うるしの話 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003356715

作品紹介・あらすじ

日本固有のすぐれた技法と美しさで、世界に知られる漆芸。今日の化学塗料にも優る堅牢さをもつ漆は、古くから日本人の生活にとけこんできた。本書は漆聖とよばれた著者が、体験を織り交ぜながら語ったものである。

感想・レビュー・書評

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  • 何とも美しいうるしの話。素人でも興味さえあればぐんぐん引き込まれて一気に読めます。その理由は、歯切れ良く流れるような文章にあり、著者の美意識の高さが隅々にまで行き渡っているように感じられます。漆工芸品の鑑賞がますます楽しくなる一冊です。

  • 「漆聖」と言われた方。作品を何度も観た。もう言葉もないほどに素晴らしい。人間が創る宝石が漆器だと思っているが、その表面の漆黒の深みにハマる。
    漆についての温かみと熱情こもる解説。そして自身の修業と活動の軌跡。こういう方こそ「国宝」という名にふさわしい。

  • 漆芸の深い森の入り口をほんの少し紹介する程度に留めていますが、実践する人だけが語ることのできる内容はものすごく説得力があります。
    第二部の「漆とともに六十年」に書いてある自身の決して平坦ではない道のりをハングリーな姿勢で駆けぬけてきたことに感動。

  • 漆の教科書と言うべき充実した内容でした。

  • 746夜

  • まるで目の前で松田権六さんの特別授業か講義を受けているような感じで、親しみをもって楽しく読めた。

  • まだ読めてない。うるし工芸仲間のすすめも有るので、ぜひ読みたいです。

  •  タイトルのとおりです! 『うるしの話』、漆について語られています。
     英語で“japan”と言えば「漆」を指すほど、漆と日本とは関係が深いのです。近年、日本人より『源氏物語』や「歌舞伎」に詳しい欧米人なんかが取り上げられていますが「漆」を知らない日本人っていうのもどうなんですかねー? ゲヘヘ。

     本書は二部構成になっており「第一部」では「漆芸」全般の知識が体系立てられています。「第二部」は松田さんの漆半生が語られている的な。
     「新書版あとがき」にて北川さんも語っているのですが「漆」に関する書籍というと「名品図録」や専門的なものばかりで、素人が気軽に手を出すようなものは出ていません。実はひょんなことから「漆」について調べなきゃならなかったのですが、本書に行き着くまで僕も苦労しました。本書は「漆」の基礎から詳しいことまで書いてあり、読後は困らない程度には漆話ができるようになるでしょう。

     ちなみに、著者の松田さんは「漆聖」とも呼ばれ、人間国宝に指定された方。ことばの端々に威厳は感じられるし、いわゆる「職人気質」な雰囲気を漂わせています。当然、漆に対する情熱も強く、そういったこだわりの持ち方に感化されちゃうね。「『密陀絵』なんて呼び方はおかしい!」とか、定説に一石投じちゃったりしています。おそらく、誰にでもこだわりを持つ何かはあると思いますが、松田さんのこだわりの持ち方なんかも参考にしてみてください!


    【目次】
    第一部 漆と漆芸
        一 日本の漆芸の伝統
        二 漆-そのふしぎな樹液
        三 漆器の材料と塗り方
        四 蒔絵を語る-漆器の装飾(一)
        五 螺鈿・平文・彫漆-漆器の装飾(ニ)
        六 日本各地の漆芸
    第二部 漆とともに六十年
        一 私の修行時代
        ニ 楽浪漆器修理の経緯
        三 蒔絵万年筆の創始とその影響
        四 現代建築の漆芸装飾
        五 船内塗装の経験
        六 今日の漆芸
    新書版あとがき 北川桃雄
    解説 大場松魚

  • 漆と漆芸について、人間国宝である著者の六十余年の経験を惜しみなく語った貴重な記録であり、「うるし」への格好の入門書となっている。ときにかなり専門的な話にも踏み込んでいるのだが、すべてが著者の体験をふまえた記述となっているので、わかりやすく説得力がある。漆芸の長い歴史と多様な発展の姿を知るとともに、それを支えてきた職人たちの仕事ぶりが彷彿と蘇ってくるようだ。また、技論、修業論としても聞くべき話が多い。
    とにかく、この本は坂口謹一郎の『日本の酒』などとともに、日本人の教養の基本書だと思う。なればこそ、文庫本とはいえ、索引がないのはいかにも残念である。

  • 松田権六さんの漆芸はあでやかで美しくて惹かれます。

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