日本中世の村落 (岩波文庫)

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著者 : 清水三男
  • 岩波書店 (1996年11月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003347010

日本中世の村落 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • (*01)
    中世の地方の様子を概観できる良書である。国家主義あるいは共産主義を捉える近代の図式に当て嵌めて考えようとする傾倒があるもののそれを除いても、当時の現れていた文献から意欲をもって村落像を描き切ろうとする構想力は十分な評価に値する。
    冒頭の序では民俗学的な研究の成果もくるんで考察しているという宣言をしているが、残念ながら、該当する部分はやや折口の研究や長塚の随筆に言及されている箇所ぐらいしか見当たらなかった。しかし、本書の構想に、現在の中世考古学の成果や民俗学の知見を加味すれば、中世村落のより具体的な姿(*02)が現前するとも思われる。

    (*02)
    農に対して武や工や商や芸がどのように「村落から」発生したかを捉える視点は興味深く、説得的である。自治の説明に対しては近代的な観念(*03)の代償もみられ、古代の自治とは切断されているが、古代と中世の自治の命脈を考えてみたいところでもある。特に芸能を含んだ工芸の分野について、行商と問屋は異なる背景に発生したものなのかは、再考の余地があるようにも思える。

    (*03)
    岩波文庫版の1996年の大山氏の解説には、本文の適切な摘要が収められている。簡単に本書の内容を知りたい場合はこちらを読んでも、おおよそ、事は足りるだろう。

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