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Amazon.co.jp ・本 (253ページ) / ISBN・EAN: 9784003361726
みんなの感想まとめ
科学の探求における帰納法の重要性を説いた本書は、17世紀の自然科学と哲学の境界を探る試みとして位置づけられています。著者は、経験に基づいた知識の蓄積を重視し、誤った体系化を批判しながら、新たな知の枠組...
感想・レビュー・書評
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ラテン語の「ノヴム・オルガヌム」とは「新機関」「新道具」といった意味。アリストテレス論理学の研究を「オルガノン」といったのに対し、「新しい(ノヴム)」「機関(オルガヌム)」を提唱するという意とのこと。「新機関」とは何か。自然科学がまだ哲学と未分化の時代に、実験や観察等によって得られた知見に即哲学的意義を見出し、さらに宗教や迷信と結合しやすくしている現状を批判し、実験や観察のままの「誌」すなわち自然データベースを作成しようという決意の論理を示したものである。
17世紀イギリスにおいてフランシス・ベーコンは、諸科学が進歩しない理由について、4つのイドラによる経験の誤った体系化であると考え、もう一度、これまで得られた世の中全ての知見を即結論に飛びつかないで蓄積し、段階を踏んで公理に辿りつこうとした。この手段としてベーコンに勧められた手法が、適当な拒斥・排除によって本性を分離し、否定的なことを試した後に肯定的な場合の結論にいたるというベーコンの「帰納法」である。しかし、こうした手法によるデータベース化と公理としての普遍化作業はとても一人でできる作業ではなく(今日的にはその方法論にも課題があると思われるが)、本書はベーコンの企図した『大革新』という書の第2部を構成するとのことだが、第6部まで構想されたその書は、本書以降は未完とのことで、アフォリズムで記された本書も論理が体系化しているとは言い難いようだ。
人は実験や観察結果からすぐに結論を推察しようとするが、人間の知性の根深いところには「種族」「洞窟」「市場」「劇場」のイドラ(幻影)があり、これを除く必要があるという有名な論述はとても興味深い。全体として当時の状況の理解不足からか、繰り出される比喩についていくことが少し難しかったが、テンポの良いアフォリズムという記載形式は新しい枠組み構築を目指すベーコンの意気込みをよく伝えるかのようだ。
どういう脈絡で出てくるのか期待していたのだが、有名なフレーズ「知は力なり」はどこに書いてあったのかよくわからなかったのが残念。(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
演繹法ではなく、帰納法による科学の探求の重要性が説かれた著作。思えば社会科学全般(経済、政治等)はいつもあるべき論が述べられ、そこから逆算する形で論考が始まるケースが多いが、それは帰納法による真実の積み上げとは真逆のアプローチであり、科学的でない。真の科学的アプローチとは、自然科学における思考がそうであるように帰納的であるべきなのだ。そんなことが学べた著作。
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図書館で借りた。
ベーコンの記した本だ。1620年にイギリスで発表された。ベーコンは哲学者であり、元々は『大刷新』と呼ばれる6部作のうちの第2巻として作られたらしい。イギリスだが、「大刷新」の原題はラテン語で『Instauratio Magna』英語にすれば「Great Renewal」だ。このタイトル『ノヴム・オルガヌム』もラテン語であり、英語にすれば「New Organon」「新しいオルガノン」だ。
内容は格言がつまった構成の模様。正直…ほとんど理解できなかった。通勤で読むには難しかったかな。深入りせずに返却。 -
イドラ説の原典に当たりたくて読んだ。
種族のイドラなんかは今でも考えさせられると思う。
ただ、イドラ説の解説よりも、当時流行だったアリストテレス哲学やスコラ哲学への反対意見の記述が多すぎて何回同じこと書いてるのかと思わされた。
それだけ、当時流行っていたのだろうとは思うし、ある意味で劇場のイドラの説明なんだとも思う。 -
西洋哲学をここまで少しずつ進めてくると、この革新性に驚く
イドラという批判は、カントに届くのでは。
実験、それも膨大な、記録された、実験、これが必要だ、ということ。
そして、帰納法のバージョンアップ。
新しい発見の余地の可能性は充分にあるということ。
そして、発見の方法は進歩するものであること。
人類の福祉のためにあるべきこと。
素晴らしい。古代ギリシアとも、ローマとも、教父とも、スコラとも、合理論とも全く違う。
これぞ近代だ!! -
神やアリストテレス論理学がもつ圧倒的な権威と、その決して過ることのない演繹性に対して、人がイドラを排し、現実の知覚に基づき、自身の頭脳で考えることの優位を説く。現代的な感覚では新しい議論ではないが、ベーコンの同時代にあっては既存のパラダイムに対する挑戦であった。
ベーコンのあげた狼煙はその後、神にあっては19世紀に、またアリストテレス論理学にあっては20世紀に影響を及ぼしたのだとすれば、なんとも遠大な話である。
アフォリズム14「推論式は命題から、命題は言葉から成り立ち、言葉は概念のしるしである」
後世の分析哲学のように、言葉そのものを一次的な分析対象としているようにみえる。そして言葉をリアルな経験と思考の土台とする。それゆえにベーコンにとっては、「ただ一つの希望は真の帰納法のうちにある」のだ。 -
ベーコンが繰り返し語るのは、理性は暴走する、暴走しようとする理性を、実験や観察などの経験によって常に正気に返さなければならない、ということ。イドラの説明も、解説書を読むよりわかりやすい。
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物理の時間に紹介されていたので読んでみました。ベーコンは初です。
全体的にアリストテレス哲学の批判、そして帰納法の勧め。
アリストテレスは世界史的にはとても評価されていたのように思っていたので、かなりきつく批判されていたので意外でした。(あっでもカントも不十分だとか言ってたっけ)
経験を重視する彼だけあって、先入観に捕らわれずに実験の繰り返しによってのみ真がある、ということを繰り返し繰り返し語っていました。ジャズ的に。ただし残念ながら繰り返しゆえに少し飽きる。ちなみにここでの先入観とはアリストテレス哲学のことです。
「真の一致であり、広く覆うものであったとしても、一致は決して真実の、しっかりした権威と見なさるべきではなく、むしろ反対への強力な予断を導入することもある。」
しかしながら帰納法には少し危うい面もあると思います。それは、一体どこまでやれば、真として認めていいのかということ。
数学的帰納法の場合は連続性が基になっているので理解できるのですが、世界の雑多な物事に対しては必ずしも数学のように美しくいくとは限らない。
ただ、絶対的な権威に対しても常に疑いを持てという部分に対しては納得いたしました。これはとても難しいことであるとは思いますが、とても意味があると思われます。天動説が信じられていた時代プトレマイオスが複雑な計算を通して天体の動きを説明していたのに対し、地動説を唱えた瞬間に天体がいたって単純な動きであるとわかったように。 -
帰納法を使って、ちゃんとひつとひとつ積み上げて理論を作っていこうね!
という、今の「実験して理論を作っていく科学」の土台になった本。
ノルヴ(新しい)・オルガヌム(機関、道具みたいな感じ)という意味で、つまり新しい科学的な考え方としての道具、という感じ。
作者のフランシス・ベーコンは爵位ももらってるイギリスの高官。この本は引退を機に書いたりまとめたりしたものの一部で、構想の全てが完成はしなかったものの、17世紀の科学革命に多大な影響を与えた。 -
武田の武器としての哲学の推薦本である。新機関についてどこが一番説明されているかがよくわからない。序言ではいちおう言及しているが、本書の大部分がアフォリズム第1巻である。
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4つのイドラ
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『科学哲学の源流をたどる』(伊勢田)を読んで更に源流をたどりたくなり、読んだ。
彼の問題意識はアリストテレスから受け継がれていた当時の論理学にあるのだということはわかった。
今度はアリストテレス読まないといけないのか…
研究伝統としての「科学哲学」での論争は、どうもテーマだけひとり歩きしているように感じられ、何に答えたいのか未だによくわからない。 -
1-1 科学論・科学史
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学部時代に読んでいただきたい教養書を数件登録する。
僕のバイアスがかからないように、レビューは登録しない。
フランシス・ベーコンの作品
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