ソクラテスの弁明・クリトン(プラトン) (岩波文庫)

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感想 : 233
  • Amazon.co.jp ・本 (135ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003360118

作品紹介・あらすじ

自己の所信を力強く表明する法廷のソクラテスを描いた「ソクラテスの弁明」、不正な死刑の宣告を受けた後、国法を守って平静に死を迎えようとするソクラテスと、脱獄を勧める老友クリトンとの対話よりなる「クリトン」。ともにプラトン(前427‐347年)初期の作であるが、芸術的にも完璧に近い筆致をもって師ソクラテスの偉大な姿を我々に伝えている。

感想・レビュー・書評

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  • 高校生の頃は純真が故に(笑)、信念を貫くことはかくも厳しいものなのだと思った。
    社会や世の中に擦れてしまった現在に読むと、不謹慎ながら喜劇と感じた。(笑)何度も笑いがこみ上げてしまった。すみません。
    要するに頑固クソジジイの戯言かもしれないのだ。彼が絶対的であって初めてこの論理が成立するはずだが、裁判では信念の中身の説明はなく率直に言って詭弁が多いようにも感じる。その根拠は神のお告げ?しかも、お前はバカだと説得すれば殴られても仕方がないのでは・・・。(笑)まあ、死刑は行き過ぎだと思うが。試しにこの「弁明」部分をそのままドラマにすると、ギャグドラマとして制作も可能だと思われる。有罪が決まった後の「あがき」にも・・・状態。
    全体としてかなり説話的あるいは神話的物語構成であり、ごたく!が多いのは弁舌の熱気を演出しているんでしょうか?
    続く「クリトン」も冷静に考えて自縄自縛な行為とも受け取れる。哲人には異論はないが、この状態に至る軌跡を鑑みて、本当に賢人か?と思ってしまう。(笑)
    大体、題名の命名が少しおかしくないだろうか?(笑)かつての怪獣映画流でいえば、「ソクラテス対クリトン」なのだが・・・。(笑)昔の書はこういうネーミングをするんですかね?僭越でした・・・。
    しかし、最後の解説を読むと再び厳粛な気持ちになった。(笑)よい解説ですね。まあ、これは神話なんだな。
    また、20年後くらいに読むとどんな感想になるか楽しみだ。
    ご本人はこのような形で後世に語り継がれるのだから、ある意味、幸せですね。

  • 哲学の祖ソクラテスの裁判での弁明を、弟子プラトンが創作した作品。自らの死刑宣告に対する弁論は、取り乱しているようにも思える。しかしそこには、ソクラテスの考える真実にもとづいて真実が語られている。「真理を探求する歩みこそ人間としての生きることである」という、哲学の原点を見れた気がする。私も、知を探求し続けていきたい。【印象的な言葉】死を恐れるということは、皆さん、知恵がないのにあると思い込むことに他ならない。それは、知らないことを知っている思うことなのですから。

  •  昔読んだジョークをひとつ:
     ある晩、シェークスピアの芝居を観た英国婦人が、友人に感想を問われて答えた。「ちっとも面白くなかったわ」「どうして?」「どこかで聞いたようなセリフばかりだったから」

     言うまでもなく、“どこかで聞いたようなセリフ”のオリジナルがまさにシェークスピアであるわけだが、「古典」という言葉が単に古いだけでなく後世に大きな影響を与えたオリジナルという意味で使われるなら、この婦人の言葉はシェークスピアが真の古典である証だろう。

     さて『ソクラテスの弁明』だが、こちらはシェークスピアなど問題にならないくらい筋金入りの古典だ。読んでみると、そこでソクラテスが述べていることはあまりにもベタな理屈であると感じられる。ベタすぎて何のひねりもない。しかし、ひねりを加えるのは模倣者のすることであって、オリジナルにそんな工夫は不要なのだ。

     その傾向は、同じ本に収められている『クリトン』でさらに強く現れている。これは、死刑が確定して捕らわれているソクラテスに脱走を勧めに来た友人のクリトンを、法を破ってはいけないと諭すソクラテスの逆説得だ。その言葉のかなりの部分で、彼は自分に向けて問いかける法律の言葉を代弁している。その論理展開たるや、これぞ古典的と呼ぶにふさわしい。

     古典とは古い書物ではなく“オリジナル”なのだという事実を認識させられる一冊。

  • ソクラテスの哲学について芸術的にも楽しめる文学として学ぶことが出来た。

    ソクラテスの哲学を自分の言葉で簡単にまとめてみる。

    ある物事について自分は知っていると思っていても、説明してみろと言われると案外上手く言葉に出来なかったり、知ったかぶりをしたりする人が多いと思う。そこでその物事に対する自分の無知を自覚して、より真理(完璧な理解)に近づこうとする意志を持つことが大切である。

    このような考えと他にもソクラテスの自分の信念を曲げることを死よりも重く捉え、最後まで貫き通す生き方にも感銘を受けた。

    最近哲学を学ぶことがすごく楽しい。自分ではたどり着けないような考えや視点を本を通じて獲得出来るからだ。社会人になるまでに様々な哲学に触れて何か自分の生き方の軸となるものを確立させて行けたらなと思う。

  • ソクラテスの弁明、読了。2週間前に読み終わっていたけど、なかなか咀嚼できず何度も読み返した。決してブレることなく信念を貫き通し、死をも怖れないソクラテス。彼の影響力や思想が既にプラトンやその他の民衆に根付いた、という確信があったのか。

  • ソクラテスの堂々とした、高潔な態度が印象に残った。

    一番印象に残った箇所を書き留める。
    ソクラテスは死刑を宣告される。裁判のやり方は恣意的で、ソクラテスからすれば相手の主張も理不尽としか思えないものだ。当然、友人や弟子は憤り、復讐をうながしたり逃走を勧めたりする。それにも関わらず、ソクラテスは自分が間違っていると思う手段は決して取らない。裁判には負けても、それは世間が思うところの「負け」であり、自分の信念に反するよりはましだ、というのだ。

    この行動がなければ、ソクラテスは今日の名声を得ていなかっただろう。。。しかしこれほど偉大な哲学者でも、自分はなにも知らないと言い放つのだから、世界には偉大な人がたくさんいる。。。

  • 古典は良い。なんでもありな世の中で、「善く生きる」ことを説きそのままに生きた言行一致の姿。
    短い割に読み終えるのに時間がかかった。解説と、出口治明氏の哲学入門を引いてようやく理解できたところが大きい。それでも読む価値あり。

  • 自分みたいにふざけた人間には、盛大な前振りが効いたコントのようで笑っちゃった。
    この後、ソクラテスは有罪になった
    この後、ソクラテスは死刑になった
    的な注釈読んだとき、声出して笑った

    いや、ちゃんと教養としてはためになりましたよ

  • 分量も少ないし、事前に知識も仕入れていたからかなり読みやすかった。特に『クリトン』は対話形式というのもあり、小説を読んでる感覚。

  • 段階立てて論理を展開していく様子が非常に気持ちよく、一気に読み進めてしまった。また、自分が正しいと信じることを命より重んじ、最期まで信念を貫き通すソクラテスの姿はかっこよかった。
    文体は回りくどいように見えて、意外とスラスラ読めるのが不思議だった。文書としての美しさを感じた。

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著者プロフィール

山口大学教授
1961年 大阪府生まれ
1991年 京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学
2010年 山口大学講師、助教授を経て現職

主な著訳書
『イリソスのほとり──藤澤令夫先生献呈論文集』(共著、世界思想社)
マーク・L・マックフェラン『ソクラテスの宗教』(共訳、法政大学出版局)
アルビノス他『プラトン哲学入門』(共訳、京都大学学術出版会)

「2018年 『パイドロス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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