- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003342121
感想・レビュー・書評
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ゴロヴニンによって綴られる幽囚記は一気に終盤へ。下巻まであるので本巻では語られ尽くされないのかと思いきや、あっさり完結。下巻は時系列的物語を離れてその他もろもろの記録が集められているらしい。(本日時点では未だ読了しておらず。)ただこの感動がそれなりに大きかったためについ「菜の花の沖」最終巻の該当頁あたりを再訪することになってしまった。
そもそも長い間書架で温存されていた本書に敢えてこのタイミングでとりかかろうとしたきっかけはかつて駿河湾沖で地震の津波に飲まれて沈没した船があり、その名が「ディアナ号」であったという「糸」からたぐり寄せられたものであった。今あらためてWikipedia上のその頁をみると、どうもその船は後に建造された同名の船だったらしいことに気づいた。そんなこんなのタイミングを考えるとなおさら興味深い。毎日のように報道から「ロシア」とい国名が流れ、世界から非難を浴びつつある時期であるだけに。
下巻への旅はつづく。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読了!!!
上巻も良かったが、めちゃめちゃ面白かった。
前巻に引き続き脱走し山中を逃走するところから始まり、日本側に捕まり再び幽閉され、最終的に日露の交渉の結果解放されるまで描かれております。
そして、ムール君の悲しい裏切りと最期…
小説のようにひきこまれました、ゴロブニンさん文才あるわ〜
こんな面白い本が70年の間に8回しか刷られてないってどういうこっちゃ
日本人はあの頃から日本人なんやねぇ
現在までつらなる当時の日露のカルチャーギャップも伺えて非常に面白い。
手記はここでおわりで、下巻は日本論みたいなんで、とりあえずここまででいいや。 -
解放の見通しがたたない松前での虜囚生活に悲観したゴロブニンたち一行は、脱走し北海道の山間部を6日間に渡りさまようが、最後は再びとらえられる。ゴロブニンの副官ムールは精神に変調をきたしていく。一方、高田屋寡兵衛をとらえたロシアと日本の交渉は継続し、最終的にはロシア人一行は解放される。ゴロブニン達の日本での生活は2年に渡った。
当時の北海道の自然、日本人の行動原理、人間関係の考え方、が鮮やかにわかる。日露国境問題の原点の理解にも役立つ。
さすが19世紀初めの世界的大ベストセラー。名著。