- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003346945
感想・レビュー・書評
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再読。篠田鉱造の百話シリーズ、ラストは幕末明治を生きた女性たちの百話。語り手が女性なだけで、話の内容は夫や父親など、男性の話題の場合も多く、正直もうちょっと女性ならではの話が聞きたかったなという気もする。あとこのシリーズすべてそうだけど、やっぱり語り手の名前と、どういった人物かの略歴や談話年月日等の詳細は欲しかったなあ。話自体は面白いけれど史料としてはそこが惜しい。
印象に残ったのは刺青を入れた女性の話、渋沢栄一夫人の実家の話、あと森鴎外の小説『百物語』のモデルにもなった鹿島清兵衛とぽん太の話、歌舞伎役者・中村仲蔵の役作りエピソードなど。
あと、ちょっと下ネタというかあれなのだけど、当時、軍人や官員が家で雇っている女中に手を出すなどはよくあることだったらしく、ある陸軍中将の女中が事後に「腸(はらわた)がハミ出した」と寝込んでしまったので医者を呼んだところ、
「それがあなた、腸じゃアなくって、殿さまが外国からお持帰りになったサックを忘れておしまいになったのを、女中はソンなこととは夢にも知らず、自分の腸がハミ出したと思って、寝込んでしまったンで」
というオチ。まあ笑い話ではあるけれど、江戸明治の避妊事情についてちょっと興味が沸きますね。生理用品の歴史などもそうだけど、公式の史料として残らなさそうなこういう話こそ女性に語り残しておいてほしいかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私は題名から勘違いしていたのですが、女性に関する話ではなく、女性が語った明治時代に関する「思い出話し」でした。明治時代の生活や風習、人々の考え方が伝わってきます。元気であり、サバサバとした人々の息づかいが感じられます。
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2009.5.21