義務について (岩波文庫 青 611-1)

  • 岩波書店
3.13
  • (1)
  • (0)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 74
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003361115

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ヨーロッパ政治思想・倫理学の古典。第一巻「道徳的高貴さについて」、第二巻「有利さについて」、第三巻「道徳的高貴さと有利さの関係について」の全三部構成。英知、正義、勇気、自制という四つの徳のうち、正義の徳に対応する協同の義務を第一位に置くという結論は、ギリシャ哲学を受容しつつも、必ずしも「観想的生活」の優位という結論を踏襲しないキケローの独自性が見られるところである。また、ユリウス・カエサルが暗殺された直後に書かれただけあって、暴君殺害の正統化など、当時のローマ政局との関連が深く、また後世の政治思想にも多大な影響を与えた議論が数多く含まれている。共和政ローマに対する思慕の念と後世への影響という意味でも、読むに如くはない本。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

前106-43年。共和政ローマ末期の政治家・弁論家・哲学者。代表作は、本書所収の二篇のほか、『国家について』、『弁論家について』、『トゥスクルム荘対談集』など。

「2019年 『老年について 友情について』 で使われていた紹介文から引用しています。」

キケローの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×