法律 下 (岩波文庫 青 602-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (568ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003360217

作品紹介・あらすじ

「女性に対しても男性に対するのとまったく同じことが要求され、同じ訓練をうけるべきだとされるでしょう」-。本巻では、子どもの養育と教育、経済生活全般、各種の犯罪と刑罰など、「新しく建設される国家」の様々な法律が論じられる。中でも不敬罪を主題とした第10巻はプラトンの「神学論」として著名。

感想・レビュー・書評

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  • 読むのつらかった。
    実務的に書いてることから、
    『国家』との違いが強調されがちだけれども、
    「善く生きるためには?」というモチーフが
    初期から中期をつらぬいて最晩年の『法律』まで届いていることがわかり納得。

    ここの実務的なものは、
    初期『プロタゴラス』において、
    プロタゴラスが語っていた徳の教授可能性の神話とどこまで重なるものかなと思ってみるところなり。

  • 下巻は教育・祭儀・傷害や詐欺の刑罰・商取引・相続などなど細かな法律の話が中心。そのすべてが「この国の国民が善き人間となり、人間たるにふさわしい徳をもつようになること」を目指しており、国民はそんな国のために私有財産もあまり持たず、徳のある性格と思想を持ち、「善良」な生活を送ることが求められている。哲人の独裁政治を諦めたのかと思ったら、どうも哲学者の人々の共和制で自分が定めた法律を守り続けることをイメージしているらしいからまだ哲人政治自体は諦めてないのかもしれない。
    神の存在証明があるということで楽しみにしていたんだけど、なんか想像していたのと違った。はじめは神を信じない若者に対する説教のような感じで、世界構築の理論も最初から神の存在が前提にされていてあまり証明という感じではなかったように思う。
    全体的に「国家」のほうが生き生きしていて面白かったなあ。内容の食い違いやただ法律の羅列になっているところがある点から、まだ執筆・推敲中の原稿だろうという推測がなされていると解説に書かれていたが、それを差し引いてもやはり「国家」に溢れているプラトン自身のわくわく感はない。シラクサの政治介入の失敗やアカデメイアの経営が、より現実的な方向の法律の調整に紙幅を割くようにしたのかもしれない。仕方のないことだけどちょっとかなしい。

  • 1260円購入2011-01-25

  • 国家に続く長編。
    国家の漠然とした理想を具体的な理想に書き換えた一冊。

  • 神の証明について、など。

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著者プロフィール

山口大学教授
1961年 大阪府生まれ
1991年 京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学
2010年 山口大学講師、助教授を経て現職

主な著訳書
『イリソスのほとり──藤澤令夫先生献呈論文集』(共著、世界思想社)
マーク・L・マックフェラン『ソクラテスの宗教』(共訳、法政大学出版局)
アルビノス他『プラトン哲学入門』(共訳、京都大学学術出版会)

「2018年 『パイドロス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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