エミール〈下〉 (岩波文庫青 622-3 )

著者 :
制作 : Rousseau  今野 一雄 
  • 岩波書店
3.45
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本棚登録 : 504
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003362235

作品紹介・あらすじ

自然と社会との対立や、自然の優位についてルソーがその処女論文「学問芸術論」以来一貫して主張してきた考えを教育論において全面的に展開した著作。エミールなる人間の教育方法とともに、その妻たるべき少女ソフィーの教育をも加えて、小説形式で述べた教育思想史上不朽の古典。巻末にルソーがスケッチ風に自画像を描いた「マルゼルブへの手紙」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 全三巻のうち最終巻です。
    主人公の結婚まで書かれていますが、ちょっと問題あり。

  • ルソーは女性に対して厳しい。育児、宗教、女性を論じた本

  • 2012.3.17 読了

  • カテゴリ:図書館企画展示
    2013年度第2回図書館企画展示
    「大学生に読んでほしい本」 第2弾!

    本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。

    仲居宏二教授(歴史社会学科/国際交流)からのおすすめ図書を展示しました。
            
    開催期間:2013年6月18日(火) ~2013年9月30日(月)【終了しました】
    開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース

    『万物をつくる者の手をはなれるときすべてはよいものであるが、人間の手にうつるとすべてが悪くなる。』という有名な書き出しで始まるルソーのエミール、教育哲学書、児童教育書などとして読まれていますが、学生時代にはむしろ世界や自然を考えるガイダンスのように読みました。
     書棚からすっかりセピア色に変色した文庫本を取り出しました。鉛筆で線を引きながら読んだ形跡があり懐かしく思い出しました。
     僕の学生時代は政治的にも、経済的にも社会が大きく変化している時、何か指針となるものを欲し、確固とした考え方を持ちたいと思っていた時に出会った本です。まるで小説を読むように夢中でページをめくったことを記憶しています。
     “自然に帰れ”などのフレーズは今でも使われています。200年前に書かれたものですが、逆説的な言い方の奥の意味を考える良いテキストでした。
     さまざまなヒントが沢山含まれています。自信を持って推薦いたします。
     第一巻だけでも読んでみてください。

  • 請求記号:A/371.1/R76/3
    選書コメント:
    「素直なこども」とは大人に都合よい子のことでしょうか。
    先生を目指す方には是非読んでいただきたいです。
    (東松山図書課 整理担当)

  • 親の手を離れて配偶者の手の中へ、というラストはホラーっぽくもある。

  • 『エミール』第5編および『マルゼルブへの手紙』を収録している。エミールの教育の締めくくりとして、エミールのみに似つかわしい女性とはいかなる人物であるべきか、という女性論が開陳される。その女性ソフィーと出会ったあとも、「市民の義務」を学ばなければならないと称して、『社会契約論』の思想を規準に諸国を遊覧し、どの国に居住すれば自由を維持することができるかを検討する。最終的には、この地上において自由を維持することのできる国家は存在せず、積極的に国家活動に関わることはないが「執政官」として必要とされた場合にのみ義務を果たせばよい、という『社会契約論』で提示される「市民」像とは真逆の、自然法に従う「人間」像が提示されて終わる。

  • <閲覧スタッフより>
    著者ルソーが最も重要としたのは“自然のままに育てる”こと。ある教師が「エミール」という平凡な人物を、自然という偉大な存在の指示のもと誕生から結婚まで導いてゆく様子を小説形式で描いたもの。
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    所在番号:文庫||135.4||ルシ
    資料番号:10101376
    -------------------------------------------

  • エミール、上、中、下と改めて纏めたが、
    「下」が、賛同という意味ではなく、
     ルソーの個性がとても色濃く出ているので、特に楽しめた。

    本から
    ・プラトンは「国家篇」の中で、女にも男と同じ訓練をさせている。

    ・肉体はいわば魂に先だって生まれるのだから、最初の教養は
     肉体についての教養でなければいけない。この順序は男女に
     共通である。しかし、その教養の目的は違う。一方においては
     その目的は体力を発達させることであり、他方におていは魅力を
     育てることである。もっともこの二つの力はそれぞれの性に
     排他的にあるわけではなく、ただ順位が逆になっている。
     女性は何をするにしても優美に見えるように十分の力を必要と
     する。男性は何をするにしてもやすやすと出来るように十分の
     器用さを必要とする。

    ・服従は女性にとって自然の状態。

    ・女性の基本的な、そして最も大切な美点は、やさしくするという
     ことだ。男性という不完全な存在、しばしば多くの不徳をもち、
     いつも欠点だらけの存在に服従するように生まれついている
     女性は、正しくないことにさえ我慢をし、夫が悪い時でも不平を
     言わずに堪え忍ぶことご早くから学ばなければならない。

    ・男も女も自分の性にふさわしい調子をもち続けなければならない。
     やさしすぎる夫は妻をなまいきな女にすることがある。

    ・男性は話をするには知識を必要とし、女性は趣味を必要と
     する。一方は役に立つことを、他方は楽しませることを主な
     目的とすべきだ。双方の話は真実性ということの他には
     共通の形をもつべきではない。

    ・それぞれが相手の衝動に従っている。それぞれが服従しながら
     両者とも主人なのだ。

    ・実例を示さなければ子供に対しては絶対なにごとも成功しない。

    ・あらゆる罠の中で一番危険なのは、理性も避けることの出来ない
     ただ一つの罠は、官能のしかける罠だ。

    ・あらゆることで中庸を望むがいい。美しさということさえ、その
     例外ではない。感じがよくて、人好きのする姿、恋を感じさせは
     しないが、好意をもたせる姿、そういう姿の人を選ぶべきだ。

    ・人生は短い、と人々は言っているが、私の見るところでは、
     人々は人生を短くしようと努力しているのだ。人生を利用
     することを知らないで、彼らは時がたちまち過ぎ去ることを
     嘆いているが、私の見るところでは、時は彼らの意に反して、
     まりにもゆっくり過ぎていくのだ。めざす目的のことばかり
     考えている彼らは、自分達とその目的とをへだてている間隔を
     恨めしく思っているある者は明日になればと思い、ある者は
     ひと月たてばと思い、またある者は、今から10年たてば、と
     思っている。だれひとり今日を生きようとはしない。だれひとり
     現在に満足しないで、みんな現在の過ぎ去るのがひどく
     遅いと感じている。時はあまりにも速く流れていくと嘆く時、
     彼らはうそをついているのだ。彼らは時の流れを早める力を
     喜んでもらいたいのだ。彼らの一生を無駄にすることに喜んで
     彼らの財産を使いたいのだ。

    ・人生の無常を考え、特に現在を未来の犠牲にする間違った
     思慮を避けることにしよう。それはしばしば現在あるものを
     将来もありえないもののために犠牲にすることになる。
     全ての時期において、人間を幸福にしてやろうではないか。

    ・男性よ、君の伴侶を愛するのだ。きみの労苦をいたわるために
     きみの苦しみをやわらげるために、神はきみに伴侶を与えて
     いるのだ。これが女なのだ。

    ・人間はその願望のために無数のものに執着しているが、
     人間そのものはなにものにも、自分の生命にさえも、固く
     結びついているわけではない。人間は一層多くの愛着をもてば、
     一層多くの苦しみを招く。全ては地上を過ぎ去るだけだ。
     私達が愛しているもの全て、おそかれはやかれ、私達から
     遠ざかっていく。ところが私達は、全ては永遠に続くことになる
     かのようにそれを執着している。

    ・有徳な人とはどういう人か。それは自分の愛情を克服出来る
     人だ。そうすればその人は自分の理性に、良心に従うことに
     なるからだ。その人は自分の義務を果たし、正しい秩序のうちに 
     とどまって、なにものも彼をそこから逸脱させることは出来ない。

    ・人間であれ。きみの心をきみに与えられた条件の限界に
     閉じ込めるのだ。その限界を研究し、知るがいい。それが
     どんなに狭くても、そこに閉じこもっている限り、人は不幸には
     ならない。その限界を越えようとする時、初めて不幸になる。
     無分別な欲望を起こして不可能なことを可能なことと考える
     時に不幸になるのだ。自分の人間の状態を忘れて空想的な
     状態を作り上げる時、不幸になるのだ。

    ・傲慢な心から生まれる錯覚は私達の最も大きな悪の源だ。
     一方、人間のみじめさを深く考えることは賢明な人にいつも
     つつましい態度を取らせる。

    ・幸福に、賢明に生きようとするなら、きみの心を失われることの
     ない美しさにだけ結びつけるがいい。きみに与えらえている
     条件をきみの欲望の限界とし、きみの義務をきみの好みに
     先行させるのだ。必然の掟を道徳的なことにまで広げ、きみの
     手から奪われるようなものを失うことを学ぶがいい。

    ・死は悪人の生の終わりだが、正しい人の生の始まりだ。

    ・自由になるためにはなにもすることはないのだ、と私には
     思われる。自由であることをやめようとしなければ、それで
     十分なのだ。あなたは必然に従うように教えることによって
     私を自由にしてくれた。必然がいつやってきてもいい。私は
     なんの拘束も感じないで、それにひっぱられていく。そして
     私は必然と戦おうとは思っていないから、自分をひきとめ
     ようとしてなにかにしがみつくようなことはしない。

    ・人間には一生の間、助言と指導が必要だ。


     

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