ワーグマン日本素描集 (岩波文庫)

制作 : 清水 勲 
  • 岩波書店 (1987年7月16日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003355916

作品紹介

日本最初の漫画雑誌『ジャパン・パンチ』を創刊して、幕末維新の文明開化の実相をつぶさに描くとともに、アーネスト・サトウやパークスらに同行して歴史的な事件の数々をヨーロッパに通信したワーグマン(1832‐91)の作品の中から、日本および日本人をテーマとするスケッチを多数収録。絵でみる幕末維新史ともいえる貴重な記録。

ワーグマン日本素描集 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 3年前期『総合美術理論』第1回講義参考文献。
    2015.4.12 am11:15 読了。
    ビゴーの前に活躍していた画家ワーグマン。
    幕末から明治にかけての日本の様子を精緻に描く。1861年7月5日、宿泊していた東禅寺に水戸浪士が乱入した際、縁側の下に隠れてその様子を観察し描いた。シュリーマンにしてもワーグマンにしても、ひるむことなく観察を続ける姿に本当に頭が下がる。
    彼の絵はどれも人々の表情や動きが写実的に描かれており、当時の人々が偲ばれる。
    風刺画のコメントも洒落があってくすりと笑える。
    また、正月に老若男女入り混じって楽しげに遊んでいた人々が印象的だった(p.128)
    この素描集は、教科書や文献資料からではわからない当時の人々の姿をありありと浮かびあがらせていると思う。同時代のほかの外国人の記録を参照して、もっと複眼的に当時の人々の姿を捉えたい。

  • 日本最初の漫画雑誌『ジャパン・パンチ』を作った漫画家ワーグマンの作品を紹介する一冊。ワーグマンの作品は幕末から維新へと劇的に変化する日本の様々な姿を描いていてとても面白くて興味深く、色あせた紙の文庫本で読むのはもったいない。

  • 2011/10/19購入

  • こちらも、清水勲氏編の一冊。
    イギリス人ワーグマンは特派美術通信員として1861年に来日し、
    以来、数多くの日本、及び日本人スケッチを『イラストレイテッド・ロンドン・ニューズ』に掲載、さらに彼自身で日本で初の漫画雑誌『ジャパン・パンチ』を創刊します。

    特派美術通信員という仕事柄か、かなり社会的な絵が多いです。
    大久保利通の葬儀の模様、第一回京都博覧会など、大変興味深い場面が描かれていました。ビゴーに比べて年代がさかのぼるので、近代化以前の日本の様子が見られて面白いです。
    また、その絵は写実的で、特に水彩は大変綺麗です。カラーで見れたいいのになあ、と思います。

    一方、前述の『ジャパン・パンチ』に掲載された絵は、諷刺の聞いた絵も多く見られます。
    その中でもやはり、日本人は勤勉でないとか、国を富ますために働け、などのメッセージを含んだものがありました。近代化以前の日本人はやはり怠惰な面が目立つ民族だったのでしょう。

    さて、ワーグマンですが、日本人女性小沢カネと結婚し、その生涯を日本で終えています。晩年、病に臥したということもその理由の一つでしょうが、日本に永住してくれた・・というのは何だかちょっと嬉しいです。
    彼のお墓は横浜の外人墓地にあるそうです。


    本自体について、ちょっと解説が少なくて物足りないので、☆は三つにします。
    ワーグマンよりビゴーの方が好きかな。

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