人間機械論 (岩波文庫 青620-1)

  • 岩波書店 (1932年11月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (132ページ) / ISBN・EAN: 9784003362013

作品紹介・あらすじ

十八世紀に開花したフランス唯物論のもっとも尖鋭な代表者といわれる医師ラ・メトリ(一七〇九-五一)の主著。主として生理学の力をかり、人間の精神が脳という物質の働きにほかならぬことを論証したもの。発表されるや宗教界に激しい憎悪の嵐をまきおこし、各宗派は「一人の哲学者を迫害するために力をあわせて狂奔した」という。

みんなの感想まとめ

人間の精神と物質の関係を探るこの作品は、十八世紀のフランス唯物論を背景に、脳の働きが精神に与える影響を論じています。読みやすい要旨に加え、モダニズム的な発想が感じられ、現代の視点からも共感を呼び起こし...

感想・レビュー・書評

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  • とても面白いです!
    そして前提知識を持っていた方が絶対面白いやつです。

    まず、内容の構成は以下。
    ①翻訳者による著者の来歴や性格面の考察。
    ②出版社による言い訳っぽいもの。
    ③本題とは別の、ハルレル氏への言葉。
    ④本題。

    ①で、この本が当時の各宗教からとんでもない反感を買ったこと、そして何故か名前が挙がっているハルレル氏が「関係ないです!!」と否定していることがわかり、
    ②③の内容が凄く楽しくなりました。
    良い性格してんな……という気持ち。

    そして本題ですが、ざっくりまとめると「自然賛歌。人間と動物には精神がある。それは脳由来。というか魂とは脳の機能!」みたいな話です。

    作中における「機械」は、心が無いという意味ではなく、「心も脳に由来する」というもの。
    デカルトの心身二元論(人間の体は機械のようなもので、精神は別に存在している)、動物機械論(動物に精神はない)あたりへの反証と思われます。

    私は現代日本の感覚だと「精神とは脳に由来する」も「動物にも心はある」もわりと浸透していると思っており、私個人もこの感覚で生きているのですが、
    著者が「執筆時点の一般論を否定して、読者(私)の感覚側の主張をしている」という読書経験が個人的に楽しかったです。そのための言葉選び、伝え方も結構お洒落で読みやすい。

    この時代を経て今の価値観になってるんだなぁ……。
    そして今の価値観も、いつかの未来では否定される側になるんだろうか……。

    ■最後に
    時代的に関係はないけど一緒に読んどくとなんか記憶がリンクして楽しかった本は以下です。

    「動物たちの心の世界(マリアン・S・ドーキンズ)」
    「生物から見た世界(ユクスキュル)」

    私は上記を読み終えた後に「よーし動物は機械的に動く物質じゃないって本読んだから、次は人間が機械って本を読むか~」と思って本書を手に取り、
    「さっき読んだ内容!!!!!!!!」になる場面が多々ありました。楽しかった。

  • 要旨が一貫して読みやすかった
    モダニズム的発想で一定の共感はできた

  • 修辞学に偏り過ぎていて、他の哲学者の著書と比べるべくもないほど何が言いたいのかわからない。いや、わかるんだけどタイトルそのままの事以外に何もなさそうだったので読むのをやめた。

    これを読むくらいなら方法序説を3回読んだ方が良い。

  • サイエンス

  • 再読

  • 人体は自らゼンマイを巻く機械であり、永久運動の生きた見本である

  • 人間はただ人間性を含むだけの、機械的な作用で動作するものであり、本質的には動物となんらか変わりがないことを述べている。
    今からすれば至極当然のことだが、当時からすればとてもセンセーショナルな論であっただろう。

  • 101冊、のつもりで間違えた。
    101冊はノーバート・ウィーナーのほうでした。

    人間は動物とかわらない、人間が精巧な機械であるといって何が悪いのか!という風な趣旨だと思います。
    なんで思います、かっていうと、苦手なんだよ文体が!
    時代的なものかもしんないんだけどまわりくどくて比喩も多くて一文も長いしで、わりとさらーっと流して読んじゃいました。
    300年近く前の本だし、キリスト教徒じゃないので、別に衝撃を受けるでもなく、ああそうよねーって感じでしたが
    「脳も筋肉である」っていうのはやっぱりちょっとびっくりした。
    脳も繊維だ脂肪だタンパク質だ(なんかちょっと間違ってるかもしれない)っていうのはそれこそいろんなとこで聞いてるんだけど、そのたびにちょっとびっくりします。
    これはわたしが脳を信仰してるってことなんかなあ

  • 医師のラ・メトリの著書。人間の身体の構造は機械的で、他の、キリスト教的に
    いえば低級な地をはう虫と変わらない。生殖のしくみも成長の仕組みも変わらない
    し、神様が作ったと考えてもいいけど物理で説明できてもおかしくはないだろう
    というお話

  • 当時の汎神論者等を批判しつつ、医者・哲学者・無神論者として人間はいかにして産まれたかを説く。
    時折しも産業革命時代の黎明期、生物と機械を同一視する機械論が再び持ち上がるのも肯ける。
    デカルト等の先駆者が居たとはいえ、これまでのキリスト教的生命観を脱し、生物学へのパラダイムシフトを起こす嚆矢の一つと思って良かろう。

  • 構造主義の話。
    無神論者と言っても、自然は偉大だと言ってしまうなら、それは考えるのをやめるということで、神を崇拝するのとあまり違わない。

  • 1747年に出版され、性急な唯物論が宗教の否定と見なされ著者の迫害を招いた書物。
    しかしこんにち読んでみると、ごくふつうの、常識的なことが書いてあるだけ、という感触だ。意外と著者は冷静であり、人間は動物の一種にほかならず、「魂」と呼ばれるものは脳の機能の一部に過ぎないことを、生理学的な観点から論証してゆく。
    もちろん当時の自然科学的知見は誤りも多いが、大枠において科学的である。おまけに動物→人間という、進化論の片鱗も見せる。
    しかし「魂」は独立したものであり、「人間」は動物とはまったく異なる特別な存在であるという、当時の宗教的・哲学的前提がこうした自然科学的論法と対立したわけだ。
    とはいえ、「魂(心)」は物質としての脳の「属性」に過ぎない、という言い方は、やはり言い過ぎではないかと私には思われる。モノと、モノの機能によりうみだされるものとの違いは、厳然たるものだからだ。この区別の上にたちながら、心身二元論を乗り越えるのが正しい行き方ではないだろうか。
    ド・ラ・メトリのこの本が、科学史上どんな役割を果たしたかはわからないが、西欧の「近代」の思考の流れの中で、重要な意味を持っていることは間違いない。

  • 『人間部品産業』から触発

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