- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003343814
感想・レビュー・書評
-
再読。サブタイトル「江戸幕府役人の証言」の通り、旧幕時代の制度の実情が忘れ去られるのを惜しんだ学者達が旧幕に出仕していた古老を招いて質疑応答した貴重な記録。明治24年~で、きちんと回答者や速記者、日付など詳細記録されており史料として素晴らしい。個人的メモとして旧事諮問録委員会に名前を連ねる多数の学者の中に山川健次郎の名前も発見。
上巻収録分は、
第一回 将軍の起居動作等/第二回 財政の事(勘定所)/第三回 司法の事(評定所)/第四回 大奥の事/第五回 目付、町奉行および外交の事
やっぱり大奥の話が興味津々。しかしなんか1日にやらなきゃいけないルーティンが多くて、それをこなしてるだけで1日終わりそう。将軍様、自由時間なんてほとんどなさそうで気の毒。定番の、天璋院様と和宮様の嫁姑バトルの話題など、まあこのへんが本当でしょうね。
司法の部分は、桜田門外の変の話などが興味深かったです。あとやっぱり暴れん坊将軍八代吉宗は偉かったのね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東2法経図・6F開架:322.15A/Ky8k/1/K
-
江戸幕府に仕えた元役人たちのそれぞれの裏話的な話をうかがえて、たいへん面白かった。速記録ということで、生の声を聞いているようでさらに、わくわくした。
上巻は、司法のこと、外交のことが興味深かった。後者では、歴史的な転換点では、苦労したんだなぁと。 -
(上、下巻共通)
江戸幕府の役人経験者に実際に話をきいているってのがそもそも興味深いです。
時代劇とか、小説とか、そういうのとは違った印象の幕府が目に浮かぶようです。
訊く側と訊かれる側がそれぞれなれていないのを、そのまま編集せずに使っているようで、話が行ったり来たりあっち行ったりこっち行ったりして微妙に読みづらいところもありますが、そこはそれ、我慢して読むのがよいでしょう。
やっぱり、御庭番の実際の話とか面白いし。 -
江戸時代に生きていた人にインタビュー。確かに、聞いて残しとかなくちゃね。大奥のこととか将軍ってどんな暮らしをしてたんですか、とか、分かります。
-
明治20年代半ばに、旧幕時代の制度の実情が忘れさられるのを惜しんだ歴史学者たちが、旧幕勤仕の故老たちを招いて行った質疑の記録。江戸幕府の制度と諸役所の実情を語る文献として利用価値の高い一級の歴史史料である。上巻には、将軍の日常生活をはじめ、大奥・勘定所・評定所・目付・町奉行・外国奉行等に関する証言を収録。(1986年刊)
・旧事諮問録 第一編
第一回 将軍の起居動作等
第二回 財政の事(勘定所)
第三回 司法の事(評定所)
・旧事諮問録 第二編
第四回 大奥の事
・旧事諮問録 第三編
第五回 目付、町奉行及び外交の事
今風にいうと、オーラルヒストリーということになろうか。本書は、幕府の元役人達が職務の内容について回想した本である。史料としての重要さは言うまでもないが、明治20年代半ばの回想ということで、限界もあることは推測される。
読んでいて意味の通じないところがいくつかあった。明治の記録とは言え、難しいところである。内容がどの程度、正しいのであろうか、分析解説する本が欲しいが、江戸時代に興味のある方には、必読の書である。 -
ちくま文庫『大江戸観光』(杉浦日向子)p232「将軍は三日やったら嫌になる?」に詳しい紹介記事が掲載されている。