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Amazon.co.jp ・本 (120ページ) / ISBN・EAN: 9784003361740
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哲学と科学の関係性を深く考察した作品で、特にアリストテレスの哲学に対する批判が印象的です。著者は、哲学が実生活に貢献しない場合があることを指摘し、真の知識は人間の理性と物事の本性の調和から生まれると説...
感想・レビュー・書評
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・卿が初めてアリストテレスの哲学に嫌悪を覚えられたのは(卿御自身が私に語られたところによれば)、大学在留中、十六歳の頃であったという。アリストテレスが哲学者として無価値だというのではない。むしろあらゆる高き資質を備えていることを認められた上で、その方法が実りなきものである、ただ論争と抗弁の術として優れるのみで(と卿はよく言われた)、人間の生活を益するものの生産──それこそ卿が死の日に至るまで心に掛けておられたことであった──をもたらさぬ哲学である故に好まれなかった。
・卿によれば「哲学を少しかじると、とかく物事を第二原因のせいにして、神を忘れがちになるが、哲学を極めると、再び神に戻る」。
・古代のアリストテレス、中世の錬金術は人類に益となるような成果をもたらさなかったけれども、「空しい観念とやみくもの実験の結婚ではなく、人間の理性と物事の本性の幸せな結婚」によって産まれた火薬、羅針盤、印刷術は学問、軍事、経済の分野に大きな影響を及ぼしたと指摘し、「人間の最高の権力は知の中に隠れている、それは王侯が彼らの財宝によって買うことも、軍隊によって支配することもできない」と言う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
社会的にそれなりの成功を収めたような人が進む次のステージは、世界を変えることだと思うが、そこに進んだ人たちにとっては現実に即した知識では不十分で、往々にして、フィクションからインスピレーションを受けているように見える。「ニューアトランティス」で描かれる、科学技術を究極まで推し進めたような世界観は、そういう人たちにとって刺激的なのかもしれないと思った。
個人的には、「サロモンの家」の構成員の役割が面白いと感じた。ここで述べられている役割分担が、現在の科学研究と大して変わらないのが興味深い。科学的なアプローチというのは人間が普遍的に馴染む思考様式なのかもしれない。 -
図書館で借りた。
岩波文庫の青(文学作品には使われない色)ではあるが、小説作品だ。著者が哲学者、法学者、ときには政治家と呼ばれるフランシス・ベーコンだからだろうか。イギリス人だ。
小説のジャンルとしてはユートピア。架空の理想郷を描いたような作品で、さらには未完成。
書かれた時代は江戸時代の前期から中期にかけての17世紀前半、日本を含めた地球世界はある程度西洋にも知れ渡った頃。太平洋で遭難して未知の島に辿り着いたところ、それはそれは手厚くもてなされる世界だった…というもの。当時の未来に対する夢と予言を記してあると同時に、警世の書であるとのことだ。
科学において、未知な世界に対する想像・妄想は楽しいものだが、それが小説作品になると…どうなんだろうか?私はジャンルとしては興味深いと思う反面、小説としては「ふ~ん、そういうもんかねぇ」程度しか感じなかったなぁ。 -
非常に少ない分量で、未完の作ということのためだろうが、すぐ読み終わった。内容は、未開の国に漂着してその国のあらましの説明を受けるという、フィクションである。その大略は2つに分けることができ、キリスト教の生活と文明国としての仕組みについてである。キリスト教に関しては、神を共に戴く共通性で会話が成立しており、異国の文化を持つ人からは溶け込みがたい雰囲気である。一方、文明国としての側面は、科学の実験だったり、発明のための機関だったり、現代の社会に近い仕組みであり、我々日本人も大いに取り入れた部分である。
この作品を読むにつけても、我々が完全に西洋化はできず、実学の方に関心を寄せてしまう、傾向が再確認できよう。 -
フランシス ベーコン卿晩年の未完の書。
ピーターティールの愛読書とのこと。
本書を読むだけでは、何か物足りない。ノブム オルガヌムなどと合わせて読むべきかもしれない。
サロモンの家の学院設立の目的「学院の目的は諸原因と万物の隠れたる動きに関する知識を探り、人間の君臨する領域を広げ、可能なことをすべて実現させることにある。」 -
「知は力なり」で有名なベーコンが、
プラトンの著作で出てくるアトランティスという超古代文明をモチーフに、
社会の在るべき姿をフィクションの形で提示ようとしたと言える著作。
あらゆる人間の営みに必要なものが、
自給自足で完結した豊かで光輝く世界が創作されている、未完本。
ユートピア。 -
ベーコン「ニュー・アトランティス」読了。嵐の末行き着いたユートピア、ベンサムの国。人知れず進化した国を支えるソロモンの家はベーコンが想起した現代の大学に通じる。当時の時代背景からするとベーコンの先見性に驚くばかりだった。
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確かに日本に向かうとの記述あり。ベンサレムの国のサロモンの家は、メイスンを彷彿とさせる。口絵の森の森はボアズとジャキンのよう。挿絵は、薔薇十字の知恵の鏡は意図的か?
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(後で書きます。未完の先を考えてみること)
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プラトン、トマスマンに続くユートピア(楽園)物語。
荒海にのまれ、為すすべのなくなった航海者たちが、
なんとか陸地を発見し、そこで、厚遇される。
その土地は、「ベンサレムの国」と呼ばれて、
地図にものっていないような島国であるが、
キリスト教の教えを守っているユートピア(ニューアトランティス)である。
この土地の人々はキリスト教を厚く信仰しており、
(唐突に海に光の柱がたって、聖書のはいった棺がその後に残った)
さらに、一夫一妻制で、売春などをきっちりと禁じている。
家父長精度がしっかりとしており、国がそれをバックアップする。
漂流者を厚遇し、そのかわり出て行くときはこの地については、
秘密にするよう支持される。
さらに、研究施設「サロモンの家」があり、
そこには哲学などのほかに科学的研究施設も据え置かれており、
むしろ科学がメインとなっている。
といった感じで、ベーコンの思い描くユートピアが描かれている。
ちなみにこれは立派な文学となっている。
おまけに内容としては宗教学がつづられるが、
そもそもベーコンは哲学者として一般に知られている。
しかし、ベーコンの哲学は帰納法であり、それは科学に相通じており、
「博物誌(森の森)」に収められている。
(まぁ、地中での長生きや、錬金術まがいの怪しげな科学も、
本編では紹介されているけれど)
そのため、科学に関しては当時の最先端のものが描かれている模様。
さらにベーコンは詩人であり、
実はメインでは政治家、法律家として活躍していた模様。
要するになんでもできちゃうタイプだったようだ。
政治法律から詩文学から、宗教哲学、さらには科学。
今の時代はこれだけを網羅できるひとはいない。
せいぜい、医者と文学だとか政治法律と文学だとか科学と文学、
だとかそのくらいが限界だろう。
そういう意味において、このひとは超人だったと思われる。
しかし、ゲーテも何でもマンだったわけで、
そういう意味において、この頃は一つの分野における専門領域が、
広がりすぎて、どうにも専門家ばっかりが増えてるみたいだね。
医者も、内科しかわからんとか、そういう感じになりつつあるみたいで。
さらに細分化。
細分化も必要だけど、総合的に俯瞰できるひとこそが、
その技術を使いこなせるわけで、使いどころもわかるわけで、
さらに技術を結び付けての新技術にも思い至るわけで、
こういうひとが現代は求められているのかもね。
ちなみにニューアトランティス。
というのは、プラトンが言ったアトランティス。
現在ではその場所はカリブ海あたりにある島だと推測されているのだけど、
本著では「アメリカそのもの」として考えらている。
どうやら、アメリカはかつて大航海(侵略)を行っていて、
その天罰として大洪水が起こり低地における文明は滅び、
食糧危機により低地以外で生活していた人々も死に絶え、
後には山中で暮らしていた遅れた人々だけ=インディアン、
だけが残ったと言う流れである。
そのため、インディアンは千年ほど文明が遅れている、
野蛮なひとびとである、なんていう酷いか描かれ方をしている。
全体的に西欧中心主義と女性蔑視的な価値観はまぁ当時の、
主流な考え方かなぁ。
(西欧中心主義は現存しているけれど)
とはいえ、アメリカっていう国は基本的に、ピルグリムファーザー、
以降に成立したようなものでもあるので、
なんつーか、歴史自体は、まだ千年も経っていないわけで、
意図していない痛烈な皮肉になっている気がする。 -
この本自体がフィクションは寓話でなければならないという思想そのもの。
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近代学問理念の予言書
本書はイギリスの経験論哲学の祖フランシス・ベイコン晩年の未完の書であり、プラトンのアトランティス物語を下敷きに、「新しきアトランティス」として「ベンサレムの島」を登場させ、ヨーロッパの航海者が偶然にそこへ漂着し、この島国の社会体制、風習を見聞し、さらに理想の学問研究の組織である「サロモンの家」のあり方が描写される。
「知は力なり」という言葉もあるように、ベイコンの学問研究の理想は、学問を頭の中での思索・瞑想に終わらせず、人間の日常生活の向上のために役立つものとすることであり、そのための見取り図として本書が書かれた。しかし同時に、ベイコンの描く「サロモンの家」の研究員は、ただの自然科学者ではなく、「われらの労働に光を与え、それを聖かつ善なることに用いられるよう、神の助けと祝福を乞う」賢者でもあり、科学技術の発達による恩恵と同時に、その暴走の危険性も十分自覚していたことが印象深い。
本書の構想の影響は大きく、1660年のイギリスの王立協会の設立、1666年のフランスの王立科学アカデミーの創設を促したとされる。また「サロモンの家」には、同時代にヨーロッパ思想界の話題を席巻した「薔薇十字運動」との関連も研究者により指摘されていて、興味は尽きない。 -
科学が行きつくであろう先が理想的に生活に組み込まれた社会はどのようなものなのか?を著した本(未完)。
ベーコンが描くこの理想郷は、実に理想でしかない。現実をその理想に至らしめるには、いくつか解消すべき問題がある。
?いかにして私利私欲に走る者の発生を抑えるのか?
理想郷に住む人々は、「道に誤りし者には叱責を加える」わけだが、そのためにはまず指標となる道が必要となる。その道は全員にとって有益でなければならない。しかし、指標となる道が全員の利益たりうることはありえない。卑近な例でいえば、政党のマニフェストを見ればわかる。
すなわち、どのような道であっても漏れる人が出てきてしまう。彼らを道に沿わせるためにどのような措置を取るべきなのか?
?全員の欲求を満たすほどの富が存在しうるのか?
科学を発展させる。人々の健康を守る。などには莫大なお金や資源が必要となるが、それらは果たして人々全員の欲求を満たせるほど存在するのか?
これらを解消できないと、実現には程遠い。。そんな現実との乖離部分を明らかにするのがこの本の意義のひとつかもしれない。 -
科学・社会における理想像を寓話で示そうとしたもの。未完です。
内容も寓話のわりには箇条書きっぽくて面白みには欠けます。
科学の方で列挙されている事って、現代科学のテーマでもあり人間やっていることは17世紀から変わらないんだなと思いました。 -
ブログの方でレビューさせて頂きました。<BR>
http://www.mypress.jp/v2_writers/rihito/story/?story_id=1377757
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(06/4/7)
川西進の作品
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