- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003360415
感想・レビュー・書評
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今年前半、プラトンを1冊、ギリシア悲劇を1冊と読んできたので、よっしゃ次はアリストテレスだ!
というわけで手に取ったのがこちら、『二コマコス倫理学』。
さて、はりきって読み始めてみたものの。
ううーーん、これ、難しい(泣)。
書かれている内容が難しい、というのではなく、もはや目で文字を追っても、脳が意味をとらえられなくて、ただただ文字が流れていくか、そのうち注意力を失って気がつくと眠りに落ちているかのどちらか。
うん。これは、あれだな。
自分がその本を読むための前提となる土台を有していないにもかかわらず、読んでしまった時におこる現象だなあ。
いきなり原著から読まないで、入門書か解説書にすれば良かったかなあ、と少し後悔しましたが、せっかく買ったので、わからないことを気にせず、割り切って読むことにしました。
こういう場合の私の割り切り方とは、文章を理解しようとせず、ただただ文字を一定のスピードで、あまりじっくり読むと眠くなるので早めに、淡々と流していきます。
そして、たまーに「お、なんか面白いかも?」と思う一文に出会ったら、素直に喜ぶ(笑)。
川底から砂金を見つけたかのように、その一文をゆっくり眺めて味わいます(砂金、探したことないけど)。
そんなこんなで、なんとか辿り着いた上巻のラスト。
この調子で、爽やかに、下巻に進みたいと思いまーす(汗)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
無謀ではなく、臆病でもなく、勇気をもて。
虚栄ではなく、卑屈でもなく、プライドをもて。
鈍感ではなく、神経質でもなく、おおらかであれ。
友人は第二の自己である。
革命は些細なことではない。しかし些細なことから起こる。 -
読み始めて慣れるまでは、やたらとややこしい…
ああだこうだと分類されてなかなか頭に入ってこなかった。だがもう兎に角のところ読めばいいやって通読を心掛けたらなんとか読めた。
古典的哲学書だと思ってたから敬遠してたけど、意外にも実用書ぽくってなんだか得した感じ…(^^ゞ -
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現代人から見ても決して常識はずれではない、高度に洗練された幸福論です。2300年以上前に書かれたとはとても思えない。しっかりと読むコツは、独特の諸用語が持つ意味を、特に用語と用語の関係性に注意して、訳注を参考に着実に捉えていくことだと思います。たとえば「情態」と「性状」という2つの語は、日本語的には似ていますが、原語においてはむしろ対になる概念ですので、注意が必要です。
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第六巻に関してはあまり理解できていない
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ウェルビーイングを考えるならばまずこの本を読むべきだろうなあ。まずこのひと言。噛めば噛むほど良さが出てくる本だと痛感した。
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上巻、下巻すべて読み終わった後の感想を書きます。下巻の最後に解説があり、それを最初に読んでから本書を読み進めるとよかったかなと思いました。「二コマコス倫理学」という日本語タイトルについての注意点や(正確に言えば倫理学について語っている本ではないよという指摘)、また本書の重要概念である「エウダイモニア」についても、本書内では幸福という訳語が充てられていますが、むしろウェルビーイングというほうが近い、というような注釈がなされていました。
特に後者が大事かなと思うのですが、アリストテレスが「幸福」について語っていると思ってしまうと違和感を持つ個所が多々ありました。明らかに日本人の幸福感とは異なる価値観が展開されているからですが、「エウダイモニア」の概念をウェルビーイングだとして本書を読めば、かなり腹落ちすると思います。人間は知的卓越性だけでなく倫理的な卓越性を持たなければならない。そして倫理的な卓越性は日々の行動、実践によって培われていくこと、さらに何においても中庸こそがもっともすぐれたことなどが議論されています。そこで必要になるのは知慮(フロネシス)ですが、知慮は普遍的なものというよりは、場所や時期によってそのコンテクストを変えていく変幻自在の知であります。知的・倫理的卓越性にもとづいた日々の活動が最高の善、すなわちエウダイモニアにつながっていくということになります。2300年前の文書が現代においてもこれだけ読まれていることに驚愕すると同時に、その書かれている内容の普遍性についても驚愕を禁じえませんでした。 -
2500年前に書かれたアリストテレスによる幸福論。「幸福(エウダイモニア)」「徳(アレテー)」「愛(フィリア)」などについて述べられており、現代においても有益な示唆を与えてくれる。
ただし、古典らしく非常に婉曲的かつ冗長で読みにくい。頭から文を追うと全く内容が入ってこないので、キーワードを拾っていく形で一応通読できた。
「徳」とは非自発的な状態であり、「中庸」を目指すことで達成される。「徳」とは情念でもなく能力でもない、「状態」である。と理解した。