レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 下 (岩波文庫 青 550-2)

  • 岩波書店
3.33
  • (9)
  • (10)
  • (42)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 449
感想 : 20
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003355022

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ダ・ヴィンチの遺した大量の手記をテーマごとに編集。上巻は人生論、文学論、絵画論を、下巻は科学論、技術論、その他もろもろのをおさめる。
    手記だけに一貫した論理があるわけではなく、その時々の思いつきが断片として集められている。長いものでも数ページ、短いものとなれば1行といったところ。初めから終わりまで通読するというよりは、ぱらぱらめくって目に止まった箇所を読んでみる、という読み方があっているかもしれない。
    なんちゃら細胞で大騒ぎの今ならこれ。ダ・ヴィンチさん、いい事言う。

    “喚きのあがっているところには真の科学はないのだ。けだし真理は唯一つの名辞を有し、それが発表されたら、争いは永遠にやむ。もしその争いが再発するとしたら、それは嘘っぱちで混乱した科学であって、精錬された確実さではないのである。
    だが真の科学とは、経験が感官を貫通させて、口論する人々の舌を沈黙させた科学で、それを探求する人々は夢を食って居ることなく、つねに正しい明らかな基本的原理に基づいて、継続的にかつ真の順序を追うて終わりまで進むものだ。”

  • ふむ

  • 下巻は科学論・技術・手紙やメモを収録。

    有名なSF小説「夏への扉」の中で、
    500年後に行こうとして失敗して、
    500年前に行ってしまった人(かも)
    という設定が出て来ていたけど、
    やはり中世の人だなあということが分かった。

  • 明鏡止水。

  • 2020.1.23
    万有引力や、地球が丸いことが証明される前の人の思索なんで当然読みにくい!
    当時の思想のフレームワークの限界を逸脱しているだろう部分も沢山あり、それこそが時代のエッジを走った知の巨人の姿なのだろうと、独りごちてみたり。観察することへの狂気を感じる。

    金にうるさそうなのと、人がたぶん嫌いなんだろうなぁというのが窺い知れるのは面白い。

  • 配置場所:摂枚文庫本
    請求記号:723.37||L
    資料ID:95190580

  • 科学論
    技術
    手紙とメモ

  • 「苦労せざるは幸運に値せず。」

  • (2016.12.28読了)(2002.05.11購入)(2001.05.15・第44刷)
    2016年1月に上京した際に、レオナルド・ダ・ヴィンチの展覧会を見ました。
    そのついでに、2月に「レオナルド・ダ・ヴィンチの手記(上)」を読みました。続けて下巻も読むつもりだったのですが、取り掛かれないまま年末を迎えてしまいました。
    年末を目前に控え、何とか読み終えることができました。やれやれです。
    下巻の内容は、「科学論」「技術論」「手紙・メモ」です。
    科学論の目次を見ると、ダ・ヴィンチの関心事が広範囲にわたっていることがわかります。水に関しては、地球の中心に引っ張られる性質がある、というようなことをいっています。
    また、川の上流から下流に向かってみると、上流は大きな岩だらけで、下流に行くにしたがって岩が砕かれ、角が取れて石から砂へと変わっていくことを観察しています。
    地質に関しては、高い山の上なのに海にあるべき貝の化石などが見つかることに言及し、洪水のために起こった現象とは違う、といっています。
    鳥の飛翔を観察しながら、人間も何とか飛べないものかと研究していたことはよく知られているとおりです。
    最後に遺言状がついています。身近で世話をしてくれていた人たちに財産をわけてあげたのでしょう。

    【目次】
    科学論
     経験
     自然
     理論と実践
     数学
     力、運動
     音
     天文
     光
     焔
     空気
     水
     地質と化石、附 地誌
     鳥の飛翔
     解剖学
     比較解剖学
     植物
    技術
     都市計画等
     水利計画
     軍事技術
    手紙とメモ
     手紙
     メモ
     旅行メモ
     翻訳、転写
     遺言状
    訳註
    解説

    ●試験して(9頁)
    この問題について一般的法則を立てるまえに、二度三度それを試験してその試験が同一結果を生ずるか否かを観察せよ。
    ●臍の緒(15頁)
    母ははじめ子宮の中に人間の形態を形成し、しかるべき時になるとそれは宿るべき魂を目ざめさす。その魂はそれまでは母の魂に護られて眠っているのである。母は臍の緒を通してそのあらゆる精神的素材とともに彼に栄養を供給し生気を与える。
    ●光素(68頁)
    太陽その他の発光体を見て眼を閉じると、おまえはしばらくの間それを前と同じく瞼の裏にみつづけるであろう。これこそ光素が眼の内に入った証拠である。
    ●水(100頁)
    水はもろもろの物体を結合し、養い、それを成長させる。水より軽いものは暴力をもってするのでなければ水を貫くことができない。熱によって微細な水蒸気となり嬉々として空中に立ち昇る。寒さは水を凍結し、安定は水を腐敗さす。あらゆる匂い、色および味を受入れるが、自分には何ひとつ持たない。

    ☆関連図書(既読)
    「レオナルド・ダ・ヴィンチの手記(上)」レオナルド・ダ・ヴィンチ著・杉浦明平訳、岩波文庫、1954.12.05
    「レオナルド・ダ・ヴィンチ」東野芳明著、新潮美術文庫、1974.05.25
    「ジョコンダ婦人の肖像」カニグズバーグ著、岩波書店、1975.12.10
    「微笑の構造」田中英道著、小学館、1977.06.20
    「モナ・リザが微笑む」宮下孝晴著・佐藤幸三写真、講談社文庫、1984.12.15
    「レオナルド=ダ=ヴィンチ鏡面文字の謎」高津道昭著、新潮選書、1990.08.20
    「レオナルド・ダ・ヴィンチ」田中英道著、講談社学術文庫、1992.02.10
    「建築家レオナルド・ダ・ヴィンチ」長尾重武著、中公新書、1994.08.25
    (2016年12月29日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    (下)には『科学論』『技術論』のほか、手紙、メモを収録。レオナルドのノートには、人生に対する箴言あり、寓話・笑話・文学に対する批評あり、「モナ・リザ」を生み出した陰影と遠近法の研究や『解剖学』などの記録も含まれる。天才の偉大さ、創造の秘密はすべてこの2冊の中に圧縮されている。

  • 齋藤孝著『大人のための書く全技術』40冊―05

    ダ・ヴィンチでさえ、何かを発見したり思いついたりしたときに、いちいちメモを取って、考えを深めていたことがわかる。
    ※デッサンは収録数に限りがある。しっかり見たい人は西村書店の大判がお勧め。

全20件中 1 - 10件を表示

レオナルドダ・ヴィンチの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×