一外交官の見た明治維新〈上〉 (岩波文庫)

制作 : Ernest Mason Satow  坂田 精一 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 370
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003342510

作品紹介・あらすじ

風雲急をつげる幕末・維新の政情の中で、生麦事件等の血腥い事件や条約勅許問題等の困難な紛争を身をもって体験したイギリスの青年外交官アーネスト・サトウ(1843‐1929)の回想録。二度まで実戦に参加して砲煙弾雨の中をくぐり、また攘夷の白刃にねらわれて危うく難をまぬかれたサトウの体験記は、歴史の地膚をじかに感じさせる維新史の貴重な史料。

感想・レビュー・書評

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  • 著者が日本に惹かれ、死をも恐れない好奇心があったからこそ、幕末から明治への歴史を側面から見ることができた。来日早々生麦事件に遭遇。開港場となる長崎、神戸、新潟などの日本各地に出向き、伏見から東海道で江戸へ下るなど精力的に日本を歩く様子が詳細に語られ興味深い。イギリス公使が譜代大名や将軍に接見しようとしても、病気と称して避ける(しかも仮病と知れている)様は、意思決定力や外様も含めた大名に対する統率力の低下をひしひしと感じた。また、世襲による統治の限界が御一新という時代の転換点を必要としたのかも知れない。

  • 萩原延壽の「遠い崖-アーネストサトウ日記抄」(全14巻)は好きな本で三回も繰り返し読んでおり、その都度新しい発見がある。この本は幕末期のイギリス外交官アーネストサトウの日記や1921年発行の本書「一外交官の見た明治維新」を繰り返し引用することから成り立っており、「一外交官」は、一度は読まなければとつねづね思っていた。
    1861年以降の出来事を1921年に世に出したのが本書である。内容も激動の幕末期で面白いが、何より驚くのは原書が100年以上前に発行された本とは思えない程読みやすいことである。翻訳書であるためかとも思い文庫の奥付をみると、岩波文庫はなんと1960年発行。50年以上前の本であった。良書は時代を選ばぬと痛感した。
    しかし、このブクログの表紙は新書版だが実際に手に取ったのは岩波文庫版である。字が小さい! 内容の面白さに文句は無いが、老眼が進んだ小生にはやや苦しい読書だった。

    2016年12月読了。

  • 幕末の混沌とした状況が伝わってきます。伊藤博文や井上馨の影がほの見えます。いつの時代も、若者が世の中を変革していったのでしょう。いまの日本の若者の行動が、少しづつですが日本を変えつつあると信じたいです。

  •  
    ── アーネスト・サトウ/坂田 精一・訳
    《一外交官の見た明治維新(上)19600925 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003342518
     
    <PRE>
     二人のアーネスト・サトウ
     
     Satow, Ernest Mason GCMG 18430630 England 19290826 86 /枢密顧問官、英国公使館通訳、駐日公使
     Satow, Ernest Y. 写真家 19270322 America 19900512 63 /京都市立芸術大学院教授/籍=佐藤 善夫
    /佐藤 年(俵屋の第11代主人)の夫、佐藤 守弘(芸術学者)の父
    </PRE>
     
    …… 小松は私の知っている日本人の中で一番魅力のある人物で、家老
    の家柄だが、そういう階級の人間に似合わず、政治的な才能があり、態
    度が優れ、それに友情が篤く、そんな点で人々に傑出していた。
     |
    …… 薩長同盟成立の翌年に小松は、訪問先の大坂で、イギリス2代目
    公使パークスの通訳であるアーネスト・サトーの昼食会に招かれた。
    http://www.kirinholdings.co.jp/company/history/person/beer/02.html
     
    …… その紳士は、与太郎が生涯に出あったなかで、もっとも魅力的な
    人物として“MCP”の呼称を惜しまないピーター・マーティン氏である。
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20031208 第三の偶像
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19691209
     一聴一席⑧My Chin ピーター・マーティン京都英国文化センター館長
     
     脱藩考 ~ 藩のうしろだて ~
     
    …… 「廃藩」によって「脱藩」という熟語が生れたことになります。
    (オウム真理教が解体して「脱オウム」という熟語が生れたように)
    http://q.hatena.ne.jp/1273673596#c178536(20100516 20:27:43)
    ── 《先人たちの底力 知恵泉「変人こそが国の宝
    島津 斉彬の人材育成術」20150922 12:00-12:45 NHKe》
    https://twitter.com/awalibrary/status/646178716314411008
     
     島津 斉彬は、西郷に持論を語らせ、しかるのち一般論を聞かせた。
     小松 帯刀は、若者をいったん沖縄に脱藩させ、そこから外国に留学
    させる方法を説いた。
     
    <PRE>
     島津 斉彬 薩摩藩主11 18090428 江戸 薩摩 18580824 49 /文化 6.0314-安政 5.0716
     西郷 隆盛 陸軍元帥  18280123 薩摩   18770924 49 /文政10.1207-明治10.0924/自決
     小松 帯刀 薩摩藩家老 18351203 薩摩 大阪 18700816 34 /天保 6.1014-明治 3.0720/籍=清廉
    </PRE>
     
    …… 明治維新を導いた幕末屈指の名君、島津 斉彬。人材育成のモッ
    トーは「変人の登用」。西郷 隆盛、小松 帯刀たちを育てた異色の教育
    方法とは?世界遺産に残る斉彬の遺産も紹介。
     
    …… 明治維新の原動力となった島津家。その立て役者が名君、島津
    斉彬だ。急死するまでわずか7年という在任期間の間に西郷 隆盛、小松
    帯刀など、きら星のごとき人材を見いだした。その人材登用のモットー
    は「変人こそが国家の宝」というもの。幕藩体制が崩れようとする中、
    扱いづらい個性の強い若者たちをあえて抜てきし藩の原動力として育て
    た。今年、世界遺産に登録された鹿児島の庭園に残る斉彬の貴重な近代
    化遺産も紹介する。
     ゲスト;陸上連盟強化委員会テクニカルコーチ…小山 裕三,
     出演;東京大学史料編纂所教授…山本 博文,ビビる 大木,
     司会;近田 雄一
     
    (20150922)
     

  • 通訳士として来日したアーネストサトウの幕末明治日本回想記。
    読んでみて受けたサトウさんの印象は、正直でハッキリ物を言う人、愛国心があり仕事熱心で、日本への興味と情熱があり、そして何より日本をエンジョイしています。
    薩摩藩の人達がこんなに出て来ると思わなかった、特に吉井さんの出現率が高い、小松さんが魅力的発言は有名ですが、五代友厚はサトウから見てもイケメンだったとか、
    >「気品のある容貌のすこぶる立派な男子」
    人物評?が面白いです、慶喜公への褒め言葉も凄い。
    >「私がこれまで見た日本人の中で最も貴族的な容貌をそなえた一人で、色が白く、全額が秀で、くっきりとした鼻つきの立派な紳士だった」
    他にも可愛い女の子が~とか、島津図書が美青年だったなどサトウさんの評価が分かって楽しかった。
    伊藤公のなるべく洋食っぽい食事を出そうとする気配りに感動、例え洋食っぽくなくてもこんな気配りされたら嬉しくないはずがないですね、偉い。

  • 「イヤダロナ(1867年)大政奉還」と暗記していた明治維新。昨日まで封建制度の社会で、突然今日から明治の開かれた日本になったわけではなくて、少しずつ少しずつ人の意識がかわり、いろんな事件が起こり、徐々に時代が変化していった。ゴロ暗記だけでは見えてこなかった本当の歴史に触れられた。平成の今も、何気なく「今」を生きているけど、この「今」一瞬一瞬も、未来の大きな変化につながっているのかもしれない。100年後、今の時代がどう評価されているのだろうか。

  • タイトルの通り、明治維新のときに日本に来たイギリスの青年外交官、アーネスト・サトウが書いた、当時の日本の回想録。

    日本側から書いた明治維新ものだったら、それこそ龍馬、新撰組、陽だまりの樹など数多く名著がありますが、外国人側からみたらなるほどこんな雰囲気だったんだな、ということがわかって面白いです。

    日本側の自分からしてみたら、明治維新のとき、黒船で外国人は日本を征服しにきた、みたいなイメージを持ってました。
    でもこれ読むと、外国人って商売しにきたんすね。
    で、なるべく有利な商売をしようっていう意識であったと。
    商売しようとしてる相手を征服者と思い込む、っていうのはなんだか今の日本でもありそうな話だよなあ、と思いました。

  • 天皇と幕府の関係などよく理解していると驚きます。
    序盤、横浜の外国人居留地や生麦事件など書かれていますが、現在の横浜関内の地理、開港資料館等にある江戸末期から明治の関内の様子を予め知っておくと面白い。

  • アーネスト・サトウは見た!

  • 多少西洋至上主義の匂いもあるけれど、当時としては当然だろうしなかなか面白い。ペケってマレー語だったんだなー。
    よく出てくる皮肉な言い回しがたまらん。フランス・アメリカに対してのが半端ない。一番はやっぱりフランスだけど。
    他の資料とつき合わせて読むともっと経過が分かりやすいんだろうな。
    伊藤と井上にはかなり好意を持ってるのが感じられる。伊藤のが上かな。

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