エミール〈中〉 (岩波文庫)

著者 : ルソー
制作 : Rousseau  今野 一雄 
  • 岩波書店 (1963年7月16日発売)
3.45
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  • 本棚登録 :513
  • レビュー :21
  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003362228

作品紹介・あらすじ

人間は立派な者として生まれるが社会が彼を堕落させる、という根本命題に立って理想的な自然教育の原理を述べたこの書物に、ルソーは自らの哲学・宗教・教育・道徳・社会観の一切を盛りこんだ。本巻は、その哲学篇で、ルソーの感情主義哲学を率直に吐露したものとして殊のほか有名な「サヴォワ助任司祭の信仰告白」を含む第四篇を収める。

エミール〈中〉 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • サヴォワ助任司祭の信仰告白は カラマーゾフの兄弟の大審問官のような 迫力がある。単なる児童教育論ではない。面白い

    趣味の話までカバーしているとは

  • 2012.3.3 読了

  • カテゴリ:図書館企画展示
    2013年度第2回図書館企画展示
    「大学生に読んでほしい本」 第2弾!

    本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。

    仲居宏二教授(歴史社会学科/国際交流)からのおすすめ図書を展示しました。
            
    開催期間:2013年6月18日(火) ~2013年9月30日(月)【終了しました】
    開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース

    『万物をつくる者の手をはなれるときすべてはよいものであるが、人間の手にうつるとすべてが悪くなる。』という有名な書き出しで始まるルソーのエミール、教育哲学書、児童教育書などとして読まれていますが、学生時代にはむしろ世界や自然を考えるガイダンスのように読みました。
     書棚からすっかりセピア色に変色した文庫本を取り出しました。鉛筆で線を引きながら読んだ形跡があり懐かしく思い出しました。
     僕の学生時代は政治的にも、経済的にも社会が大きく変化している時、何か指針となるものを欲し、確固とした考え方を持ちたいと思っていた時に出会った本です。まるで小説を読むように夢中でページをめくったことを記憶しています。
     “自然に帰れ”などのフレーズは今でも使われています。200年前に書かれたものですが、逆説的な言い方の奥の意味を考える良いテキストでした。
     さまざまなヒントが沢山含まれています。自信を持って推薦いたします。
     第一巻だけでも読んでみてください。

  • 請求記号:A/371.1/R76/2
    選書コメント:
    「素直なこども」とは大人に都合よい子のことでしょうか。
    先生を目指す方には是非読んでいただきたいです。
    (東松山図書課 整理担当)

  • 『エミール』のうち、非常に有名なパート「サヴォアの助任司祭の信仰告白」を含む第4編を収録している。さきの三編では、自然の事物を知ることが問題であったが、第4編では社会関係のうちでいかに生きるべきかが問題となる。ルソーは、サヴォアの助任司祭の口を借りて、自然にいかなる意味を見出すか、良心とは何か、宗教にはどのような態度をとるべきかといった哲学でよく争われるテーマを一挙に語りだす。ルソーはすべての規準を良心に見出し、これは感情であるとされるが、もちろん社会関係のなかで形成される通常の感情とは異なる。むしろ、通常の感情から「自然」に由来しないものをすべて捨象した、純化された「感情」である。おそらくこの点が、『社会契約論』における「一般意志」とのつながりないし同一視を考えさせる契機となっている。

  • <閲覧スタッフより>
    著者ルソーが最も重要としたのは“自然のままに育てる”こと。ある教師が「エミール」という平凡な人物を、自然という偉大な存在の指示のもと誕生から結婚まで導いてゆく様子を小説形式で描いたもの。
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    所在番号:文庫||135.4||ルシ
    資料番号:10101374
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  • 宗教と哲学。
    海外では宗教がすごく大切で大切でしょーがない、という価値観だと思っていた。それなのにこの本では信仰は大切にしているものの、エミールに子どもの頃から宗教を与えないで、選ばせているのに驚いた。



    無償であればこそ贈り物にははかりしれないねうちがあるのだ。人の心は自分の掟のほかには掟を認めない。人の心はつなぎとめようとすればはなれていき、自由にさせておけばつなぎとめられる。

    ここ、好き。

  • 本から
    ・人間を本質的に善良にするのは、多くの欲望を持たないこと、
     そして、自分をあまり他人にくらべてみないことだ。
     人間を本質的に邪悪にするのは、多くの欲望をもつこと、
     そしてやたらに人々の意見を気にすることだ。

    ・人間を社会的にするのは彼の弱さだ。私達の心に人間愛を
     感じさせるのは私達に共通のみじめさなのだ。(略)
     こうして私たちの弱さそのものから私達のはかない幸福が
     生まれてくる。本当に幸福な存在は孤独な存在だ。
     神だけが絶対的な幸福を楽しんでいる。

    ・教師よ。言葉を少な目にするがよい。しかし、場所、時、人物を
     選ぶことを学ぶがいい。そしてあなたの教訓を全て実例に
     よって与えるのだ。そうすれば効果は確実だと思ってよい。

    ・「あれ程言っておいたのに・・・・」 この言葉以上に能のない
     言葉を私は知らない。

    ・私は、人間精神の無力が人々の考えのあの驚くべき多様性の
     第一の原因であること、そして、傲慢が第二の原因である
     ことを理解した。

    ・よき若者よ、真面目であれ、真実であれ。しかし、傲慢な心を
     もつな。無知でいられるようになるがいい。そうすればあなたは、
     あなた自身も他の人もだますようなことはしまい。

    ・学者というものは一般人の考え方を軽蔑する。それぞれ独自の
     考えをもとうとする。盲信的な信心は狂信に導くが、傲慢な
     哲学は反宗教に導く。こういう極端を避けることだ。
     心理への道、あるいはあなたの心を素直にして考える時、
     そう思われる道に、いつも踏みとどまるがいい。虚栄心や
     弱さのためにそこから遠ざかるようなことがあってはなるまい。
     哲学者たちのところでは大胆に神を認め、不寛容な人々に
     向かっては大胆に人間愛を説くのだ。(略)
     本当のことを言い、よいことをするのだ。人間にとって大切な
     ことはこの地上における義務を果たすことことだ。そして、
     わが子よ、個々の利害は私達をだます。正しい人の希望を
     だけがだますようなことをしない。

    ・排他的な楽しみは楽しみを殺す。本当の楽しみは民衆と
     分け合う楽しみだ。自分一人で楽しみたいと思うことは、
     楽しみでなくなる。


     

  • ルソーのエミールの第四編を収録する中巻。
    上巻では十五歳までの少年を取り扱っていたが、この巻ではその先二十歳すぎぐらいまでの、思春期の青年に対する教育が考えられる。そこでは恋愛、宗教、道徳が問題となる。

    自然教育、自然宗教などと、とみに自然がテーマになるルソーだが、その自然の教え、導き、良心などというものとはなんなのかということも明らかになってくる。その地点からの近代社会批判は感動的ですらある。

    子供をのびのび育て、強い子に育てるというような、やや牧歌的ですらある上巻までの視界からは打って変わって、社会と人間という関係を教育という地平から広く見渡した第四編(中巻)はルソーの珠玉の哲学論とも言うべき一編である。

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