倒している。押韻や意味の上からもそれがよいのだそうだ。山本勘助らが武田の軍旗を作った頃は別の伝わり方をしていたのだろうし、そのおかげで「風林火山」が生まれたともいえる。

    最後に附録として「史記」から孫子伝を紹介している。呉の国で呉王の前で女を相手に兵法の訓練をした孫武は、指示通りに動かなかった呉王の愛姫を斬り殺し見せしめとしたエピソードはあまりにも有名だ。

    あまり長くない13篇であるが、いちいち納得させられるものがあるのは現代に通じるということの証であろう。

  • 先日読んだ「竜馬がゆく」の内容と相通ずるものがありました。
    即ち、「アンテナを張って、事を起こす機会を見極める」ということ。
    仕事における情報収集は、機会を測る目的で行うことが大事なんでしょうね。

    分量は薄く、1時間もあれば読めてしまう。660円はCP悪し。

  • 定番中の定番の中国古典。内容的には、まあ、そうね、という感じだが、現代にどれだけ意味があるかと言えば、うーん、どうだろう。とりあえず読んでおけば、中国古典をやたらありがたがるおじさん対策にはなるかな。

  • 思っていた以上に読みやすかった。
    とにかく戦わないこと、
    相手を知ること。

  • これで就活受かった。己を知る、大事。風上にいること、大事。

  • 【実戦内容】

    【要約】

    【感想】
    ビジネスとしてどう考えれば良いのかわからない。まだ自分の想像力が足りないのだろう。かなしみ

  • 2年前にマキャヴェリの「君主論」を読んで、いつか「孫子」を原典で…と思ってから、今回は「キングダム」(歴史漫画)からの興味再燃でついに読了!
    原文、書き下し文、注釈、現代語訳の順で、現代語訳だけ読むとあっという間。これは兵書だ。紛れもなく兵書だった。「君主論」のときのように自分の中で噛み砕いて、すぐさまものにできるような代物ではなかった。おそらく例が少ないからだと思う。実際にこういうことがあった、故に、というエピソードがほとんどない。漢文独特のテンポで、〇〇の場合、××の場合、と書かれているので、戦にまつわるアルゴリズムのようなものができそう。
    とにかく、非好戦、現実主義、主導権の掌握。この辺りが「孫子」の特色だと解説されている。戦争について書かれたものが、こんなにも冷静で論理的だとは。
    歴史もの、戦争ものは、ドラマであっても本であっても、おそらくこの「孫子」をくぐっているはず。生きるにおいても、これから出会う全てのことに、「孫子」を生かせる場を探してしまいそうだ。
    170418読了。

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