河鍋暁斎 (岩波文庫)

制作 : 山口 静一 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 79
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003356913

作品紹介・あらすじ

幕末明治期の天才画家河鍋暁斎。その群を抜いた画力に惹かれた弟子の中には、かの鹿鳴館の設計者コンドルがいた。「暁英」の画号を持つ愛弟子が、親しく接した師の姿と、文明開化の中で廃絶した日本画の技法を克明に記し、暁斎の名を海外にまで広めた貴重な記録。

感想・レビュー・書評

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  • 旅行に持っていくのに読むのにそれなりに時間かかりそうな本を選んでいて、行くつもりの展覧会の予習になるな、そういえば暁斎のことちゃんと読んだことなかったし、と思って図書館で借りた。展覧会は「画鬼暁斎 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」なので、コンドル著ということでますます予習にぴったり。読む前は正直退屈して途中で挫折するかもしれないとも思ったが、非常に読みやすかった。
    暁斎の略伝、技法、自らコレクションした暁斎作品の目録から成る。訳者による暁斎とコンドルについての年譜と「コンドルの日本研究」に関する小論を付す。
    技法の部分は、画材、画法、コンドルが弟子として直接目にした実作時の技術から多種ある署名と印章についての解説まで詳細で、暁斎個人というより日本画についての解説たりえている。なまじ日本人なので目慣れていて何気なく見ていた日本画が、これだけのプロセスを経てテクニックを駆使して描かれていたのか、と網を開かれる思いだった。展覧会鑑賞にも非常に役に立った。
    暁斎といえば戯画とか奇想とか思いがちだったが、狩野派を受け継ぐ正統派絵師としての側面がよくわかった。また、画風から想像してしまうような奇人ではなく、高度なプロフェッショナルであったこともよく描かれている。師弟が互いに尊敬し合い愛情を抱いていたこともよく伝わってくる。
    豊富な図版を掲載するが、文庫なので小さいのと口絵1枚以外は白黒なのが残念(原著は彩色図版を多数載せているようだ)。

  • 貴重な本。
    明治政府のお雇い外国人のひとりだったジョサイア・コンドルに興味を持ったきっかけは、2010年、丸の内にオープンした三菱一号館美術館だ。
    1894年に三菱が丸の内に建設した初の洋風事務所建築である「三菱一号館」を復元し、印象深い企画展をいくつも開催している美術館だ。
    その「三菱一号館」をはじめ、鹿鳴館や 古河虎之助邸、島津家袖ヶ崎邸などを設計したのがジョサイア・コンドル。
    辰野金吾らを育て上げ、河鍋暁斎に弟子入りして日本画を学び——興味本位で学んだのではなく褒賞を獲得するほどの腕前——日本人女性と結婚し、日本に骨を埋めたという。
    もともと画家志望で、日本の庭と生け花の著書まである。“一芸に秀でるもの多芸に通ず”を地でいってる人じゃん。暁斎ももちろん凄いけど、詳細な記録と深い理解を有するアンタが凄いわ!

    中盤の詳細な制作過程は、コンドル自身が言うようにやや眠気を誘う部分があるが、これほどまでに貴重な記録を残してくれたことに感謝したい。
    今度この本を持って河鍋暁斎記念美術館を訪ねてみようと思う。

  • 日本画の技法/理論書として読める。

  • 卒制の勉強に。
    細かく制作方法が書いてあるのは嬉しい。
    中身がカラーであればなおよし。

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