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- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003349526
感想・レビュー・書評
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1871年「パリ・コミューン」に関する本で、単純に「パリ・コミューン」の史実を知りたかったのだが、最初の方はばりばりのマルクス主義者である著者の概論がつづき、ようやく半ばから史実の克明な描写に入る。
ざっと読んだだけだが、どうもこの「革命」はちゃんとした組織体の行動になっておらず、計画性もないし、的確なカリスマも不在なので、あっという間に潰れてしまっても当然だったろうなあという気がする。
それにしてもフランスは、フランス革命からパリ・コミューン、「五月革命」といった「人民による革命」が続いた。20世紀のフランス知識人がみんな何らかの形でマルクス主義と対峙せざるをえなかったのは当然である。フランスは人民の思考と行動によって、国政を動かしてきた。だから「アンガージュマン」はフランス人にとって当たり前のテーマなのだ。
ずいぶん日本人とは違うな、と思った。現代フランスの思想を無理に日本人が真似してみても、どうにも様にならないのは、そういうわけなのだろう。文化が背負ってきた文脈が、まるきり違うのである。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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