十八世紀ヨーロッパ監獄事情 (岩波文庫)

制作 : John Howard  川北 稔  森本 真美 
  • 岩波書店 (1994年10月17日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003346518

作品紹介

自らの拘禁経験と博愛主義の精神から、延べ六回にわたりヨーロッパ十一カ国の監獄を歴訪したジョン・ハワード(1726‐90)は、徹底した調査と観察にもとづいて、監獄の現状を記し監獄改革を提言する報告書をまとめた。本書は、その一部を訳出したものであるが、伝聞を排し、直接見たことだけを記述した社会史の一級史料である。

十八世紀ヨーロッパ監獄事情 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 主にイギリスの監獄事情が記されている。一八七七年から一八八四始年という、まさにフランス革命直前期の知識人の人権や衛生に対する意識と、汚職を含む監獄の実態が読み取れてすこぶる興味深い。

  • *原著初版は1777年に刊行。

    *海外旅行の困難な時代のなかでフィールドワークに基づく詳細な監獄の記録。

    *イタリア人ベッカリーアの『犯罪と刑罰』(1764)とよく比較される。「書斎派」の文筆家としてのベッカリーアと、現実的な改良家としてのイギリス人ハワード。

    *解説より抜粋。
     18世紀末以降、とくに19世紀前半のイギリスは、「改革の時代」であった。ベンサムをはじめとする功利主義者や復活した福音主義の信奉者たちがその中心的な推進者であった。(奴隷貿易の廃止、工場法の制定など)折からの都市化や工業化がもたらした経済や社会の歪みの是正を含んだ改革が多かった。ハワードの監獄改革運動は、こうした諸改革のごく初期の一例とみることができる。事実、監獄改革はこのあとも、一望のもとに全体が監視できる円形監獄である「パノプティコン」を提唱したベンサムらに受け継がれた。
     ただし、19世紀が深まるにつれ、犯罪・犯罪者観が変化し、細分化し、刑罰および刑務所の性格もしだいに変化し、多様化していく。ハワードの改革は、このように急激な近代初期の歴史的変化への対応の、いわば第一の局面だったのである。
     監獄にかんしても、19世紀の改革は、刑罰の目的についての机上の論争や、上述のパノプティコンからペントンヴィルに至るモデル監獄(刑務所)の設立・運営の試み、監獄の中央統括化など、システマティックなものとなった。

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