幕末維新懐古談 (岩波文庫)

著者 : 高村光雲
  • 岩波書店 (1995年1月17日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003346716

作品紹介

明治大正期を代表する木彫家で、西郷隆盛銅像の製作者として知られる高村光雲(1852‐1934)の自伝的回想録。「お話し自身すでに立派な芸術」といわれるほど座談の名手であった光雲が、田村松魚や息子の高村光太郎を聞き手に、生立ちから彫刻家として名をなすまでを幕末維新の世相風俗を交えて生きいきと語る。

幕末維新懐古談 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 幕末に誕生し、維新期に青年時代を迎えた仏師・彫刻師高村光雲。彼から見た江戸・東京の幕末維新の模様を自伝的に叙述する本書。廃仏毀釈、明治初期の博覧会の実像、江戸浅草大火の模様など、世相が急展開する当時の生活史・社会史の一面を切り取った自伝と見うるもの。また、当時の西洋美術・彫刻の流入とそれへの対峙、西洋への輸出品に関わるだけでなく、日用品の販売にも関与した著者の市井目線が他書とは違う時代像を醸し出す。1995年(底本1929年)刊行。

  • 日本が江戸時代から明治時代に転換する時代に生きた、高村光雲という彫刻家の回顧録です。この時代って本当に日本が大きく動いた時代で、すごく劇的な事件とか、映画や小説になったようなシーンが数多くあったと思うのですが、光雲さんが語るのは「世の中が何か動いているなあ」と思いながら、そこそこに平凡な激動を生きた市井の物語です。この時代、スポットをあてるならあてるべき事件がたくさんある。そんな中、ここに当てたかー!という感じの本です。
    東京の、行ったこともある知っている地名がたくさん出てくるけれど、描写されている町の風景はちっとも知っているものと一致せず、想像もつかない。たかだか100年ちょっとで、東京はこんなに変わったのだなあと、驚きます。でも上野に美術館がある理由が少し分かった気がして、時代のつながりも感じました。
    『ところが、その博覧会というものが、まだ一般その頃の社会に何んのことかサッパリ様子が分からない。実にそれはおかしいほど分からんのである。今日ではまたおかしい位に知れ渡っているのであるが、当時はさらに何んのことか意味が分からん』というくだりで笑ってしまったのですが、読んでいる私もまた、光雲さんが当然のように出してくる「かっぽれの小屋」だの「毛抜き屋」だのが何のことだか分からないのです。100年後には私が当たり前に使っている言葉も、分からなくなるのだろうなあ、と思いました。カセットテープとか、ポケベルとかね。
    私はアートのことはよく分かりませんが、光雲さんの彫ったものは直接この目で見てみたいと思いました。大勢の著名な芸術家も登場したので、今後日本の美術を鑑賞する機会があれば、また違った視点で楽しめる気がします。

  • 高村光太郎の父で彫刻家、高村光雲が、若かりし日の幕末を回顧する。
    当時の美術界のことから、縁日の商売のことまで幅広いです。

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