弁論術 (岩波文庫)

  • 岩波書店 (1992年3月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (528ページ) / ISBN・EAN: 9784003360484

みんなの感想まとめ

人を説得するための技術を体系的にまとめた本書は、古代ギリシャの知恵が現代でも通用することを示しています。弁論術は、話し手の人柄や聞き手の感情、内容の正しさといった三大要素を通じて、効果的に心を動かすた...

感想・レビュー・書評

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  • youtubeにて 本書未読
    弁論術の成功の原因を観察し,方法化することによって技術として成立させ得ると主張する

    第1巻 弁論術についての概論、三種の弁論それぞれについての論点の整理
    第2巻 感情、人柄、言論
    説得推論それぞれの観点からの考察
    第3巻 リズム、文体、構成など表現方法

    2巻の内容
    ○伝える力を決定づける三大要素
    ・話し手の人柄、信頼してもらう→共感や価値観など
    ・聞き手の人柄の気分、人間心理を利用する→怒り(怒りを植え付ける)、恐れ(悲劇)、憐れみ(不幸話)を強調
    ・話の内容の正しさ→根拠があってそれを主張する


    今でも十分通じるノウハウ
    逆に、大量にあるビジネス本やノウハウ本は、紀元前の学者らが説いていることが多い
    人間の本質は変わっていない

  • とても読むのに苦労しました。。。
    弁論術が人生の成功の鍵を握っていたギリシャ時代に書かれたノウハウ本ですが、弁論術は、現代においても、とても必要なスキルだと思いました。
    ただ、今の私には難し過ぎました(汗)
    ぜひぜひチャレンジして、読んでみてください。

  • 哲学というより現代にも通じる自己啓発のような内容。

  • 弁論術を否定するのではなく技術として捉え、体系的にまとめられた古典。
    プラトンが否定した弁論術とアリストテレスが展開する弁論術とは一致しない。

    説得を主眼におき、「人の心」が詳細に類型化されている。
    富や血統といった気質的なもの、
    怒りや穏やかさ、妬みといった感情。
    そしてその心を動かすためのテクニックとしての弁論術。
    比喩や譬えを巧みに織り交ぜること、冗談やまじめさの適用。

    2500年経った今でも「言葉をどのように扱い説得するか」という本質が色褪せないことに驚く。
    高度に情報化されデータドリブンな意思決定が可能になった現代であっても、個人の認知フレームには偏りがある。
    それ故、データをそのまま提示したところで受け取り方は十人十色、意見をまとめあげ説得していくにはやはり弁論術のようなものが有効だろう。
    人間の本質はそう簡単に変わらないということか。

  • 情報量が多い。
    ただ有益な情報は多い。
    政治家や営業職など、人を説得する職の人は時間をかけて理解する価値があると感じる。

    以下、ためになったポイント。

    感情は問題の解決になんら関係が無い。

    弁論術の仕事は説得を成し遂げることではなく、それぞれの問題にふさわしい説得(証拠立て)方法を見つけ出すこと。
    この点は他のどの技術でも同じ。例えば医術は患者を完全に治すことではなく、回復可能なところまで導くことにある。

    説得(証拠立て)の3種
    ①論者の人柄(最も強力)
    ②聞き手の感情(同情や共感)
    ③言論そのもの

    説得推論
    問題特有の論点を知る。

    声による演技が弁論の大きな効果をあげる。
    大きさ、高低、リズム

  • ずっと読みたいと思っていた!古典は読むこと自体が目的になってくる。中身に古さは出ない領域。

  • 2022/3/22
    ・民主政ギリシャ下で、裁判での告発と弁護、議会での勧告、演説を効果的に行うために弁論術が発達した。欧米人のディベート好きの下地と思われる
    ・人が説得されるのは信頼に足る人柄エトス、聞き手の感情パトス、論理ロゴスの3つによる。信頼されるには思慮深さ、誠実さ(品性)、味方であること(好意)の3つが必要。感情は特に裁判での意思決定と行動させるために必要、特に距離が遠く行動が見込めないことをさせるためには必要
    ・民主政を籤によって支配職を分け合う国制としている点が興味深い。選挙による参加はやはり間接的過ぎて、一般市民が司法、行政、立法に直接的に関わる、ただし一度に全員は無理だから籤で輪番でするのが原始的な民主政。ギリシャとその後継の都市国家では祭司職含め行政職を籤によって一定任期で務めていった
    ・弁証術のロジック以外に表現方法にも言及し、修辞学レトリックの嚆矢となった
    ・ファクトベースでなく、蓋然性、状況証拠をもとにした弁論術である点が、実用的でなく現在には通用しない点。

  • [要約]

    本書は、アリストテレス(前384-前322)による成功する弁論術の方法論を著したものである。
    アリストテレスは、弁論術を「どんな場合でもそのそれぞれについて可能な説得の方法を見つけ出す能力」と定義し、「その成功の要因をつぶさに観察し方法化することで、<技術>にすることができる」と論じた。
    彼の主張は後世の弁論術や大学の自由七科の一つである修辞学の発展に多大な影響を与えた。

    (※書籍の要約を一部引用。)

  • 世界的な古典的必読書にもかからず未読だったため読んでみた。

    2500年前の本なので読み難さはある。論述内容が現代では独断的で陳腐化しているものもある。しかし「弁論術」という観点から言葉や行動を一つひとつ定義し分類し推敲し結論付する一連の作業は西洋学問の基礎となったことが読みながら感じ取れる。「客観的かつ論理的に考える」とはアリストテレスが確立した概念といえよう。

    実用としてではなく教養として、そして知の再発見として12世紀にイスラム社会から西洋社会へ逆輸入された興奮を(浅くだが)疑似体験しながら読むことが出来た気がする。

  • アリストテレスは、弁論術を「どんな場合でもそのそれぞれについて可能な説得の方法を見つけ出す能力」と定義しており、本書では聴き手を如何にして説得するかを体系立てて解説された書籍である。本書は、説得の三種(3手段)とされる①人柄にかかっている説得、②聴き手の心が或る状態に置かれてること(感情)によるもの、③言論そのものを説明した3巻構成となっている。換言すると、弁論家は、①言論に着目して、それが証明を与え、納得のゆくものとなるように配慮するだけではなく、②自分自身を或る人柄の人物と見えるように、そして同時に、③判定者にも或る種の感情を抱かせるように仕上げをしなければならないとする主張に対し体系的な解説がなされている。全ての内容において理解に不足する箇所が多々あるが、特に第3巻で解説された説得手段、表現方法、そして弁論の配列についてはビジネスに直結する箇所として共感したと同時に、紀元前300年超の時代に語られたことが現代においても語り継がれており、実際にビジネス等の世界でも実用されている点に感銘を受けた。繰り返しになるが、以下の解説を引用して結びたい。「判定者たちはすべて、自分自身がなんらかの感情を抱くことによって、或いは、論者を或る人柄の人物と受け取ることによって、或いは、弁論による証明が与えられることによって、説得されるのである。」

  • 2000前も2000年後の現在もコミュニケーションとしての弁論術は必要と教えてくれる良書である。
    現代の書店やメディアにおいても、アリストテレスの弁論術の影響を受けているといえよう。だが、弁論術自体はただのコミュニケーションの一つの基礎であり、そこに正義も悪もない。ただ、その理論を悪用する人は多い。それは、2000年前から変わらない。二枚舌という言葉がある通り、さもそれが正しいと偽る弁論家が現代にもメディアでも露出し私たちの目や耳に入ってくることを忘れてはならない。
    弁論術の知識と実戦経験を有していれば、様々な情報や人を会う際に活かされることは間違いないだろう。常に情報を疑い真偽を調べ自分の頭で考え思索し、自分の責任を持って発言し行動しなければ、せっかくの弁論術も持ち腐れだ。
    私たちができることは、情報という人が発信している価値観を知り、私やあなたという価値観と重ねて共通点があるか、その発言は誰に向けての言葉なのかを、吟味し修正しながら弁論術を活用していくことが一つの手段であるといえるだろう。

  • まず著作の構成、切り口・説明論点が徹底してMECEで描かれている点に感銘を受ける。また総じて3つにカテゴライズしてテーマや切り口を分析して見せているのも「ビジネスコンサル」的な見せ方で、これもまた現代によく馴染むのではないだろうか。

    また、自国の財源をケースに挙げた説明では他国を状況についての論点を入れよなどとあり、これは分析には比較対象及び参照点を入れなければ物が言えないという話に通じるし、鉤鼻と鷲鼻を例に出しつつ程良い形の鼻に言及してみせる部分などは、両極端なシナリオを描いて考察せよという話に通じる。単なる弁論の話にとどまらず、(経営)戦略論にも援用できる内容となっている。

    内容は非常にわかりやすく、読んでいて頭の中で再整理をする必要がほとんどない。また、話し手や聞き手のインセンティブに焦点を当てた書き方になっているため、古代ギリシア時代に書かれたものでありながら、21世紀の現代においても完全に通用する普遍性を持っている。まさに技法、テクネーとして実践的な体系が記された名著です。

  • 人を説得する技術を弁論術とし、解説したのがこの本。そしてその始めから、弁論術は2つに分けられる、これこれとこれこれである(以下長い解説)、これこれは3つに分けられる…と延々と分類と解説が続いていく。主題にあまり興味が無いせいか正直退屈に感じるのだが、これがアリストテレスのやり方なのだろうから慣れなくてはいけない。
    弁論術が使われる場面は議会などで使う審議的なもの、法廷用のもの、演説的なものの3つに分けられるとのことで、聴衆を意識した「技術」が多かった。聴衆は長い話を理解できないとか、無教養とか、感情で判定を変えるとか、演出に弱いとか、けっこう悪しざまに書いてあって笑う。

    後半に行くにつれ声色の使い方や話の進め方、相手をやり込める方法などテクニカルな部分の解説が多くなる。難しい言葉は1、2個混ぜる程度にしておけと忠告していたり、現代でも参考になる話がたくさんあるなあと思った。2000年以上の時が過ぎても、人間の脳の言語処理能力自体は進化していないのだろう。
    弁論術は正しい結論を導くものではなく、説得によって正しい論でも正しくない論でも通せるようにするためのものである。プラトンと違ってアリストテレスはそのことに積極的な意義を見いだし、武器としての使い方を徹底して解説しているのだ。科学技術が発展しようと人間の脳は古代のままで、アリストテレスの磨いた武器が現代でもいまだ使えるというのは面白いと思った。

  • 雑多な言葉が溢れる現代にこそ読むべきギリシャの古典的名著。
    言葉を扱うには技術力を要する。それが政治家、言論家、文筆家など、言語を自らのプレイグラウンドとしておく者なら習熟しておくべき基本的テクニックが記されている。
    ネットを通じて誰でも自分の言説を広められる今にこそ、アリストテレスの言葉に注意を向けるべき。
    ホメロスの文章には改めて舌を巻いた。
    くどい表現に陥らず、直喩や暗喩を駆使して高級な語りを行う。
    無生物を生あるものに転換する力が比喩というアリストテレスの意見には百回ぐらい納得した。

  • 武田の武器としての哲学の推薦本である。他の哲学書に比べると訳が平易でわかりやすい。ありとあらゆることが書かれており、いわゆる米国流のコミュニケーションであり、日本のコミュニケーション術の本である。

  • 賢くなれそう

  • 正直、1巻の前半以降は、ちとだれてしまった。
    古典であり、堅苦しい感じかと思っていたが、1700年も前に弁論についての骨格が出来上がっていて、今もそれほど変わらないなんて!という気付きを得られた。

    読んでいて面白かったのは、議員って以下のようなことを話す必要があるというベースがあったということ。今ニュースで目にするものも大概はいってしまうということに、気付かされた。。。

    議会弁論を繰り広げる主題で、最も重要なものは概ね5つ。
    ・財源に関するもの
    ・戦争と平和に関するもの
    ・国土の防衛に関するもの
    ・輸入品に関するもの
    ・立法に関するもの

    まあ、自分が議員や弁護士になるというのはありえず、会社員という目つきで見てみると、プレゼンをするケースで考えてみて、「未来のことについて、利をもって勧奨する」ということかなと思うのだが、意外に、うまいことできないのは、構造的なものを知らなかったんだなと。ただ演説的になってただけとか。

    この本では、とにかく分類が細かく細かく解説されている。


    ---
    弁論の3つの要素、語り手、弁論の主題、語りかける相手。
    聴き手は、未来のことについて判定する者、過去のことについて判定する者、語り手の能力について判定する者。
    よって、言論の種類は、審議的なもの、法廷用のもの、演説的なもの。
    審議的なものは、勧奨と制止。
    審議する者にとっては、利と害が目的。
    何事かを勧める人は、それを「よりためになる」ことと考えて助言。
    ---

  • アリストテレース先生らしい文体で、全体的に単調なのだけれど、ところどころ刺戟的なところもあり、なんだかんだで結構楽しめた。
    第三巻は言語学徒にとっても示唆に富んだものじゃないかと思う。

  • 喜劇の虐殺

    弁論の手口についてバラしちゃった本。
    長い上に特に面白くもないので、アリストテレースが喜劇嫌いだったことが分かり、その影響でギリシャ喜劇が下らなくなり、煽りを受けたローマ人が心の病に陥ったことが分かればOK。

  • 古典というか、ちょい難しかった。何度か読み直さないと理解できない。しかし、また読もうとは思う気にもなれない内容と難しさである。弁論であるべき大事なことを説いているのは確かのようだが。

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著者プロフィール

なし

「1997年 『天について』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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