ヒュースケン 日本日記 1855~61 (岩波文庫 青449-1)

  • 岩波書店 (1989年7月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (322ページ) / ISBN・EAN: 9784003344910

みんなの感想まとめ

幕末の日本を舞台に、ハリスの通訳として来日したヒュースケンの日記は、彼の視点から描かれた貴重な記録です。前半ではニューヨークから日本までの航海が生き生きと描かれ、当時の世界情勢が冒険記のように楽しめま...

感想・レビュー・書評

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  • 再読。ヘンリー・ヒュースケンはアメリカ領事タウンゼント・ハリスの通訳として安政3年(1956年)に来日したのだけれど、実はアムステルダム生まれのオランダ人。二十歳のときにアメリカに移住するも数年間貧窮していたところ、偶然にもアメリカから日本へ使節を送るための通訳が必要になり、当時、洋学といえば蘭学で外国語といえばオランダ語だった日本での通訳には英語=アメリカ人では間に合わず、オランダ人の彼が抜擢されたという経緯。当初の日本側が用意できる通訳は基本的に日本語→オランダ語、ヒュースケンはそのオランダ語を英語に通訳するわけですね。

    日記の前半は、1955年にニューヨークを出発して、日本へ到着するまでのおよそ10か月にわたる航海日記。ポルトガル(マデイラ)から南アフリカ(喜望峰)を経て、インド経由でシンガポール、シャム、香港、広東、マカオと各国に逗留してその国の風俗を観察、ヒュースケン自身のスケッチなども掲載されていて(かなり上手!)普通に旅日記として楽しかった。ヒュースケンは結構「いいやつ」なので、海鳥に石をぶつけて殺す船員の非道に腹を立てたり、シャム国での男尊女卑ぶりに憤ったりしている。

    下田に到着してからは、日本の役人の煮え切らなさにうんざり。江戸の幕府との間をガキの使いが行き来するばかりで話は進まず、1年くらいしてやっと江戸へ行くことになり、道中では「富士ヤマ」の美しさに大感激。ヒュースケンは道中の日本人の様子などを観察して、日本がけして貧しい野蛮な国ではないことに感心、幕府も質素倹約で他国の王様のように将軍が金銀財宝で着飾ったりしていないことにも感心、自分たち外国人がおせっかいをやきにくるのは本当に正しいのか?とふと疑問を抱いたり、キリスト教弾圧についても、ヨーロッパでは宗教を理由に殺し合いをした歴史があるので、日本のやり方を一方的に批判できないのではないかと考えたり、なかなか広い視野と柔軟な思考の持ち主。

    しかし幕府との交渉の途中で日記は2年ほど中断、再び日記を書き始めて間もない1861年1月14日(万延元年12月4日)、ヒュースケンは28才にして攘夷浪人(薩摩の伊牟田尚平ら)の凶刃の犠牲になった。日記の書かれていない2年の間にヒュースケンはすっかり日本通の親日家になっていたらしく、こういう理解ある外国人が攘夷浪人のせいで亡くなったのは非常に惜しい。

  • 幕末にハリスの通訳として来日したヒュースケンの日記。

    前半はニューヨークから日本までの航海日記。後半は来日後の幕府との交渉をメインとした日記。

    想像以上に面白かった!
    特に、前半の航海日記の部分、この時代の世界各地の様子が生き生きとまとめられていて、ちょっとした冒険記を読んでるかのよう。
    これは、ヒュースケン自体が平等にまっすぐ世界を見れているかなんだろうなぁ。その種の上から的な嫌さとかが全然ない。

    後半部は、交渉と言う仕事上、仕方ないのだろうけども、堅苦しくなってしまい、ヒュースケンの飄々とした良さが現れず、あまり面白くない。と言うか、交渉が面白くなかったんだろうなw。

    有名な一節だけど、ヒュースケンがその当時の閉じられているけども、その中で豊かに生き暮らしている日本を開国させるのが、本当にいい事なのだろうか?と思い悩むそこに、ヒュースケンの人柄が良く出ているなぁ。

  • 江戸時代の役人に非常に同情してしまった。朝廷と諸外国との間に挟まれて、開国してもしなくても、戦は避けられないとわかっていたのだから。

  • 当時の日本の様子だけでなく、日本に来るまでの寄港した国々の様子まで分かるのが面白かった。母国への愛だけでなく、その国の文化や人々を尊重しているのが、印象に残った。読んでいると自分まで船の上、ケープタウン、タイ、ヒュースケンの見た景色が見えてくるようで、楽しかった。社会の大きな変動の中で犠牲となってしまった一人の若者の紀行、それだけで言い表すことができない本だった。

  • ヒュースケンの日記
    ハリスと共に鎖国だった日本との条約への
    苦悩が書かれ、幕府側も勝手が分からず
    朝廷に伺わないといけなく右往左往している
    様子も描かれている
    現在、世界中のから来日できているのは
    彼らの努力のなくしてはない
    ハリスが条約を渋る幕府の役人に対し
    小国であるイギリスを例え
    日本も貿易なくしてはこれからはやっていけないと
    諭すところが印象に残った
    ハリスの日記も機会があれば読みたい

  • オランダに生まれ若い頃父親を亡くし、苦労して一旗揚げようと20歳でアメリカに渡る。食うや食わずで思うようにならなかったが、日本との条約提携に際して、オランダ語のできる通訳の募集に応募。21歳で日本への船に。喜望峰をまわり、インド、バダビア、香港、ラオスなどを経て日本へ。
    アメリカを発ってから、日本で死ぬまでの6年間を綴った日記。中にヒュースケン自らのスケッチも多数。

    原稿の原本は、フランス語を忘れないためにフランス語で書かれている。

    29歳を前に攘夷派に襲われ死ぬことになったが、ヒュースケンほど当時の日本で『日本通』の外国人はいなかったし、日本を好きな外国人も彼が一番といってよかった。

    通訳の仕事以上に彼の活躍の場は多かった。
    プロシアのナンパした船にも通訳として随行してるし、彼の積極的で明るい性格は当時日本に訪れた外国人が後日記した邂逅録に、度々登場する。

    自分の馬を購入した時などの高揚感も好ましい人物に感じる。
    彼の観察力や好奇心、異文化をも理解しようとする姿勢は、生きていればシーボルトやその息子たちのように活躍の場がもっと多かったはずだ。

    朝ドラの『朝がきた』だったか、同じ時代のようなので、実に興味深いリンクの仕方が興味深い。

  • えらい時間をかけて読んだので間延びしてしまったのは自分のミスによるところだが、それゆえに彼の日本滞在がどういう形で終焉を迎えたかについてはすっかり頭の中から飛んでしまっていた。いつの間にか日本のことは彼の冷静な外からの目線でもって詳細にずうっと記録されていくのだという気になってしまったが…、残念。

    なにより盛り上がったのは旅の序章、自分が今住む街から旅立っていくくだりであり、それゆえにもう少し速いペースでもう一度なぞってみたいという気持ちも。

    もう少し手元に置いておこう。幕末物を読むときの併読書としての価値も高いのだし。

  • なんたって作者の視点が若い!
    青木氏の生き生きした訳も相まって、
    とても読み応えがある。
    日記と言うよりは、シャレた言い回しも効いたエッセイ?

    なぜ絶版になったのだろうか…

  •  
    ── ヒュースケン/青木 枝朗・訳《日本日記 19890717-1120 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/400334491X
     
    …… この国土のゆたかさを見、いたるところに満ちている子供たちの
    愉しい笑声を聞き、そしてどこにも悲惨なものを見いだすことができな
    かった私には、おお、神よ、この幸福な情景がいまや終わりを迎えよう
    としており、西洋の人々が彼らの重大な悪徳をもちこもうとしているよ
    うに思われてならないのである(P221)。↓ 質樸な人々
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=20040813
     
     Heusken, Hendrick 18320120 Olanda 江戸 18610116 28 /襲殺
    /Conrad Joannes 米公使通弁官/天保 2.1218-18610115 万延 1.1205
    ── 《Japan journal 1855-1861》
     
     Aoki, Shirou 翻訳 1929‥‥ 長野 /~ハドソン《緑の館》
    http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/creator/2284.html
     
    …… 子供の声は「騒音」か…脅迫、訴訟、保育所そばに「ドクロ」
    「般若」の看板まで(産経新聞 20141018)
    http://www.sankei.com/affairs/news/141018/afr1410180001-n1.html
     
    (20091108)(20141019)
     

  • 最初の方のハイテンションが好きだったんだけど最後の方は事務的に落ち着いてしまって残念でした。成長は見られるようなないような

  • 日本が好きだったのに、日本人に殺されるなんて悲しいですね。

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