梵文和訳 華厳経入法界品 (上) (岩波文庫)

  • 岩波書店 (2021年6月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (358ページ) / ISBN・EAN: 9784003334515

作品紹介・あらすじ

大乗仏教の真髄『華厳経』の「入法界品」は、悟りを求める若者・善財童子が文殊菩薩に教えられ51人の神々,菩薩らの良き師を訪ね、弥勒菩薩により重々無礙の真理を体験し、普賢菩薩行の世界に悟入する遍歴の物語。日本では古来、漢訳で読み継がれてきたが、梵語原典から初めての翻訳,上巻には序章から第十七章まで収録。(全三冊)

感想・レビュー・書評

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  • 近所の図書館の膨大な岩波文庫本コレクションの棚の中でも異彩を放っていたので借りてみました。
    読む以前は「理法界・事法界・理事無礙法界・事事無礙法界」等むつかしい華厳思想タームをほんのり聞きかじっている以外はほとんどゼロ知識。そもそも華厳経自体何が書いてあるお経なのか全く知りませんでした。
    なもんでまぁ、前からキチンとじっくり読んでみたかったんですよね、華厳経。

    さらっと目次等を見て、どうやら内容を一言でまとめると
    「善財童子の旅の記録」
    ということがすぐに分かりました。

    しかも、入法界品は華厳経全体の3分の1弱の分量を占め、約53人の師匠(善知識)を巡って歩く壮大な、長い長い旅です。何でも東海道五十三次の「五十三」の元ネタになったって説もあるくらいの、大長編ストーリー。
    いやー、こりゃ気が遠くなるぞぉ。

    読み始めてみるとまぁ、お経あるあるではあるんですが、やたら表現がくどい。
    角度を変えたり表現方法を変えたり種類、カテゴリー、数値を変えたりしながら、延々おんなじような言い回しの羅列、繰り返しがしつこく登場します。
    あと、メインキャラにならない人も含めると、登場人物の数が恐ろしく多い辺りもお経あるあるです。
    こんなの初見で一々覚えようとしたら頭パンクするんで、颯爽と斜め読み、読み飛ばししながら何とか数日で前半戦全部読了しました。

    や、可愛い。
    可愛いぞ、善財童子。

    ジャヨーシュマーヤタナ婆羅門(第9章)のところで、会って早々「この高い崖登って、火の中に飛び込め!」っていきなり婆羅門に言われた瞬間、「この人悪魔かよ……」ってビビる善財ちゃんとか、
    アナラ王(第17章)が悪人に割とグロい残酷な刑罰をするのを見て「こんな残酷なことする王様から何を学べと?……」って動揺逡巡してしまう善財ちゃんとか、
    もーなんというか、めっちゃかわいい。

    基本的には、根がまじめで素直で物分り良くて努力家なんだけど、自分の弱さもすごく痛感してて、どんな人にも教えを乞う姿勢があって、でもって善知識との別れ際には、教えに出会えた感動やら感謝やら、別れ難い気持ちやら、色んな感情の詰まっているであろう大粒の涙さえ見せる。それが、善財ちゃん。

    あーーー、もう!

    かわいいっっっ!!!

    さて、中盤戦後半戦もあるみたいなんで、これからぼちぼち善財ちゃんのお供しましょうか。

  • 漢訳と、どのくらい違うのか気になる。

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著者プロフィール

かじやま・ゆういち
1925年,静岡市生まれ。京都大学文学部哲学科卒業。専攻は仏教学。京都大学教授、佛教大学教授のほか、ハーバード大学やウィーン大学などで客員教授を務め、2004年没。著書に、『仏教における存在と知識』(紀伊国屋書店)、『般若経――空の世界』(中公文庫)、『輪廻の思想』『菩薩ということ』(人文書院)、『梶山雄一著作集(全8巻)』(春秋社)などのほか、インド仏典の翻訳が多数ある。学術文庫に『大乗仏教の誕生』、共訳に『完訳 ブッダチャリタ』。


「2022年 『般若経 空の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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