ニコマコス倫理学〈上〉 (岩波文庫)

制作 : 高田 三郎 
  • 岩波書店
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レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003360415

作品紹介・あらすじ

古代ギリシアにおいて初めて倫理学を確立した名著。万人が人生の究極の目的として求めるものは「幸福」即ち「よく生きること」であると規定し、このあいまいな概念を精緻な分析で闡明する。これは当時の都市国家市民を対象に述べられたものであるが、ルネサンス以後、西洋の思想、学問、人間形成に重大な影響を及ぼした。

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めて慣れるまでは、やたらとややこしい…
    ああだこうだと分類されてなかなか頭に入ってこなかった。だがもう兎に角のところ読めばいいやって通読を心掛けたらなんとか読めた。
    古典的哲学書だと思ってたから敬遠してたけど、意外にも実用書ぽくってなんだか得した感じ…(^^ゞ

  • 特に後半は理解できなかった。
    新しい訳を読むべきか…。


    1巻:
    最高善は幸福である。
    あるいは,人間の魂(プシュケー)の活動における究極的な卓越性である。
    この魂の活動は,「ことわり」を伴うものである。
    幸福な人とは,究極的な卓越性に即して活動している人,そして外的な善に充分恵まれている人である。

    最高善は政治の目的でもある。

    「富は何かのために役立つもの、それ以外のもののために存するものでしかない。」(23頁)
    「人間というものの善とは、人間の卓越性(アレテー)に即しての、またもしその卓越性が幾つかあるときは最も善き最も究極的な卓越性に即しての魂の活動である」(33頁)

    2巻:
    卓越性には,知性的卓越性と倫理的卓越性(徳)とがある。
    倫理的卓越性は習慣づけ(エトス)によって完成する。
    倫理的卓越性は,快楽と苦痛について最善な仕方で行為しうるような状態(ヘクシス)であり,悪徳はその反対の状態である(62頁)。情念や能力ではない(68頁)。
    卓越性とは,そのよき状態を完成し,その機能をよく展開せしめる状態である(68頁)。
    卓越性は,超過や不足を避け,中(メソン),あるいは中庸(メソテース)を目指すべきである(70頁)。

    「年少のときから或る仕方に習慣づけられるか、あるいは他の仕方に習慣づけられるかということとの差異は、僅少ではなくして絶大であり、むしろそれがすべてである。」(58頁)

    3巻:
    それぞれの徳に関する各論。
    勇敢,節制

    「「選択」ということは、われわれの力の範囲内に属することがらについての思量的な欲求であるといわなくてわならぬ。」(98頁)

    4巻:
    各論の続き。寛厚,豪華,矜持,穏和

    「恥辱の生ずるごとき行為をそもそもなすべきではないと思われるからである。すなわち羞恥は、あしき行為について生ずるものである以上、よきひとに属するものとはいえない。」(168頁)

    5巻:
    正義、「宜しさ」について。

    「正義がしばしば徳のうちの最もすぐれたものと考えられ……完全な徳にほかならない」「それがことさらに完全であるというのは、これを所有するところのひとは徳を他に対してもはたらかせることのできるひとであって、単に自分自身だけにとどまらないというところに基づいている。」(173頁)

    6巻:
    学,技術,知慮(実践的なもの),智慧,直知について

  • 我が家にあったが、活字が小さくてとても読むことができず、棚に戻した。

  • 「二コマコス倫理学(上)」Aristotle

    人は自分の知っている事柄については優れた判断をする事ができる。全てにわたって教育のある人は、無条件的な仕方においてのよき判断者である。

    善には、外的な善、身体に関する善、魂に関する善の三つがあるが、魂に関する善が最も優れた善である。

    幸福の為に決定的な力を持つのは卓越性(アレテー)に即する活動に他ならない。

    幸福はあらゆる意味において究極の目的でなければならない。

    アレテーには知性的、倫理的の二通りがあり、前者は教示に負うものであるから経験と歳月を要し、後者は習慣づけに基づく。

    節制も勇敢も過超と不足によって失われ、中庸によって保たれる。

    然るべき時に然るべき事柄について、然るべき人に対して、然るべき目的の為に然るべき仕方においてそれを感ずる事が、「中」的にして最善であり、徳である。

    全ての活動(エネルゲイア)の目的は、その活動をせしめる時の状態(ヘクシス)の目的とするところと同じ性質である。

    豪華な人は識者、達人のようなもの。ふさわしいところを観てとり、壮大な出費を調子の取れた仕方で果たす。

    技術(テクネー)は好運(チュケー)を愛し、好運(チュケー)は技術(テクネー)を愛する。

  • 三葛館一般 131.4||AR

    本書はアリストテレスの著作を彼の息子であるニコマコスが編集したものになります。
    上下巻で構成されていますが、上巻では最高善や幸福・倫理的な卓越性について、下巻では抑制と無抑制や愛についてなどが書かれています。
    本書全体で表現されているのは最高善=幸福であり、それは「いかに良く生きるか」ということと、徳や正義といった活動も中庸(不足・超過することなくちょうどよい状態)が良いと説いています。
    内容は難解ですが、現在でも読み継がれる古典中の古典倫理学の名著となっています。
                                  (うめ)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=33894

  • 現代人から見ても決して常識はずれではない、高度に洗練された幸福論です。2300年以上前に書かれたとはとても思えない。しっかりと読むコツは、独特の諸用語が持つ意味を、特に用語と用語の関係性に注意して、訳注を参考に着実に捉えていくことだと思います。たとえば「情態」と「性状」という2つの語は、日本語的には似ていますが、原語においてはむしろ対になる概念ですので、注意が必要です。

  • 「ー」

    即時的に善きもの、善きもののゆえに善くあるところのもの
    子供も幸福ではない
    中庸は状態
    法律の問題は本性が原因

    ずっとニコマラス倫理だと思っていました。

  • アリストテレスって幸福を生きる基準においたんだ。
    徳をつむ事など、まったく東洋の思想と同じじゃないか。ビックリ。

  • 出口治明著『ビジネスに効く最強の「読書」』で紹介

    人類史上最大の知識人アリストテレスが、幸福について深く論考を重ねた一冊。

  • 医療における善と、統帥における善とは異なり、その他の領域にあってもこれと同様である。(中略)あらゆる働きや選択においての目的であるところのものがそれである。(p.35)

    それぞれ各人の「状態」の異なるに応じて、それに独自の姿で現れるところのうるわしきもの・快適なものがあるわけであり、すぐれた人間とは、おもうに、各方面のことがらにおいて真を観取することに最も卓越的であるごときひとだといえよう。彼はいわば基準であり尺度なのである。(p.127)

    知慮は実践的なものゆえ、したがってそれの一般的な面と、個別的な面とが、ともに必要であり、あるいはむしろ、その個別的な面のほうが多く必要でもあろう。ここでも、しかしながら、何らか高度の棟梁的な立場に立つ認識は、やはり存在していなくてはならぬ。(p.300)

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