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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784003347119
感想・レビュー・書評
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最初「トンパ?」と思ったけれど、あの楽しい絵文字を描く中国の一地方ではなくて、モンゴルとシベリアの間にあって23年間だけ独立国だったという国の話でした。今はロシアに併合されて自治州となっているそうです。
感覚的になじみがないのでつい忘れていますが、世界には独立国の他に多くの自治州や植民地があるんですね。だから独立問題がこじれて世界各地で内紛や国内テロが収まらないわけですが、タヒチやポリネシアなどのほかにも、聞いたことがない自治国がたくさんあることに驚いてしまいます。また大国はよく独自性の高い自治区を統括していられるパワーがあるものだとも思います。地下資源などのメリットが大きいんでしょうね。
民俗学的フィールド報告のような本で、地域研究的におもしろい本だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世界をひしめくマイナー国家のなかでも、ある種のカルテイックさというか、マニアを引きつける国は意外とある。タンヌ・トゥバはその代表選手だ。その魅力とは?
タンヌ…何だって?そう、トゥバはかつてソ連の緩衝国家として、モンゴル国境に在った国だ。それも二十年ちょっとだけ。スターリン時代に葬られ、その後のソ連体制で喪われた、トゥバの確かな生存報告を、オーストリア人の著者が伝えるのが本書である。だが待ってほしい。スターリン体制下にシベリア鉄道でトゥバ入り?「靴底まで調べられて」原稿メモと共に脱出に成功?この著者、只者ではない。きっと、その後のアメリカ亡命も、彼にはオチャノコだったに違いなかろう。
そういう抜け目ない視点で、ウィットを散りばめながら描き出すトゥバ紀行は、迫力と哀愁と深く澄み切ったトゥバ文化の美しさを、読者に体感させてくれる。トゥバは遊牧と狩猟の民であり、文字は雄弁さを持たない。著者潜入時は、ソ連体制下で文化漂白も進んでいる。だが、抜け目ない著者は歴史学者であり文化人類学者であったから、そこは心配ご無用。トゥバの晒されてきた、仮借のない騎馬遊牧民族の掟と、それを前提としたトゥバのリアル(1930年当時)の糸地を見事に紡ぎきり、鎖国国家トゥバを俯瞰できる作品を創り出すことに成功している。
そして、もちろん翻訳者の技量も素晴らしい。アイロニーとツンデレ的慈愛に富む著者のエッセンスを見事に汲んでいる。マニアが書き、マニアが訳し、マニアが読む。こうしてトゥバはマニア国家の星となったのであろう。紀行文学のお手本的一冊である。
オススメ
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1921年から23年間だけ独立国――有名無実も甚だしいが――だったトゥバに入り、様々な文化や当時の政治状況について記録した一冊。個人的には、ガルサン・チナグの『草原情歌』(原題『歌の終わり』)を知ったきっかけの一冊だ。
当時のトゥバはソヴィエト連邦に翻弄され、ほとんど支配されていた。現在のロシア連邦でのトゥバは果たして……? -
現在、ロシア連邦を構成する共和国のひとつ、トゥバ共和国。
そのトゥバが独立国であったわずか23年間の中で、唯一外国人として訪問することができたドイツ人による奇書。
旅行記というよりは歴史、民俗の研究書といった方が近い。
帝国主義時代の書物特有の偏見や見下しは少ない。
なお、「写真多数」とは謳われているものの、そんなに多くはない。 -
訳:田中克彦、原書名:REISE INS ASIATISCHE TUWA(Mänchen-Helfen,Otto)
私はどのようにしてトゥバに入ったか◆シベリアの旅◆ハカス人◆ミヌシンスク◆トゥバへ◆クズル・ホト◆トナカイ◆狩猟◆牧畜と農業◆家とユルタ◆衣服と嗅ぎタバコ◆自動車と馬と死者◆家族についての会話◆ラマ僧たち◆仮面舞踏◆新文字◆文字◆チベット医学◆シャマンたち◆過去◆ソビエト植民地 -
トゥバという今はソビエトのものとなってしまった国の話である。ソビエトと中国がいいように扱った挙句、消えてしまった国について、ドイツの研究者が観察した記録であり、写真が多く残されているのに気がついた。
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