韓非子 (第1冊) (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003321010

感想・レビュー・書評

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  • 国の収め方が多いが、人としてどういうことをすれば良いのか具体的に考えさせられる著書であると思う。君子は色んなことを考えながら発言したり、行動したりしないと国が平和にならないことには賛同するけれど、具体的な君子論としては論語よりやや君子に求めているもののレベルが高い気がした。

  • 法家の韓非子の言葉を書いたもの。実際に本人のものではないものも含む。

    性悪説に立ち、人は利で動くものだから、それを抑えるために法律禁令が必要と説く。

    ただし、その方法は正しくても、それを説くものは恨まれ、うまく君主が使ってくれるのは稀とし、実際自身もその運命をたどっている。

    言っていることは正しいと思うが、世が人の世である限り、理想を達するのは難しいと思う。頭ではそう思っても人は感情の生き物であり、頭ではなく気持ちで動く。

    原則は原則、ただし外れることがあっても、それは人だからとするのがよいのかもしれない。

  • 「ー仁義と愛恵は役にたたず、厳刑と重罰によってこそ国が治められる、ー」

    臣下が他の仕事を手伝うのを禁止
    君主の利益は有能な人材を官職につけること、臣下の利益は無能のまま職につくこと。

    刑罰は重要。

  • 君子は法によって、賞と罰を与えないといけない。そしてその権利を家臣に与えてはいけない⇦君子が家臣を制御するのではなく、君子は家臣に制御されてしまう。

    賞と罰は、法に基づいて行わなければならない。それを徹底しないと、徒党を組んだり、君主に甘言を用いたりする臣が出てきて、国が乱れる。
    そもそも人は自分(家臣)の利益になることを(人を憎まなくても)求めて行動するものだから、功績を挙げたものを賞する、命令通り行動しなかった者は例え結果が良くても罰すると、徹底することが必要。

    古今東西、特に春秋時代に国が衰えた事例や強くなった事例を挙げて説明している。

    現代にも通じることも多く、非常に勉強になった。

  • 韓非子は韓非が書いた思想書である。彼の法を重んじる思想は秦の治世にもつながっていく。悪名高い焚書坑儒や厳しい法律は、韓非子の思想に通じている。彼の思想は、それまでの徳を重んじる治世とは正反対である。君主は決して臣下を信じるな、議論は無用である、例え良いことをしたとしても、法を破った者は罰するべきであるなど、性悪説に基づいた思想である。徹底した法の運用と明確な賞罰によって国を治めるべきと説く。

    内容も、孔子などの従来の思想に比べると、人間味がなく冷たい印象を受ける。そして、法に基づいた治世を行った秦も統一から十数年で滅ぼされていることから、間違った思想と取れなくもない。

    しかし、彼は韓非子の中で、徳を重んじる従来の発想では戦国時代は統一できない理由を述べている。昔とは時代が変わっており、その時代に合わせた治世の方法が必要だと説いている。秦に仕えた商オウなど、法家の思想によって秦は強国となり統一に向かったことを考えると、富国強兵のために必要な思想だったとも思える。

    韓非子は、当時の説客達が説く思想に比べて相当に合理的であり、具体的である。道徳的な思想をや仁愛などを排斥し、実力主義を推進し、国としての実利を追求している。そういう部分ではマキャベリの君主論に近いところがあるかもしれない。

    感情的にはあまり受容れられない考え方だが、強い組織を作る上で、1つの考え方になるだろう。

  • 賞罰を説いた二柄、韓非子の憤激である孤憤、説得の難しさを説いた説難は 実践的。備内は 人間不信の章。

    目新しく感じたのは
    参謀としての心得「説得するには 相手の心理に合わせる」

    トップとしての心得「自ら 賞罰の基準を決め、誰にも 賞罰の権限は与えない」


    「臣を制するのは〜刑(罰)と徳(賞)なり」
    「犬が虎に逆らわないのは 虎に爪と牙があるから〜臣下が君主に逆らわないのは 君主に刑と徳があるから」
    「人を信じれば則ち人に制される」
    「吾説を以ってこれに当たる」

  • 「新しいことをして波風を立てない方法はない」

    2000年以上前に中国で書かれた著書
    『韓非子』を読了しました✨

    過去の歴史をみると、
    正しい施行をした者が、
    悪臣の不評や憎しみを買い、
    数々の理不尽な死を遂げている事実があります。

    それもこれも、
    新体制派と旧体制派の、
    利害の不一致によるものでした。

    新しいことをして、
    波風を立てない方法はないですね。

    古典には、
    人間の素晴らしいところや、アホなところがさらけ出されているので面白いです。

    ps
    『政治のわからぬ者は、きまって「古いことは変えてはいけない。なれたことは改めてはいけない」というが、聖人は変えるとか変えないとかに耳は貸さず、ただ安定した治国を目指すばかりである。』
    韓非子 引用

    徳川幕府最後の将軍、
    徳川慶喜の言葉で

    「家康は日本の為、幕府を興した。
    私は日本の為、幕府を潰した。」
    というような言葉がありますが、

    幕府を潰すとか潰さないというのは、手段であり小事。
    目的は両者同じ、安定した治国。

    「時代は変わる」

    普遍の真理ですね。

  • 二千年前に書かれた本だが、現在の政治家や企業のリーダーが読んでも為になる内容。結局、人間のやる事は二千年経った今も変わらないと言う事だろう。

  • 法家思想の書。全4冊中の1冊目。
    法律にしたがって賞と罰を厳格に与えていかないと国は滅ぶ、という思想。
    各章・段落毎に、漢文の白文、書き下し文、現代語訳が並んで書かれている。最初は書き下し文と現代語訳を順に読んでいたが、よくわからないので途中から現代語訳だけにした。書いてあることはシンプルだと思うが、主題と例がまざってわかりにくい。いや、教養不足で読み下せない。

  • 法律、ルールを決めて賞罰を明らかにする、飴とムチを明確にすると人々は懸命に働き成果を挙げるという。

    但し、法がどうあるべきかの内容については一切ふれていない。

    著者は身の回りで賄賂や感情に左右される賞罰、特にこの時代では命に関わる重要なこと、が正義とは関係なく日常茶飯事に上は君主から下々の民にまではびこっているのに嫌気がさしたのではないかと推測されます。
    結果、考え抜いた末に性悪説と法による監督の認識を世に広く知らしめることが、本人の正義であるとの結論に至ったのでは。

    現代の組織で仮に自分がリーダー(君主)たる為には、法を価値観或いはビジョンに沿った筋の通った態度、と解釈すると、襟を正す厳しい大大先輩のお言葉にも聞こえます。適当に感情で周囲や部下、後輩に指示しないこと。そうするとやがて組織が崩れる。。

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