- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003361825
作品紹介・あらすじ
「ねえ、ハイラス」経験論者バークリを代弁するフィロナスは論戦を挑むハイラスに向きあう。知覚の原因物質が外界に存在することを否定し一切は心の中の観念とする"非物質主義哲学"をいかに世間に納得させるか。『人知原理論』『視覚新論』と三大主著をなす対話篇は英文学史に残る名文で書かれた。1713年刊、絶好の哲学入門書。
感想・レビュー・書評
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さすが、「原理」への反省もこめたのか、対話編で執拗に繰り返される問答は想定問答集のようでもあって、「原理」とかで困ってた解釈について、ちゃんと読めばかなり答えが書いてあると思う
神なんて想定したくないけども、
「もしも、誰か哲学者が物質の助けを借りて、私たちの心にどのようなものでも観念が生み出される様子を説明したことを示せるならば、私は、永遠に君の言うことに従い、それに反対してきたすべてのことをなかったことにしましょう」
なんて問い詰められると、さて、これは、現代の科学にもできていない。
科学はいまだ、デカルトの松果体を見つけられないでいる。
脳の仕組みはわかってきた。創発される、という感覚も見えてきた。
でも、まだ、誰もニューロンから観念が立ち上がってるところはわからない。
そして、
「たとえ物質についての何か肯定的な概念を持っていたとしても、また、その性質を知っていたとしても、その存在を理解できたとしても、物事を決して説明できないし、物質それ自体、世の中でも最も説明できないものなのですよ」
とまで言われると、現代科学者だってぐうの音も出ない。
さぁ、次はヒュームだ!
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170422 中央図書館
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17
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古本で購入。ロック、ヒュームの陰に隠れがちな"経験論第三の男"というイメージを長らく抱いていたバークリの著作を初めて読んだ。平易な表現を用いた対話形式ということもあって、入門編にはちょうどいい。がしかし、ロックの斬新さやヒュームの徹底ぶりに比べると、やはりその折衷主義的態度が生ぬるく感じられるのも事実。スピノザの言葉を借りれば、まさに"彼らは最も激しく対立している場合でも、実はまったく同じことを考えているか、そうでなければまるで異なる主題について考えているかであり……(『エチカ』第二部定理四七備考)"
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あー、自分の頭の悪さを思い知らされました。
大学の講義(理系。生物)で、とある教授がデカルトを引き合いに出していたのですが(主として『情念論』)、個人的に「バークリのほうが近いのでは?」と思ったので読んでみました。
『ソフィーの世界』で昔々ちょろっと読んで印象的な思想だったのでたまたま覚えており、わかりやすいかなー、と思った自分が甘かったです。
異常にやる気のないときに読んでいたこともありますが、数十ページ読んだ時点でかなり苦痛に。
事物の実在と感覚、心を分ける考え方はおもしろいと思いますけどね。如何せん、ちゃんと理解していないのでダメダメ。
哲学の基本用語をしっかり知らないというところにも私の不理解の大きな原因がありますね。うーむ。どうしたものか。
でも、対話形式はやはりおもしろいのではないでしょうか。哲学の基礎。 -
大学の哲学の先生が訳した本だというので気になって読んでみた。前書きと後書きからも人柄がうかがえる。
対話形式、登場人物はハイラスとフィロナスの2人だけ。作者バークリの考え方をフィロナスが代弁する。難しくて全然理解出来なかったが、ハイラスが言いくるめられて混乱したり、2人がお互いに皮肉を言い合ったりしていて楽しい。-
2008/10/13
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>solaninさま
コメントありがとうございます。読まれましたか!目を通すだけで難しかったですよね。。。
理解は…出来てません;感想が...>solaninさま
コメントありがとうございます。読まれましたか!目を通すだけで難しかったですよね。。。
理解は…出来てません;感想がこんなに拙くて恥ずかしいです。2008/10/14
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バークリを読みたくて『人知原理論』を探していたら、学校の図書館にも書店にもやたらとこればっかりしか見つからないんです。
でもこれ、対話篇で割に読めそうな雰囲気なのでこっちを読もうかと思案中。