ガンディー 獄中からの手紙 (岩波文庫 青261-1)

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  • 岩波書店 (2010年7月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784003326114

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

真理や愛、人間の生き方について深く考察する内容が特徴の一冊です。著者が収監中に弟子たちに送った手紙には、苦しみや弱音を一切見せず、真理の探究に人生をかける姿勢が表れています。特に「アヒンサー=愛」とい...

感想・レビュー・書評

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  • この人もやはり書いていた!後世に名を残すような偉人はやはりこうでなければ!自分も入牢したらぜひ書いてみよう。

    1930年、第2回非協力運動の幕開けとしてモーハンダース・カラムチャンド・ガンディーが行った「塩の行進」により、ヤラヴァーダー刑務所に収監された中で書かれたものであるという。ガンディーが主催した修道場(アーシュラム)の弟子たちに向けて、その教えの意味について毎週に書き送られたものとのことである。
    その教義は真理や愛(アヒンサー)といった普く宗教として当然あるべき徳目から始まる。そこまでは自分にもある程度理解・納得できるのだが、しかし、次に続く純潔・禁欲・浄行(プラフマチャリア)や嗜欲(味覚)の抑制、不盗、無所有即清貧とくるにつれて次第にガンディーの各徳目の奥行きは果てしなく厳しくなっていき、ある意味、狂信に近くなっていくのではとすら思えてくる。肉欲はもってのほか!美味しいと思うものを食べるな!本当に必要なもの以外それを得ることも盗みにあたる!ということなので・・・。
    それだけ自分が煩悩にまみれているということでもあるのだが、こうなると生きている甲斐はあるのか、そもそも子孫を残して人類が存続していけるのか、というそもそもの根本的な疑問も当然湧いてくる。
    そうなのだが、ヒンドゥー教の伝統思想は、人間のうちなる霊魂(アートマン)は、果てしない輪廻転生を繰り返すが、最終的に真理・梵(ブラフマン)を悟り「解脱」に到ることが目標であるということなので、インド社会にあってはそのような徳目は理解されやすく、実践者は崇敬される存在になるのだという。
    実際、若い頃にことごとくヒンドゥーの戒律を破ってみせ、また社会的成功を夢見ながらも人生の敗北者でもあったガンディーであったが、南アフリカで人種問題にさらされるや、ただただヒンドゥー的な厳しい徳目を実践しながら、無抵抗の抵抗の指導者として「偉大なる魂(マハートマ)」と崇敬されるに到る。マハートマ・ガンディーの誕生である。
    これぞ禁欲の崇高さというか強大さに最終的には誰も抵抗できないといったところであろうか。現代において聖人が世の中を導いた事例として特筆される事績であるといえよう。
    だが、政治運動にかかわり続けるガンディーに対して、ヒンドゥーの宗教指導者バラモンからは、結局俗世の政治にかかわることに批判され、最終的にはヒンドゥー極右の凶弾に倒れるという皮肉な最期を迎えてしまう。しかしそうであっても、やはりその偉業ゆえに世界の歴史に燦然と輝く偉人の一人として記憶されるべきであろう。

    俗世にまみれた自分には実践は到底無理なのであるが、煩悩に堕ちたと思った時にこそ新たな気持ちで本書を読み、ガンディーの禁欲のほんの一端でも噛みしめて、崇高な気分に浸りたいものである。

    ん!?このようないい加減な気持ちも戒律違反?(笑)

  • マハトマ・ガンジーはインド独立の父と言われています。彼が収監されていた時、自分の弟子たちに手紙を書きました。自分の苦しみや弱音なんて一言も書いてない。収監されてさえ真理の探究に人生をかけました。真理について、愛について、人間はどう生きるべきか。とても薄い本ですが凄すぎて圧倒されました。神は真理ではなく真理が神である。この言葉が全編を貫いています。

    他人は姿かたちが違う私たち自身だというガンジーの言葉に目が覚める思いがしました。たとえどんな酷い相手でも、その中に美しいものを信じることができたのは、相手の中に自分を見ることができたからだと思います。ガンジーは非暴力、非服従を貫きましたが、これは人間に対する絶対の信頼がなければできないと思います。そして後世の人類を信じたのではないでしょうか。世界平和は、一人ひとりが真理を求めて、心の平和をもった時にはじめて実現するように思います。ちなみにマハトマは偉大な魂という意味です。人ではなく魂というところがインドらしいと思います。

  • 1930年、刑務所にいたガンディーは弟子にあてて仏教の教えを週一の手紙で送る。ガンディーの思想とは何だったのか。初めて読んだ。

    検閲のせいかどうかは知らず、内容のほとんどは純粋な仏教の精髄である。

    「アヒンサー=愛」とは愛するということではない。不殺生ということであり、非暴力ということでもある。一切の執着心から解き放たれて自由になり、神を真理として悟ることである。相手を赦すからこそ出来る非暴力運動なのである。

    読めば読むほど、煩悩多き一般人には無理な気がする。純潔、禁欲、浄行を行い、味覚を抑制し、盗まず、所有欲からも離れる。無畏、つまり恐れない。不可触民制(差別民)の撤廃を主張する。

    「寛容」の項では、宗教の平等の理論を認めている。ひとつビックリしたのは、私のような無宗教まで寛容であれ、とは言っていないということである。憎みはしないが、誤りを気づかせようと努力するらしい。ちょっと勘弁して欲しい。

    私のような者と、果たしてガンディーは非暴力運動を共にすることができるのか。それは、この本を読んでもひとつもわからなかった。次回の課題としたい。

    しかし、そのあとに読んだ「独裁体制から民主主義へ」やそのあとに観た「大統領の執事の涙」、その他いろいろな処にガンジーの影響があり、それは確実にこの第二次世界大戦あとの世界を平和のうちに「変化」させているという点で、やはり「偉大な(マハトマ)」人間だったという気が最近とみにしてきている。

    2014年2月14日読了

  • 本屋で見つけて衝動買いした一冊。薄いのですぐ読了できますが、なんと内容の濃いこと。字面は理解できてもその根底にある思想は多分まだ理解が全然及んでいません。にも関わらず、この先何度も読み返すことになるだろう大事な一冊になりました。それと共に積ん読状態だった『ガンジー自伝』を早く読まねば、とも。
    こういう出会いがあるから本屋にいくって大事だなぁ。
    いずれにせよ本書のよい部分を実践するのはほぼ不可能でしょうが、意識して生きるか生きないかというのは大きな違いである気がします。有難い一冊になりました。

  • ■評価
    ★★★✬☆


    ■感想
    ◯偉人の言葉過ぎて親近感がわかないとうのが第一印象。だからガンジーの背景を知った方がいい。
    ◯私
    はいいタイミングでコテンラジオにて、ガンジーの人となりを知ることができ、サッティーアグラハに至った経緯を追うことで、理解が深まったと感じている。

    ◯歴史上の偉人という遠くで別物と考えるのではなく、同じ生身の人間が、ここまでの思想に至ったことに考えさせられる。

  • サッティヤーグラハ。真理は神なり。

    スワデーシ。インド国産を使おう。たとえ外国製品より品質が劣り、値段が高くても。隣人を援助することになる。ただし、極端に外国製品を排斥してはいけない。

    不可触民制はヒンドゥー教の主要な要素ではない。むしろヒンドゥー教の病原であり撤廃すべき。

    ※1930塩の行進により、刑務所に収監される。
    ※バガヴァッド・ギーターからの引用あり。

    弱い者ほど相手を許すことができない。
    握り拳では握手ができない。
    死ぬ覚悟ができていれば、人は自由に生きられる。

  • 素晴らしいガンジーの思想が分かります。人類の至宝なんだと改めて思いました。

  • 「獄中からの手紙」ガンディー著・森本達雄訳、岩波文庫、2010.07.16
    158p ¥567 C0110 (2019.03.15読了)(2018.02.13購入)(2014.12.15/3刷)

    【目次】
    凡例
    序文
    一 真理
    二 アヒンサー=愛
    三 ブラフマチャリヤ=純潔・禁欲・浄行
    四 嗜欲(味覚)の抑制
    五 不盗
    六 無所有即清貧
    七 無畏
    八 不可触民制の撤廃
    九 パンのための労働
    十 寛容即宗教の平等(一)
    十一 寛容即宗教の平等(二)
    十二 謙虚
    十三 誓願の重要性
    十四 ヤジュニャ=犠牲
    十五 ヤジュニャ(承前)
    十六 スワデシー=国産品愛用
    《解説》ガンディー思想の源流をたずねて  森本達雄

    ☆関連図書(既読)
    「ガンディー『獄中からの手紙』」中島岳志著、NHK出版、2017.02.01
    「マハトマ・ガンジー」蝋山芳郎著、岩波新書、1950.03.10
    「ガンディー主義」ナンブーディリパード著・大形孝平訳、岩波新書、1960.05.20
    「ガンジー」坂本徳松著、旺文社文庫、1965..
    「ガンディー 反近代の実験」長崎暢子著、岩波書店、1996.04.05
    「ガンジー自立の思想」M.K.ガンジー著・片山佳代子訳、地湧社、1999.06.10
    「ネール」木村毅著、旺文社文庫、1965..
    「インド・パキスタン現代史」蝋山芳郎著、岩波新書、1967.02.20
    「南アジア 地域からの世界史5」辛島昇著、朝日新聞社、1992.04.20
    「インド」上野照夫著、カラーブックス、1963.04.01
    「不可触民」山際素男著、知恵の森文庫、2000.10.15
    「アラハバード憤戦記」牧野由紀子著、アイオーエム、2001.05.10
    「ヒンドゥー・ナショナリズム」中島岳志著、中公新書ラクレ、2002.07.25
    「インドで考えたこと」堀田善衛著、岩波新書、1957.12.19
    「インド行脚」藤原新也著、旺文社文庫、1982.07.23
    「ビジネスマンのためのインド入門」マノイ・ジョージ著・鶴岡雄二訳、新潮OH!文庫、2002.06.10
    「パル判事」中里成章著、岩波新書、2011.02.18
    (「BOOK」データベースより)amazon
    1930年、ヤラヴァーダー中央刑務所に収監されたガンディーは、修道場でみずからの教えを実践する弟子たちに宛てて一週間ごとに手紙を送る。真理について、愛について、清貧について、寛容について、不可触民制の撤廃について、国産品愛用運動について…。ただただ厳粛なる道徳的観点からのみ行動した、「偉大なる魂」の思想と活動原理の精髄。新訳。

  • ガンジーの厳しく思える規律。
    その大目的は絶えず世界へ向けた動機善なりである。

    世界を動かす思想とは、
    ある面では偏らざるを得ないことを感じる。

    だが、
    ガンジーが最も厳しかったのは自分自身であり、それを強要することはなく、
    大きな器と慈愛とユーモアに溢れていたという、知人たちの言葉が響く。

    世界を変えるには
    自分を変えることだ。

  • NHKの100分で名著を見て、読んだ。
    見てからで良かった。
    結構、極論に走っていて、共感ができなかった。

    他人のために奉仕せよ感が強くて、おいしいものを食べてもだめ、妻や恋人と愛し合うこともダメ、家族に執着しすぎるのもダメとダメダメ尽くしで、これではガンジーが自ら言う「人生は面白みのない退屈なもの」となってしまう。
    そもそも、ガンジーの主張を守っていたら、子供は生まれず人類は絶滅してしまう。

    あらゆる宗教に対しては、お互いに認めあおうと言っているが、恐らく無宗教には反対。
    でも、ガンジーが主張する通りの生活を送っている方が、私なら人生の空しさを感じて、何かすがる物が欲しくて、宗教に走ってしまうと思う。
    個人的には仏教の教えに一番共感を感じているが、人生が毎日楽しくてしょうがない時は、私には宗教など必要はなかった。それでも、自分が満たされていると、小さなことでは腹も立たず、人を受け入れられる範囲が広がり、全く関係ない人の幸福も願えていた。
    なので、個人的には、宗教という心の支えがなくても生きていけるほど幸せな状態であってもいいのではないかと思う。それに、そこまでのストイックな生活。体が神からの借り物なら、折角与えられた生(ガンジー的には生きると云う行為は、解脱できないという残念な状態のようですが)を楽しくなく無駄に費やすのも、ある意味罰あたりではないのかと思ってしまった。

  • 思想的高みが感じられるガンディーの手記。「非暴力の抵抗」を理解する上で参考になる。

  • 強い精神の発露

  • 189P

    マハトマ・ガンディー
    Mohandas Karamchand Gandhi
    1869-1948。モーハンダス・カラムチャンド・ガンディーはインド西海岸の小藩王国の宰相の家に生れ、父の一徹な正義感と母の敬虔な信仰心の影響のもとで育った。13歳のとき、当時の風習に従って結婚、19歳でイギリスに留学、3年後弁護士の資格をえて帰国・開業したが、生来の内気のために成功しなかった。1893年に商社の顧問弁護士として南アフリカに渡ったが、上陸後まもなく白人の言語道断の人種差別を体験、これが決定的な人生の転機となった。以来22年間、同地にとどまり、真理と非暴力にもとづくサティヤーグラハをもって同胞の人権擁護のためにたたかった。1915年にインドに帰り、南アフリカでの貴重な体験を生かして、農民争議やエ場ストライキを有利に指導して注目された。1919年にローラット法に抗議して、インドにおける最初の大衆非協力運動を開始した。ガンディーの政治舞台への登場は、国民会議派を大衆政党へと脱皮させた。1922年にチャウリ・チャウラで発生した民衆の不祥事件を理由にこの運動を中止、自らも投獄されたが、彼にあってはあくまでも手段(非暴力)が目的に先行しなければならなかった。彼はまた、不可触賤民制の除去など建設的プログラムも政治的独立と同時に推進しようと努力した。1930年にガンディーの「塩の行進」をのろしとして、インドは国をあげて第二次非協力運動に突入、1942年には、「インド撤退要求」を合言葉に激しい対英抗争を展開した。けれどもガンディーの念願した「一つのインド」は実現せず、1947年インドとパキスタンは分離独立した。それにつづく熾烈なヒンドゥー=ムスリム紛争に心を痛め、単身、騒擾の村々を訪ねて愛と協調を説いた。1948年、狂信的なヒンドゥー教徒の凶弾によって79年間の「聖劇」ともいうべき生涯の幕をとじた。

    森本達雄
    もりもと・たつお
    1928年和歌山市に生れる。同志社大学神学部卒業。インド国立ヴィシュヴァ・バーラティー大学準教授、名城大学教授を経て、同大学名誉教授。2016年歿。著書『インド独立史』(中央公論社、1972)『ガンディー』(講談社「人類の知的遺産」1981)『インドのうた』(法政大学出版局、1976)『原典で読む タゴール』(岩波現代全書、2015)。訳書 ネルー『忘れえぬ手紙より』(全3巻、みすず書房、1961-65)、ガンディー『わたしの非暴力』(全2巻、みすず書房、1970・71)『獄中からの手紙』(岩波文庫、2010)『『ギーター』書簡』(第三文明選書、2018)、『タゴール著作集』(全12巻、編集・共訳、第三文明社、1981-93)、チョウドリー『ヒンドゥー教』(みすず書房、1996)ほか。

  • ガンディーが牢獄の中で弟子に向けて書いた手紙と解説が書いてある。
    特にイギリスの植民地であったインドでイギリス製の綿製品を買わないようにしたり、塩の行進で塩税に反対するなど、非暴力に基づく活動を行っていたことを知った。
    また、イギリス留学して弁護士となり、その後に南アフリカに行く中で、何度か挫折を重ねた上でインドでの活動に取り組んだことは印象に残った。

    英語ができなかったり、裁判でうまく話せなかったり、南アフリカで差別を受けたりいろんな挫折があったのだなと感じた

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/706220

  • チャーチル、ガンジー、共に尊敬する人物であるが、チャーチルがガンジーを忌み嫌っていたのには驚いた。

  • ガンジー著書の一冊目として読んだが、手紙がちょっと載ってるだけで殆ど解説。思想の一面には触れられるがいまいち。これだけでこんな値段するのかよ。というのがが本音。

  • 公正さ、
    自分と異なるものへの敬意、
    大きな愛。

    この時代のインドにあってこの考え方をしていたというのは、物凄いことなのではないか…。
    これはちょっと無理、というのもあったけれども。

    自伝が読みたくなった。

  • 実践を徹底することの難しさと尊さ。
    ひとつひとつの指摘はあたりまえのことのように読めるものだけれど。

  •  『獄中からの手紙』はガンディーの日常思想を述べたものである。真理への道を第一とし、愛・純潔・無差別を目指す。非常に禁欲的な内容となっている。
     私は思想としては格別目新しい部分は無いと思う。書かれている内容すべてに私は賛成はしない。かといって反対もしない。少なくとも作者はここに書かれている内容を実行したことは確かである。それは、作者の人生を除けばわかることだし、覗かずとも、この禁欲的な精神に満ち溢れている内容を読めば決して綺麗ごとだとは思わせないものがある。魂が清浄されていく気分になる。

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