一外交官の見た明治維新〈下〉 (岩波文庫 青 425-2)

制作 : Ernest Mason Satow  坂田 精一 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 273
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003342527

作品紹介・あらすじ

1862(文久2)年江戸在勤の通訳を拝命してから、1869(明治2)年一時帰国するまでの日本での体験・見聞を綴ったイギリスの外交官サトウの回想録。日本の事情に通じていたサトウは、相次ぐ事件のエピソードにからめて、当時の日本の風物、人情、習慣などを生き生きと描き出す。わが国近代史上に活躍した外国人の記録の中でも出色の1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 「ところで、日本の諸侯は馬鹿だが、わざわざ馬鹿になるように教育されていたのだから、責めるのは無理だという気がした」
    …さすが日記、ぶっちゃけていますw、色々な諸侯に直接会った結果こういう感想を持ったのでしょう。
    サトウさんはどんどん日本になれてきてハラキリは崇高な儀式だと発言したり、失脚した慶喜公に同情を寄せてます、哀れな描写には慶喜公も好きなので(T_T)

    大久保さんとサトウさんは鳥羽伏見の後に会ったようです、日記にバンバン出て来る吉井、五代、中井氏に比べると会ったのは遅かったみたい。
    岩倉さんがパークスに語っているように、駿府や水戸に函館を鎮撫させる事で、慶喜を早めに朝臣に戻すという計画はあったのだなと思った。
    家近先生の本では非道っぽい言い方でしたが割りとポジティブな(早めに復活させる意味では)計画なのかと感じました。あと地震の恐怖を伝えてる所が、昔も地震が多かったのだと納得。
    面白いし貴重な内容でした、再読したいです。

  • 読んでて面白い本とはいいがたいけど、著者が見た生の歴史を極力そのまま書いてるってことの凄みは否定しえない。サトウがひどく気に入ってたと思しき薩摩脱藩の中井弘さんとか、あまり幕末の小説では見かけてない気がするけどどんな人だったんだろう。

    サトウは西郷隆盛とも何度か会ってて、その魅力にも言及はしているものの、語る言葉は妙に少ない。このへんは「西郷さん」のつかみどころのなさを感じさせていかにもって感じだ(そういう僕の印象を形作ってきた歴史小説群のネタ元こそがこういう一次資料なんだから、当然といえば当然の帰結だけど)。

    読むのにえらい日数かけてしまったものの、まあ読んでみてよかったよ。歴史小説のふわっとした部分と史実との間を、こういう一般向けの一次資料や(準)学術書がつなぎ留めてくれる。どうあがいても知り得ない靄の部分というか、想像力で補うしかない空隙あっての歴史なんだし。

    たまにはその空隙をまざまざと覗き込むような読書体験もあっていい、と改めて思った。靄や空隙の存在を忘れないためにも。

  • 北陸からオーザカへの道中は、後に明治の日本を旅するイザベラ・バードの紀行文を思い出させる当時の日本人の反応そのままだ。時は維新の最終段階。この巻で坂本龍馬の暗殺を明記しているが、長崎で知り合ったとある。グラバー商会の記述も淡泊だ。維新に関わった他の日本人の記述と比べて記載がないに等しいのは、重要人物ではなかったのか、半世紀を経ても秘匿すべきことだったのか? 新政府の重職に公卿が名を連ねたことに対して、実力を伴わない職であると言い切っているのは、けだし慧眼である。

  • 本書は「世界を揺るがした10日間」のような第一級の迫真のドキュメンタリーだ。これが体験から数十年後に書かれたとはとても信じられない。アーネスト・サトウの几帳面かつ優れた知性がうかがえる。
    それにしても歴史とは多くの視点から見つめるほど面白いものだと思った。本書を読了して萩原延壽の「遠い崖」をもう一度読んでさらにこの時代をより深く探求したくなった。

    2016年12月読了。

  • 幕末は外国人にとって物騒極まりなかったに違いない。現にアーネスト・サトウも1867年5月に襲われている。武士たちは相当に血走っていたのだろう。明治に入っても、しばらくはそのような人が世間にうようよといたのだろうが、文明の開化によって武士の気質も徐々に消えていったのだろう。いまの日本人のなかに武士のような一本筋の通ったひとを見つけるのはとても難しい。明治維新によって日本人は大きく変わり、もう武士のような生き様をする日本人に戻ることは決してなかった。

  •  
    ── アーネスト・サトウ/坂田 精一・訳《一外交官の見た明治維新(下)19601005 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003342526
     
    (20150922)
     

  • まだ20代前半だった筆者が、日本語通訳として明治維新の当事者となり日本側とやりとりしていく。こっちサイドから見ると伊藤博文などの小物観が半端ない。明治維新のフィクサーというのもあながち間違いではないと思いました。

  • アーネスト・サトウの見た幕末日本。

  • サブテキストとして非常に面白いものだった。
    サトウが明治初期のキリスト教政策に理解を示していたのが印象的。
    これから後の時代も気になるんだけどな。伊藤との仲良し話をもっとしてくれ~!
    当時の文化を、異邦人の目線で客観的に見られるところも良かった。
    伊達公は歌って踊れる殿様ってことでFA?

  • イギリス人外交官アーネスト・サトウの日誌的な幕末物語。
    幕末という時代が好きで、中学生・高校生の頃はよくそのあたりを扱った歴史小説を読んでた。なんか、そういう小説に出てくる人物が、ふつうに登場するのがヘンな感じ。そりゃそうだよね。今の政治の現場を記録して100年後に読んだら(おもしろいかどうかは別として)こんな感じなんだろうな。
    アーネスト・サトウの他人の国に対する傲慢さにいらっとくるけど、時代の動きに超積極的に関ろうとする姿勢は学ぶものがある。あと、この人頭いい。

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