映画とは何か 下 (岩波文庫 青578-2)

  • 岩波書店 (2015年3月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784003357828

みんなの感想まとめ

映画の本質に迫るこの書籍は、特に1950年代のヌーベルバーグ前夜を中心に、さまざまな作品や監督についての具体的な論評を展開しています。デ・シーカのネオリアリズモや、ジャック・タチ、ロベール・ブレッソン...

感想・レビュー・書評

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  • 作品をいくつか例に挙げて具体的な解説を行なってるから上よりサクサク読める。ただ上の方が内容は濃い印象。

    訳者の野崎さんの文章も良かった。

    精読したい。

  • 「映画は他のすべての芸術にまさって、愛にふさわしい芸術であると私は思う」――今回は、前回紹介したアンドレ・バザン『映画とは何か』の下巻を紹介します。

     映画の本質を論じた考察が収められていた上巻に対して、下巻では主にアメリカの西部劇や映画におけるエロティシズム、そしてイタリアのネオレアリズモなど、具体的な事象が取り上げられています。そのなかでも、ネオレアリズモを擁護するいくつかの評論は、とりわけ興味深いものになっています。

     第二次世界大戦直後、社会的に混乱していたイタリアにおいて、リアリズムを志向し、現実を映しだそうとする一連の映画作品が生まれました。そうした潮流が、のちに「ネオレアリズモ」と呼ばれるものです。

     バザンは、このネオレアリズモ作品の美点を「現実への愛と拒絶」という言葉で特徴づけています。彼によれば、これらの映画は混乱した社会の現実を「ユーモアや風刺、詩情を込めて、暗に、あるいははっきりと拒否」するのですが、現実を糾弾しつつも「悪意をぶつける」ことはしません。だからこそ、私たちはイタリア映画を見たあとで、良い気分になり、また世の中の仕組みを平和的に変えていきたいと思わせられるのだとバザンは言います。

     そのようなネオレアリズモの代表作として本書でもっとも引き合いに出されるのが、デ・シーカの『自転車泥棒』です。バザンは本作が、現実の物事をあるがままに存在させ、「それぞれの固有性を尊重しながら愛情を注いている」がゆえに称賛に値すると言います。このような、あるがままの現実への愛情をもって、映画は私たちの心を動かすのだとバザンは考えているのでしょう。

     上巻と併せて、芸術や映画に関心のある方にぜひオススメしたい一冊です。
    (ラーニング・アドバイザー/哲学 KURIHARA)

    ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1632769

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/706728

  • (01)
    1950年前後,特にヌーベルバーグ前夜ともいえる50年代の論評群を中心に構成されている.
    『コンチキ』などの探検映画,ジャック・タチ,アルベール・ラモリス,ロベール・ブレッソン,演劇の題材を翻案した映画,マルセル・パニョル,オーソン・ウェルズ,ロジェ・レーナルト,ゴッホやピカソを扱った絵画映画,(超)西部劇のジョン・フォードからバッド・ベティカー,ロッセリーニやデ・シーカ(*02)そしてフェリーニーのイタリアのネオリアリズモといった具合に当時の新作を論じ,グリフィスの1910年代,エイゼンシュタインの20年代の過去の手法等の点検を行っている.
    隣接する芸術の分野として,小説,演劇,写真,絵画との関係を探り,新興芸術でもあった映画とその可能性を擁護している.映画分野については,サイレントとトーキー,俳優と非俳優,ドキュメンタリーとドラマ,象徴と現実,背景と運動,フレーム内とフレーム外,歴史と現在,モンタージュとパンといった対立項や共犯的な方法を巧みに扱いながら,「映画とは何か」についての,さしあたっての回答をさまざまに示してもいる.
    政治や社会,歴史へと溢れようとする映画の外延(外縁)における現象もとらえており,観客とカメラの関係にとどまらず,検閲という制度や夢という無意識にも言及し,映画という現象が人類の知のあり方に変容を迫っている事態をも告げている.

    (02)
    デ・シーカについては,『自転車泥棒』,『ミラノの奇蹟』,『ウンベルト・D』といったネオリアリズモの仕事について好意的に触れ,デ・シーカが振る舞った愛情と詩についての見解が注目される.また,エロティシズムについての一文も,公開されていた処刑の歴史にも触れながら,映画にある欲望の手触りについての表現を試みており,興味深い.また,背景的に配された自然がどのように演技と演出に参加してくるのかについても考察しており,映画が,俳優と俳優,俳優と作家,俳優と観客の関係を結ぶものでありつつ,その運動は,自然と社会を結びつけていたことも知る.
    当時のサルトルの思想の影響を読むことも可能であるが,ベルグソンについての言及もある.映画においては特に,持続という問題系が今後も製作と批評の鍵になるだろう.

  • 2015年8月新着

  • 難解とは感じつつも、上巻に比べるとイタリア映画を中心に、個別の作品や監督について批評している印象があって、読みやすくなった印象がある。単純な良し悪しではない映画批評を見た感じがして、そういった点が面白かった。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784003357828

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著者プロフィール

著者アンドレ・バザン(André Bazin)1918年4月18日生まれ。40年代半ばからシネクラブ活動と並行して、『ル・パリジャン・リベレ』、『レクラン・フランセ』、『エスプリ』等の紙誌に映画評・映画論を寄稿。48年にシネクラブ「オブジェクティフ49」を組織し、翌年「呪われた映画祭」の開催にも尽力する。51年に『カイエ・デュ・シネマ』を創刊し、後にヌーヴェル・ヴァーグを担うことになる若き批評家たちが集う。主要論考をまとめた『映画とは何か』全4巻の刊行を前にして、白血病により、58年11月11日歿。2017年末にフランスで全集の刊行が予定されている。

「2015年 『オーソン・ウェルズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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