本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003361115
感想・レビュー・書評
-
ヨーロッパ政治思想・倫理学の古典。第一巻「道徳的高貴さについて」、第二巻「有利さについて」、第三巻「道徳的高貴さと有利さの関係について」の全三部構成。英知、正義、勇気、自制という四つの徳のうち、正義の徳に対応する協同の義務を第一位に置くという結論は、ギリシャ哲学を受容しつつも、必ずしも「観想的生活」の優位という結論を踏襲しないキケローの独自性が見られるところである。また、ユリウス・カエサルが暗殺された直後に書かれただけあって、暴君殺害の正統化など、当時のローマ政局との関連が深く、また後世の政治思想にも多大な影響を与えた議論が数多く含まれている。共和政ローマに対する思慕の念と後世への影響という意味でも、読むに如くはない本。
詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示