荀子 下 (岩波文庫 青208-2)

  • 岩波書店 (1962年4月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (437ページ) / ISBN・EAN: 9784003320822

みんなの感想まとめ

人間の本性について深く考察する本書は、「性悪説」を中心に、法治国家の在り方や儀礼、音楽の役割など多様なテーマを扱っています。特に「辨説なるものは、心の道を象(かた)どるものなり」という言葉は、意見を伝...

感想・レビュー・書評

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  • 岩波文庫「荀子」下巻。

    本書の論点は、人間誰しも本性は悪であり、仁と礼を身につけてはじめて善人になれるとする「性悪説」だけでなく、法治国家のあり方や儀礼作法、音楽の効能など多岐にわたる。

    個人的に心に残ったのは「辨説なるものは、心の道を象(かた)どるものなり」(弁論説明というものは心が道を発表する『手段』である)。大学4年間の英語スピーチ活動を通じ、人に意見を伝え理解してもらうことの難しさを痛感した。荀子の場合、その辨説は人としての正道を訴えるものであり、不幸なことに彼の生きた乱世にあって十分聞き入れられることがなかったという。僕が学生時代選んだ(どうでもいい)話題でさえ難しいのだから、人の倫理道徳という高邁なテーマを正しく説き自ら実践すること、そしてそれが広く受け入れられることがどんなに険しい道であったか。その困難は計り知れない。

    近年、いや、つい今朝も言論を暴力で圧殺しようとする試みが世界で横行している。また、先日の東京都知事選では現職の街頭演説にヤジが乱れ飛んだという。悲しいかな、やはり人は「性悪」なのだ。

  • 後半は孔子の引用が多くなる。
    上巻だけで良いかなと思えた。

  • 《目次》
    巻第十一
     彊国篇第十六
     天論篇第十七
    巻第十二
     正論篇第十八
    巻第十三
     礼論篇第十九
    巻第十四
     楽論篇第二十
    巻第十五
     解蔽篇第二十一
    巻第十六
     正名篇第二十二
    巻第十七
     性悪篇第二十三
     君子篇第二十四
    巻第十八
     成相篇第二十五
     賦 篇第二十六
    巻第十九
     大略篇第二十七
    巻第二十
     宥坐篇第二十八
     子道篇第二十九
     法行篇第三十
     哀公篇第三十一
     堯問篇第三十二
    訳注
    解説

  • 孟子の性善説に対し、性悪説で有名な荀子。その性悪説は『荀子(下)』p.189 巻第十七 性悪篇第二十三 に記されている。岩波文庫の『荀子』上下巻で残念なのは、原文がないことと、訳注が巻末にあり訳と訳注が離れていること。

  • 再読。天論・礼論・正名・性悪などの篇は非常に迫力がある。「天行、常あり。堯のために存せず、桀のために亡びず」(天論)、「人は生まれながらにして欲あり。欲して得ざれば則ち求めなきこと能わず。求めて度量分界なければ争わざること能わず。争えば則ち乱れ、乱るれば則ち窮す。先王は其の乱を悪みしなり。故に礼義を制めて以てこれを分かち、以て人の欲を養い人の求めを給し、欲をして必ず物に窮せず物をして必ず欲に屈せず、両者相い持ちて長せしむ。是れ礼の起る所なり」(礼論)。「異なれば則ちこれを異にす。単にして喩るに足れば則ち単とし、単にして喩るに足らざれば則ち兼とし、単と兼と相い避くる所なれければ共とす。」(正名)などは、荀子の客観主義を示している。ほかには「墨子は用に弊われて文を知らず」、「荘子は天に弊われて人を知らず」(解弊)など諸子百家の思想を簡潔にまとめている所もある。大略篇はまとめであり、哀公や堯問などは孔子と弟子の逸話などが多い。やはり、荀子は経学の父であり、詩・書・礼・楽・易・春秋などの話も多い。

  • 有名な性悪説が出てくる下巻。

    上巻より短くて的を射た名言が多く、
    金谷先生の解説も筍子の思想をより理解出来て良い。

    理想を掲げつつも、現実に立脚した筍子の思想は、
    バランスが取れていて、現代でも通用しそう。

  • 岩波文庫版の荀子に分冊です。詳細は上へ。

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著者プロフィール

1920年、三重県生まれ。東北帝国大学法文学部支那哲学科卒業。文学博士。東北大学名誉教授、追手門学院大学名誉教授、日本学士院会員。2003年、勲二等瑞宝章受章。著書に、『秦漢思想史研究』(平楽寺書店)、『管子の研究』(岩波書店)、『淮南子の思想』(講談社学術文庫)などがあるほか、訳書に、『論語』『荀子』『荘子』『韓非子』『孫子』『大学・中庸』(いずれも岩波文庫)など多数。2006年、逝去。

「2022年 『死と運命 中国古代の思索』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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