歴史 上 (岩波文庫 青 405-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003340516

感想・レビュー・書評

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  • 今更説明する必要がないほど有名な本。「歴史」と名付けられた本書は歴史書というより、当時のギリシア人が世界について聞きかじった内容をつれづれなるままに書き綴ったもので、全編にわたり「大いなる余談」として気楽に読める名著。節が短く記述が簡潔なので、通勤時の読書にもぴったり。
    上巻では主にペルシア、エジプト、エチオピアについて触れられている。

  • 「歴史の父」と称されるヘロドトス(B.C.484-430)。世界史で「エジプトはナイルのたまもの」という言葉を習った記憶の方も多いだろう。「人間界の出来事が時の移ろうとともに忘れ去られ世の人に知られなくなるのを恐れて研究調査を書き述べる」という文章からこの名高い「歴史」は始まっている。彼はギリシア諸都市とペルシア帝国の大戦争「ペルシア戦争(B.C.492-449)」を後世に伝えるために筆を執ったとされる。彼はこの「歴史」で、「伝聞」の形を取りながらも、歴史のみならず風俗、地理宗教、農業、文化と実にさまざまな事柄について触れている。上巻(第一巻〜三巻)では主にアケメネス朝ペルシア帝国の興隆が描かれている。ヘロドトスが伝聞にせよギリシア側のみの研究や叙述ではなく、中立とも言える観点から実に詳しくペルシア帝国の成り立ちや内情について述べているのには感心させられた。ペルシアはメディアからの支配を脱し、小アジア、バビロンなど周辺諸国を次々に征服し、カンビュセスの時代にはエジプト遠征へと乗り出す。そこにあの有名な「ナイルのたまもの」という記述がでてくる。ヘロドトスはピラミッドの作り方、その目的エジプトの地理、宗教、歴史など実に詳しく叙述している。この「歴史」のおかげで我々はペルシア戦争について2500年後の現代において知ることができる。古代ギリシア、オリエント世界を知る上での第一級史料である事は間違いない。実にありがたく興味深いのだが…しかしヘロドトスの「歴史」が後世に与えた影響を無視することはできない。なぜなら彼の業績の集大成とも言える「歴史」を読んでいると歴史書と言うよりは…旧約聖書やギリシャ神話古事記などを読んだ時のような「トンデモ感」をどうしても感じてしまうからだ(^^)果たしてどこまで信頼したらよいものやら迷ってしまうぐらい荒唐無稽な話が続いたりする(笑)そのトンデモ感が楽しくて、やたらと出てくる人物名にちょっと辟易しながらもドンドン読み進める事ができるとも言えるのだが。彼が「歴史」においてピラミッドは「王の墓」だと書いたから、以来ずっとそう信じられてきた。しかし近年の研究において「王の墓」説には巨大な疑問符が投げかけられている。一個人が描いた「歴史」の嘘と真実。さて、どこまでを真実ととるか、トンデモ話と取るか…そこに歴史研究の面白さ、醍醐味があるのかもしれない。

  • リュディア王クロイソスとそろんの会話。キュロスと戦えば帝国を滅ぼすとのデルフォイの信託。クロイソスの敗北。キュロスのイオニア地方制圧。マッサゲタイ遠征。キュロスの戦死。カンビュセス王のエジプト制圧。バビロニアの叛乱。カンビュセスの狂気。マゴス僧による帝国の簒奪。ダレイオスを含む7人の有力者によるマゴス僧の打倒。


    1996年7月20日再読

  • かの歴史の父ヘロドトスの歴史。
    どうやってペルシアが興り
    何故ペルシア戦争が起きたのか?
    読み応え十分!

  • 岩明均先生の「ヒストリエ」と併読用に購入。たまらん。

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