ソクラテスの弁明・クリトン (岩波文庫)

著者 : プラトン
制作 : 久保 勉 
  • 岩波書店 (1964年発売)
3.59
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  • Amazon.co.jp ・本 (135ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003360118

作品紹介

自己の所信を力強く表明する法廷のソクラテスを描いた「ソクラテスの弁明」、不正な死刑の宣告を受けた後、国法を守って平静に死を迎えようとするソクラテスと、脱獄を勧める老友クリトンとの対話よりなる「クリトン」。ともにプラトン(前427‐347年)初期の作であるが、芸術的にも完璧に近い筆致をもって師ソクラテスの偉大な姿を我々に伝えている。

ソクラテスの弁明・クリトン (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 高校生の頃は純真が故に(笑)、信念を貫くことはかくも厳しいものなのだと思った。
    社会や世の中に擦れてしまった現在に読むと、不謹慎ながら喜劇と感じた。(笑)何度も笑いがこみ上げてしまった。すみません。
    要するに頑固クソジジイの戯言かもしれないのだ。彼が絶対的であって初めてこの論理が成立するはずだが、裁判では信念の中身の説明はなく率直に言って詭弁が多いようにも感じる。その根拠は神のお告げ?しかも、お前はバカだと説得すれば殴られても仕方がないのでは・・・。(笑)まあ、死刑は行き過ぎだと思うが。試しにこの「弁明」部分をそのままドラマにすると、ギャグドラマとして制作も可能だと思われる。有罪が決まった後の「あがき」にも・・・状態。
    全体としてかなり説話的あるいは神話的物語構成であり、ごたく!が多いのは弁舌の熱気を演出しているんでしょうか?
    続く「クリトン」も冷静に考えて自縄自縛な行為とも受け取れる。哲人には異論はないが、この状態に至る軌跡を鑑みて、本当に賢人か?と思ってしまう。(笑)
    大体、題名の命名が少しおかしくないだろうか?(笑)かつての怪獣映画流でいえば、「ソクラテス対クリトン」なのだが・・・。(笑)昔の書はこういうネーミングをするんですかね?僭越でした・・・。
    しかし、最後の解説を読むと再び厳粛な気持ちになった。(笑)よい解説ですね。まあ、これは神話なんだな。
    また、20年後くらいに読むとどんな感想になるか楽しみだ。
    ご本人はこのような形で後世に語り継がれるのだから、ある意味、幸せですね。

  •  昔読んだジョークをひとつ:
     ある晩、シェークスピアの芝居を観た英国婦人が、友人に感想を問われて答えた。「ちっとも面白くなかったわ」「どうして?」「どこかで聞いたようなセリフばかりだったから」

     言うまでもなく、“どこかで聞いたようなセリフ”のオリジナルがまさにシェークスピアであるわけだが、「古典」という言葉が単に古いだけでなく後世に大きな影響を与えたオリジナルという意味で使われるなら、この婦人の言葉はシェークスピアが真の古典である証だろう。

     さて『ソクラテスの弁明』だが、こちらはシェークスピアなど問題にならないくらい筋金入りの古典だ。読んでみると、そこでソクラテスが述べていることはあまりにもベタな理屈であると感じられる。ベタすぎて何のひねりもない。しかし、ひねりを加えるのは模倣者のすることであって、オリジナルにそんな工夫は不要なのだ。

     その傾向は、同じ本に収められている『クリトン』でさらに強く現れている。これは、死刑が確定して捕らわれているソクラテスに脱走を勧めに来た友人のクリトンを、法を破ってはいけないと諭すソクラテスの逆説得だ。その言葉のかなりの部分で、彼は自分に向けて問いかける法律の言葉を代弁している。その論理展開たるや、これぞ古典的と呼ぶにふさわしい。

     古典とは古い書物ではなく“オリジナル”なのだという事実を認識させられる一冊。

  • ソクラテスの堂々とした、高潔な態度が印象に残った。

    一番印象に残った箇所を書き留める。
    ソクラテスは死刑を宣告される。裁判のやり方は恣意的で、ソクラテスからすれば相手の主張も理不尽としか思えないものだ。当然、友人や弟子は憤り、復讐をうながしたり逃走を勧めたりする。それにも関わらず、ソクラテスは自分が間違っていると思う手段は決して取らない。裁判には負けても、それは世間が思うところの「負け」であり、自分の信念に反するよりはましだ、というのだ。

    この行動がなければ、ソクラテスは今日の名声を得ていなかっただろう。。。しかしこれほど偉大な哲学者でも、自分はなにも知らないと言い放つのだから、世界には偉大な人がたくさんいる。。。

  • 無知の知で知られるソクラテスを描いた書。
    対話方式で展開されるソクラテスと裁判官諸君とのやり取りなど、揚げ足取り?とも思えるやり取りなど、リズム良く楽しめる作品。
    本質は何かというソクラテスの知見は凄く考えさせられる所があり読んでよかったと思えた。
    これを機に他の哲学者も読もうと思う。
    http://profile.livedoor.com/book_dokushonikki/

  • いつも以上にほぼすべてソクラテスの語りで書かれている。死よりも善い行動を取る姿はまさに哲学者の鏡であり見習っていきたい所である。それは獄中会話クリトンでも色濃く書かれており、特に後半から最後にかけては必読だろう。今我々はどのようにこの考えを現世で実行していくか。残りの学生生活で一つの考えを出したい。

  • 哲学書は高校からいくつか読んできましたが、私の人生で最初に通読できた哲学書はこの岩波の『ソクラテスの弁明・クリトン』でした。最初に読んだ印象として、死を恐れず弁論でもって法廷で戦う堂々としたソクラテスの態度にただただ感動を覚えたことを今でも覚えています。

    今回、光文社古典新訳文庫の『ソクラテスの弁明』と比較がてら、久保勉訳の岩波版もさらっと読み直してみました。

    良い所としては、
    ・安い(納富訳が900円+税なのに対しこちらのほうが約400円安い)
    ・「クリトン」とセットでさらにお得(古典新訳のほうは、訳としては本当に「ソクラテスの弁明」しか載ってません)
    ・普及版としては圧倒的によく知られた伝統的な訳
    ・薄い

    ただ残念ながら、訳の言い回しは大変古めかしいです。読み易さで言えば納富訳に軍配があがると言わざるを得ません。解説の充実具合で言っても、納富訳は900円程度出しただけの価値はあります。

    岩波の青本(哲学・思想関連)は基本的に訳の質は高めなのですが如何せん言い回しが難しい。私自身通読出来たものは本当に少ないです。ただ、『ソクラテスの弁明』は高校生の私でも何とか読めました。岩波文庫で哲学書を読みたいなら、『方法序説』とセットでこの本はお勧めできます。

  • 古典哲学を読むに当り、「哲学の父」
    と称されるソクラテスから入ろうと
    思ったが、実は一冊も書物を残して
    いない。

    ならば、弟子プラトンが彼の思想を
    記した書籍を、との思いで手に
    取った一冊。

    本書は、物事の本質について、知って
    いるようで実は何も知らない点を自覚
    し、それを「〜とは何か?」と問う事
    で本質にアプローチする、有名な
    「無知の知」と「問答法」が記述され
    ている。

    「〜とは何か?」と問うことは、現在
    でも有効な哲学的発想であり、大変に
    興味深い。

    ソクラテスは、この問答法を当時の
    アテナの識者に繰り返し、又若者を
    間違った方向へ導き、腐敗させたと
    して危険視され、有力者に訴えられ
    た。本書は、裁判でアテナ市民に対
    し、弁明を行うシーンが描写されて
    いる。

    紀元前400年頃の出来事や考え方
    を現代において共有でき、古典の
    醍醐味を味わうことができる一冊。

  • プラトンの著作『ソクラテスの弁明(Ἀπολογία Σωκράτους)』と初期対話編『クリトン(Κρίτων)』の邦訳。プラトン初期の著作であるこの二作品はいずれも著名な「ソクラテス裁判」を描いたものであり、プラトンの師ソクラテスの「哲学者」としての姿や思想を如実に活写している。
    『ソクラテスの弁明』では裁判中に彼が行った弁明を描いている。流麗な文体で語られる本作は哲学書でありながら物語のように読み進める事が出来、ソクラテスとはどういう人物だったかという事が彼自身(正確には、それを物語として描いたプラトン)の言葉から読み取れる。
    一方の『クリトン』は獄中のソクラテスと彼の旧友クリトンの対話を描いたもので、「(ポリス)市民の義務とは何か」「国家(ポリス)が自分に不正を加えた時、市民はそれに不正で以って応ずる事は許されるのか」という事をテーマとしている。例え話を引いて示されるそのテーマへの答えには、ソクラテスの堅実な市民としての姿が窺える。
    二作品はそれぞれの注釈が付いており、また全体の解説も載せられている。各作品の文量もそれほど多くないため、(プラトンの哲学への志向を決定付けた出来事を描いたという点でも)初めてプラトンの著作に触れるのにはいいかもしれない。

  • 「無知の知」で有名なソクラテス。彼が裁判にかけられている場面を描いた「ソクラテスの弁明」

    対話形式になっているため比較的読みやすく、理解もしやすい例えで非のつけどころがない。

    ただ最初のページからいきなり始まるので面食らうかもしれないが・・・・・・

    死についても一般人と違う考えが垣間見えた。

  • ソクラテスにこのように言われると、国家の存在意義について納得。

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