国家〈上〉 (岩波文庫)

著者 :
制作 : 藤沢 令夫 
  • 岩波書店
3.70
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本棚登録 : 1332
レビュー : 66
  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003360170

作品紹介・あらすじ

ソクラテスは国家の名において処刑された。それを契機としてプラトン(前427‐前347)は、師が説きつづけた正義の徳の実現には人間の魂の在り方だけではなく国家そのものを原理的に問わねばならぬと考えるに至る。この課題の追求の末に提示されるのが、本書の中心テーゼをなす哲人統治の思想に他ならなかった。プラトン対話篇中の最高峰。

感想・レビュー・書評

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  • 【政治学の参考文献】
    古代ギリシャの哲学者・プラトン(前427~前347)の代表作。
    理想国家について論及した世界最古の政治学の書と呼ばれるもので、後の西洋哲学に絶大な影響を与えたらしい。
    真の政治は哲学(学問)に裏付けられていなければならず、政治的権力と哲学的精神とが一体化され、多くの人々の素質がこの二つのどちらかの方向へ別々に進むのを強制的に禁止しない限り、国々にとって人類にとって不幸の止む時はないという。

  • 読了。
    5巻まで。プラトンで手に取るべき本を誤った気がしないではない。ソクラテスの態度については、なるべく若いうちにこのひとを知り、そこから学ぶべきだろうと感じられた。読み進めるほどに、ゲーム(国家制作シュミレーションゲーム)プランニングという印象が強まった。理想国家像は、ひとつひとつ理詰めされ進行していくほどに狂気の国家のようにわたしには感じられたが、それはわたしが現代民主主義の狂気のなかにいるせいなのか、判別できなかった。多分に、狂気なき現世政治など可能でないのだろう。ソクラステは最低の政治形態に僭主制を挙げたが、わたしには村上龍の愛と幻想のファシズムなどはもっとも正常に感じられた覚えがある。

  • ソクラテスみたいな人と仕事したいと思わせるような内容です。比喩を多く用いて説明しているので分かりやすいです。タイトルは国家ですが、上巻は国家論を展開するための準備段階といった感じです。

  • ソクラテスの口を借りてプラトンが主張していることは、結局のところ「神の視点」から脱しきれていないように感じる。

    善い人間と悪い人間を判断することについて、本書の中でソクラテスは
    「しかし人々はその点についてよく判断を誤り、実際には善い人間でないのにそう思ったり、あるいはその反対だったりすることが、しばしばあるのではないか?」(p41)
    と言っている。それなのに、知を愛する真の支配者・哲学者は決して判断を誤らない、とでも言いたげな後半の主張は矛盾している。

    各人が分をわきまえて任に就く(適性に応じて働く)とか、支配者となるべき人物を支配者に据える、などというような考え方も示されているが、支配者に適している人物を判断し決定し教育するのは誰なのか?その判断を正しく下せるのは「神」に他ならないのではないか……?

    ともあれ、大昔のギリシア人たちの会話(=プラトンの思考過程)を眺めるのはおもしろい。

    思っていたより訳文が平易なのも驚いた。教科書などのプラトン解説よりもずっとわかりやすい。

  • 古代哲学の重要人物であるプラトンの対話編の一つ。対話を通して“正義”について明らかにしようとする著作であり、プラトンの重要な概念(イデア)に関しても語られている。この著作では、プラトンは、人間が正義を実現する状況を分析するために、比喩として巨視的な対象として社会(国家)における正義の実現を分析する。この著作は哲学の古典であり、また対話篇の形をとっていることからも読みやすく、初めて哲学の議論に触れるには良いと思います。

  • 大学生のうちに基盤固めを!と思い手に取った『国家』
    10代のうちに読んでおきたかったのでまあまず半分読了できたことに安堵です。
    文章自体は思っていたほど硬くはなくて、けれども対話のひとつひとつを咀嚼しながら読むのはなかなか時間が掛かりました。
    すぐ疲れてしまうし(笑)
    でも先人たちの知恵を少しでも身につけていけたら、と思うので(下)巻も頑張ります。
    ソクラテスの言う国家とは、みんながなにも持ってなくて、つまり全て国家の物、社会主義国家が理想とされているのかな、とおもってしまいますが、もっと勉強すればそうではないのかもしれません。

    いかんせん無学のため、すべてを理解できた自信はさらさらありませんが、もっともっと勉強をしていく中で読み返したり、思い出したりしたい、自分にとって大事な一冊になりました。
    正義とは何か、問い続けていきたいと思います。

  • 積ん読していたものに手を出しました。。。
    詳細は下巻に。

  • 「お金の所有が最大の価値をもつのは、ほかならぬこのことに対してであると考える。……たとえ不本意ながらにせよ誰かを欺いたり嘘を言ったりしないとか、また、神に対してお供えすべきものをしないままで、あるいは人に対して金を借りたままで、びくびくしながらあの世へ去るといったことにないようにすること、このことのためにお金の所有は大いに役立つのである。」(26頁)


    個人と国家の共通項を探し、一方を他方に当てはめている。
    演繹のし過ぎ、というのは現代的な感覚だろうか。

    優れた国家に必要な三つの徳…知恵、勇気、節制。
    勇気と知恵は、国家のある特定の部分に存在するが、節制は国家の全体にいきわたっていて、支配関係について支配者と被支配者との間で合意されている状態(293頁~)。

    上記3つの徳に匹敵するのが正義。
    正義とは、自分が自分の仕事だけを果たすこと。

    国家のためという観点から、男女の平等を肯定する(357頁~)。

    望ましい国制を移行するためには、哲学者が王になって統治するという変革が必要である(404頁~)。

  • 新書文庫

  • 国家(上)
    著者:プラトン

    漫談のようにテンポよく会話が繰り広げられる。
    予定調和な感覚は否めないが、それが読みやすく分かりやすくしている要因のように思える。

    分かりやすい反面さらっとすすめてしまえるが、批判的に読めば「穴」が多いようにも思える。


    例えば、守護者について考察する上で「犬」を比較して用いる場面がある。

    ここで知を愛するというフレーズが出るが、ここから守護者についても知を愛し学びを愛する人間こそが必要だと論じているが、いささk話しを飛躍させている印象を受け素直に同意し難かった。

    また、善いものは他からの影響によって変容する度合いが最も少ないという表現も「何故?」と言わざるを得ない。

    善いからこそ、悪いものへのふり幅も大きいのではなにのかぁとか。


    それでも一つ一つ丁寧に考察していき、論理を組み立てていくプロセスは勉強になりました。
    http://blog.livedoor.jp/book_dokushonikki/

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プロフィール

前427-347年。古代ギリシアの哲学者。代表作に『ソクラテスの弁明』、『クリトン』、『ラケス』、『饗宴』、『国家』など。

「2017年 『リュシス 恋がたき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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