魏志倭人伝・後漢書倭伝・宋書倭国伝・隋書倭国伝 新訂 中国正史日本伝 1 (岩波文庫)
- 岩波書店 (1985年5月16日発売)
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感想 : 30件
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Amazon.co.jp ・本 (242ページ) / ISBN・EAN: 9784003340110
みんなの感想まとめ
歴史的な資料を手軽に読み解くことができる本作は、魏志倭人伝や後漢書倭伝などの重要な文献を通じて、古代日本の姿を浮き彫りにします。教科書では触れられないような、100国の乱立や大乱といった歴史的な出来事...
感想・レビュー・書評
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戦前から現在に至るまで決着することなく続いている邪馬台国論争だが、畿内説、九州説どちらもある程度の説得力を持っており、同じくらいに欠点もあって素人目にはどちらが正しいのか判断がつけられなかった。根拠となっている文献を読まずに双方の論文だけを読み、論の展開を見て判断しようとしていたのだから、わからなくて当然といえば当然だ。恥ずかしい限りだが、真実を知ってしまったら、ここまで夢中になっていた古代史に飽きてしまうんじゃないかという恐れもあって今の今まで避けてきた。古代への情熱は、いつまでも終わらない夢であってほしいという気持ちが心の片隅にあった。それでも今回ようやく原文を読む気になり、ちょうど図書館で見つけることもできたので、散々研究者たちを混乱させてきた文献を紐解いてみることにした。
実際に読んでみてわかったが、上述した不安は杞憂に過ぎなかった。余計わからなくなってしまい、嬉しいやら悲しいやら。
多くの論文で語られているように、『魏志倭人伝』に書かれた距離と方角をそのままなぞって邪馬台国に至ろうとすると太平洋に出てしまう。解釈によっては台湾と言えなくもない。ネットで1里の長さを調べ、冒頭の解説を頼りにして自分でもその道筋を辿ってみたが、やはり大海原に出てしまった。帯方郡から朝鮮半島を海岸沿いに南下し、済州島を通って対馬に至り、玄界灘を渡って壱岐島へ、そこから伊都国(現在の糸島市)まではわかるのだが、次にくる末盧国は所在不明、その先は如何様にも解釈できる始末。これでは解釈が分かれるのは当然だろう。ただ、距離を考えず方角だけを考えるのであれば、伊都国の東南に位置し、編者が熊襲であると見ている狗奴国の北にある吉野ヶ里遺跡近辺が邪馬台国の有力候補になるのではないかとは思った。当時の日本の中枢の人々が「伊都国で政治を行っていた」との記事があることも考慮に入れると、距離的に遠い畿内を比定するのは難しいだろう。
ただし、纏向と吉野ヶ里の遺跡の規模など考古学的要素も問題に入れていくと話はまた変わってくる。それに古代文献全てに言えることだが、必ずしも真実を語っているとは言い難いので、全面的に記事を信用することはできない。本書を読んでみると『魏志倭人伝』は『魏略』の記事を、『後漢書東夷伝』は『魏志倭人伝』の記事を使い回していることがよくわかる。倭国に関する詳細な記録が確認できるようになるのは、『隋書倭国伝』になってからだ。つまり弥生時代の倭国に関する記述は、長期間更新されていない伝聞によって書かれている可能性が非常に高いのである。ここまでで、本書の記述のみに頼って過去の姿を想像するのは大変愚かな行為だということが十分に理解できたであろう。
結局のところ長年思ってきた疑問は更なる疑問を生んだわけであるが、これでよかったのだと思う。歴史という学問が持つ底知れぬ深みを再認識することができたからだ。ポールオースター『City of Glass』の主人公が語ったような、わからないイコールつまらない、では歴史を説明することはできない。調べる、余計わからなくなる、そこに新たなロマンが生まれる、これが快感なのである。普通の人と違い、私はどうやら歳を取れば取るほど、知らないことばかりの愚かな自分への喜びが増していくようである。これからも、謎が謎を呼ぶような本をたくさん読んでいきたいと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
教科書に載っている魏誌倭人伝などが手軽に読める。
これがあるから100国に乱立していた事や大乱があった事など古事記、日本書紀に書いていない事が判る。
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とうとうここに登録する。なんか感慨深い。でもちゃんと読まないとなー。
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うータイムスリップしたい
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古代妄想される前の原典。
大学の「考古学特講Ⅱa」の参考書として購入。複数の中国史料から日本に関する記述を抜粋してまとめる。参考に高句麗好太王碑の原文もある。各時代のその現況の日本の姿が記述されているのかと思いきや、既存の文献の引用が多かったようで、内容は似通っている。
原典をそのまま味わうことができる。解説や訳注は最小限で、中立を保って記述しているが、邪馬台国論争に関わる箇所には解釈を複数挙げている。ただ解説には物足り無さを感じ、当時の中国の漢字の音について、もう少し解説して欲しい。日本のことばに仮名を当てたと思われる漢字の解釈がまちまちで統一感が無く、議論の土台が欲しい。
第一印象はとにかく、薄い。こんな微々たる記述から邪馬台国論争とはなんて妄想力豊かなのかと疑ってしまうが、現代から見ても日本らしさを感じるリアリティーがあり、ただの伝説とは思えず、比定や憶測したくなる気持ちもわからないでもない。
目次
1.解説
2.訳注
3.現代語訳
4.原文(影印)
○参考原文
5.『前漢書』地理志
6.『魏略』逸文
7.『広志』逸文
8.『晋書』四夷伝・倭人
9.『南斉書』東南夷伝・倭国
10.『梁書』諸夷伝・倭
11.高句麗広開土王(好太王)碑銘
12.『日本書紀』推古天皇 -
魏志倭人伝、後漢書倭伝、宋書倭国伝、隋書倭国伝。中国正史に載った日本の記述をまとめたもの。有名な、魏志倭人伝の「倭人は帯方の東南大海の中にあり、山島に依りて国邑をなす。旧百余国。漢の時朝見する者あり、今、使訳通ずる所三十国。」の文章で始まる。これらの文章から、邪馬台国は九州か、いや畿内か、と確定するには情報が少なすぎるのだろう。でも、歴史のロマンではあるな。
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一瞬で読める 訳注と現代語訳で。古代日本、ていうか、そのころ、まだ日本という国はなかったのだけど。ヒミコのところばかり取り上げられるからあれだけど、紀元1世紀くらいの日本をこんなに簡単にサクッと紹介してるんだもの。自分で潜って魚をとって喰うだとか、入れ墨しとるとか、手で飯喰ってるとか、年中生野菜喰っとるとか、裸足だとか。書いてある。
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西暦57年に金印、238年に卑弥呼、400年代に倭の五王、607年に小野妹子、の時間軸を確認し直した。
100年代と300年代の記録が少ないのは乱世であったからだろうか。ある時点を境に情報量が急に増えるのはその前まで敵対勢力が力を持っていたからだろうか。 -
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仕方がないが当時の中国が日本を余裕で軽くみていたことが読み取れる。
また、当時の日本(邪馬台国)が既に役人もいて外交もする中央集権国家だったことが分かった。
この本を読む前は、当時の日本はもっとのんびりした大きな農村程度のイメージだったので意外だった。
奴隷がいたり、相手をおとしいれて刑罰で殺したり、喪の際には身代わり喪を受け取る人間を立てたり、知らなかったことがいくつもあった。
つくづく古典は読んでみるものだと思った。 -
「魏志倭人伝」は日本人であれば誰でも知っていることと思うが、内容をつぶさに見てみることはあまり無い。
一般に義務教育で習うこのあたりの歴史のキーワードは「漢委奴国王印」、「遣隋使」、「遣唐使」くらいだと思う。
文献をつぶさに観察し、年表を通して当時の日中の関係を見てみると大変良く頭の中に入ってくる。
本書には「魏志倭人伝」、「後漢書倭伝」、「宋書倭国伝」、「隋書倭国伝」がおさめられている。訳注のある訓み下し文、現代語訳、原文があるので大変わかりやすく、一編がとても短いので一読を是非おすすめする。 -
日本がまだ文字に寄る記録がされていなかったころの記録である中国の歴史書四冊をまとめた本。白文の写しから書き下し文、訳文まで全てついているので様々な使い方ができるだろう。
読んでみると一番詳しく描写されているのは当然中国と日本の関わりだが、古代の日本人の習俗も詳しいのが面白い所である。
編集的に最初に来てしまっている解説から読み始めると難解すぎるので、訳文→書き下し文→解説と読むのがいいと思われる。
ただやはりこの時代までさかのぼってしまうと史料自体が難解なので、研究したいわけでなければ解説は読まなくても良いだろう。 -
随分昔に買って放置していたが、いざ読み始めてみると、案外スイスイ読めた。
邪馬台国がどこにあるのか、という論争は脇にどけておいても、当時の風俗とか統治の様が見えてきて、とても興味深い。「保守」を名乗る人たちは、このへんの時代をどう思っているのだろうか。
解説→読み下し文→現代語訳→原文の順に出てくるので、予備知識を持ちながら読める構成になっている。 -
魏志倭人伝・・・岩波文庫で読めるんだ。
日本史で名前だけは聞いたことのある本。
資料として読んでみた。
邪馬台国はどこにあるんでしょうなぁ~。
日本の神秘です -
古代日本についての知識が欲しい方は必ず目を通すべき一冊。
普通にパラパラと読んでいても、古代の日本人の暮らしを想像できて面白い!個人的には、当時の宗教観などに関する記述が興味深かったです。 -
モンゴルーっ泣
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原典ですから評価のしようがないですね。
古代史を語るなら目は通しておくべき一冊。
短いながら、後漢以降の日本関係記事併載もうれしいけれど、
『魏志 韓人条』あたりも載ってるといいのにね。
石原道博の作品
